ドナ・リー
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「ドナ・リー」(Donna Lee)は、チャーリー・パーカーの作曲とされるジャズ・スタンダードであるが、マイルス・デイヴィスも自身の作曲であると主張している[1][2]。A♭長調で書かれており、ジャズ・スタンダードの「インディアナ」のコード進行に基づいている[1]。「ドナ・リー」は、非常に複雑で進行の速い楽曲であり、半小節の休符から始まるという珍しい構成を持つ。また、各コードチェンジごとに4音のグループを当てはめる作曲スタイルを特徴とする。
作曲者について
「ドナ・リー」は、オリジナルの78回転盤の録音では元々チャーリー・パーカーのクレジットとされており[3]、1947年に彼の名義で著作権登録された。しかし、それ以降の様々なインタビューや出版物において、マイルス・デイヴィスが作曲者であると主張している[2][3]。その中にはマイルスが自伝で語った次のような発言もある。「アルバムのために『ドナ・リー』という曲を書いた。これは俺にとって初めて録音された曲だった。しかしレコードが発売されると、作曲者としてバード(パーカー)の名前が記載されていた。バードのせいではない。レコード会社が間違えたのだ。」[4]
マイルスは自身が作曲者であると主張したものの、著名な作曲家・編曲家のギル・エヴァンスは、ニューヨークのWKCR FMでのラジオインタビューにおいて、この曲の真の作曲者はドラマーで作曲家のタイニー・カーンであると公に述べている。エヴァンスによれば、カーンがマイルスにメロディを教え、その後マイルスがパーカーに教えたという。
録音
「ドナ・リー」は、1947年5月8日にニューヨークにおいて、チャーリー・パーカー・クインテットによってサヴォイ・レコード向けに録音された[2]。このセッションでパーカーと共に演奏したミュージシャンは、マイルス・デイヴィス、バド・パウエル、トミー・ポッター、マックス・ローチである。「ドナ・リー」は、このセッションで最初に録音された曲であり、4回のテイクのうち4回目がマスターテイクに採用された[2]。
その後、1947年のうちにクロード・ソーンヒルとそのオーケストラによってデッカ・レコード向けに録音された。このオーケストラには、ギル・エヴァンス、リー・コニッツ、ジェリー・マリガン、サンディ・シーゲルスタイン、ビル・バーバー、ジョー・シュルマンが参加していた。マイルス・デイヴィスは後に、このメンバーの一部をアルバム『クールの誕生』で起用した。エヴァンスは、ソーンヒルのために「ドナ・リー」のアレンジを書く許可をマイルスに求め、マイルスもこれに同意した。マイルスは自伝で、これがきっかけで自身のノネット(九重奏団)の録音に向けて「クロード・ソーンヒルのサウンドをより少ない人数で模倣する」というアイデアを得たと語っている[4]。
ジャコ・パストリアスは、自身のデビュー・アルバム『ジャコ・パストリアスの肖像』(1976年)で、ドン・アライアスのコンガをバックに、エレクトリックベースで「ドナ・リー」を演奏している[1]。彼の友人であるパット・メセニーは、このバージョンについて「これまでのエレクトリックベースにはなかった管楽器のようなフレージング」であり、「よく知られたコード進行に対する演奏法として、近年のジャズ史上で最も新鮮なアプローチの一つ」であるとして、「驚異的だ」と称賛している[1]。「ドナ・リー」は他にも、カリン・アリソン、アンソニー・ブラクストン、スティーヴ・レイシー、ニック・ブリグノラ、クリフォード・ブラウン、ライアン・カイザー、リー・コニッツ、ウォーン・マーシュ、ティト・プエンテ、スティーヴ・ベイリー、ヴィクター・ウッテン、アラン・キャロン、ウォレス・ルーニーらによっても録音されている[1]。
ピアニストのジョン・ビーズリーは、自身のビッグ・バンドである「MONK'estra」による「ドナ・リー」のアレンジ(『MONK'estra Plays John Beasley』(マック・アヴェニュー・レコード)収録)で、2021年3月14日にグラミー賞最優秀インストゥルメンタル・アカペラ・アレンジメント賞を受賞した[5]。
曲名の由来
関連項目
- ジャズのコントラファクト一覧