テンジクアジ

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テンジクアジ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : スズキ亜目 Percoidei
: アジ科 Carangidae
: イトヒラアジ属 Carangichthys
: テンジクアジ C. oblongus
学名
Carangichthys oblongus
(Cuvier, 1833)
シノニム
  • Caranx deani Jordan and Seale, 1905
  • Caranx oblongus Cuvier, 1833
  • Carangoides oblongus (Cuvier, 1833)
  • Caranx auriga De Vis, 1884
  • Citula gracilis Ogilby, 1915
  • Caranx tanakai Wakiya, 1924
和名
テンジクアジ
英名
Coachwhip trevally
おおよその生息域

テンジクアジ(学名:Carangichthys oblongus)はアジ科に属する海水魚である。インド太平洋に広く分布し、その分布域は西は南アフリカ、東はフィジー日本まで広がっている。比較的大型の種で、最大で全長46cmに達した記録がある。非常によく似るイトヒラアジなどの近縁他種とは鰭条や鱗など形態上の特徴から区別することができる。しばしば沿岸域で見られ、エスチュアリーによく現れることも多くの地域で知られている。繁殖や食性についてはほとんど分かっておらず、漁業においてもほとんど重要ではない。

ITISではスズキ目アジ科イトヒラアジ属 (Carangichthys) に分類されている[1][2]WoRMSではヨロイアジ属 (Carangoides) に分類されている[3]

本種はフランス博物学者ジョルジュ・キュヴィエによって1833年に、ニューギニアから得られた標本をホロタイプとしてはじめて記載された[4]。キュヴィエは本種を Caranx oblongus と命名し、ギンガメアジ属 (Caranx) に分類した。種小名の "oblongus" は、「楕円形の」という意味で、本種の体型に由来する。

この学名はその後、まず Carangichthys 属に移され、続いてヨロイアジ属 (Carangoides) に移された。本種はこの後も何度か独立に再記載されている。具体的には、一度目はチャールズ・ウォルター・デヴィスによって Caranx auriga として、次にWilliam Ogilbyによって Citula gracilis として、そして最後に脇谷洋次郎によって Caranx tanakai として記載されている[5]。これらの学名はキュヴィエによるはじめての、かつ正確な記載ののちに命名されたものであるため、国際動物命名規約に基づき後行の無効なシノニムであるとされている[4]

形態

比較的大型の種であり、最大で全長46cmに達することが知られている[5]。体型は同属他種の多く、特にイトヒラアジ (C. dinema) と似ている。特にイトヒラアジとは、第二背鰭下部に黒い班があることでも類似している[6]。本種は臀鰭がよく伸長する一方、イトヒラアジの臀鰭はそれほど伸長しないことで両種を識別できる[7]。その他、両種は鰭条や鱗の数によっても識別できる。体型は側偏した楕円形で、背側の輪郭が腹側の輪郭よりもふくらんでいる[8]背鰭は二つの部分に分かれており、第一背鰭は8棘、第二背鰭は1棘、20-22軟条である。第二背鰭の突出部は伸長し、その長さは頭長を超えている。臀鰭は前方に2本の遊離棘があり、それを除くと1棘、18-19軟条である。腹鰭は1棘、18-19軟条である[6]側線は前方でゆるやかに湾曲し、曲線部は直線部よりもわずかに短い。この点でもイトヒラアジと本種を区別できる。曲線部には60から69の鱗が、直線部には0から2の鱗と37から42の稜鱗アジ亜科に特有の鱗)が存在する。胸部には鱗がなく、体側面では鱗の帯を隔てて胸鰭の基底部にも無鱗域がある[6]。頭部は丸みを帯び、口は斜位に存在する[2]。両顎には小さい歯からなる歯列が存在し、その幅は前方で広くなる。上顎外側には比較的大型の歯が不規則に連なって存在する。大型個体では下顎にもこの大型歯が存在する。鰓耙数は26から30、椎骨数は24である[8]

体色は背部でオリーブグリーンで、腹部では銀白色や黄色を帯びてくる。第二背鰭の基底部に沿って小さな青色から黒色の斑が存在する。尾鰭上葉と背鰭軟条部は暗い青色、臀鰭は黄色で突出部頂端は白くなる。腹鰭と胸鰭は黄色である。鰓蓋には通常はうっすらと暗い斑が存在するが、斑が全く無い個体もいる[9]

分布

インド洋、西部太平洋熱帯亜熱帯域に広く分布する[9]。インド洋では、西部では南アフリカマダガスカルで、北方ではアデン湾インド南岸[10]などで報告がある。インド洋東部では中国東南アジアインドネシアオーストラリア北部でみられる。太平洋では生息域はパプアニューギニアから北に台湾日本韓国、東はニューカレドニアフィジーまで伸びる[11][5]

日本では和歌山県琉球列島以南の南日本でみられる[2]

生息域の全域で、沿岸域でよくみられる。オーストラリアやソロモン諸島フィジーで行われた調査では、幼魚エスチュアリーでよく見つかった[9][12][13]。成魚になってもエスチュアリーに留まることはあるが、や浅海のサンゴ礁岩礁へ移動することもある[9]

生態

人間との関係

出典

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