ネスビットの不等式
不等式
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証明
ネスビットの不等式はシャピロの不等式の n = 3 の場合である。
証明1:相加調和平均の関係式
証明2:並べ替え不等式
a ≥ b ≥ c を仮定すると を得る。 と定義する。並べ替え不等式より、この2列のドット積は、2列がともに単調増加あるいは単調減少であるときに最大値をとる。 今、2列は単調減少数列になっている。2つのベクトル y1→, y2→ を y→を循環的に置き換えたものとして、 辺辺足して、ネスビットの不等式を得る。
証明3:平方和
任意の実数a, b, cについて、恒等式 が成り立つから、正の実数a, b, cにおけるネスビットの不等式を得る。
備考:すべての有理不等式は、平方和の恒等式に変換することで証明可能である。詳細はヒルベルトの第17問題を参照。
証明4:コーシー=シュワルツ
2つのベクトル に関するコーシー=シュワルツの不等式 を証明1と同様にして変形することで題意の不等式を得る。
証明5: 相加相乗平均の関係式
x = a + b, y = b + c, z = c + aのようにラヴィ変換を施して、相加相乗平均の関係式を用いることにより、 x, y, zを元に戻して、 整理すると、ネスビットの不等式を得る。
証明6:Tituの補題
ティトゥの補題はコーシー=シュワルツの不等式をn個の実数(xk)の列と、n個の正の実数(ak)の列に関する不等式に換言したものである。
(xk) = (1, 1, 1), (ak) = (b + c, a + c, a + b)とすると、
証明7:斉次性
不等式の左辺が斉次的であることから、a + b + c = 1 としても一般性を失わない。 ラヴィ変換を施して、 とすれば、不等式は に帰着する。これは、 と変形できるが、ティトゥの補題より、成立が確認できる。
証明8:イェンセンの不等式
S = a + b + cとして、関数f(x) = x/S − x を考える。この関数は区間[0, S]内で凸であるから、イェンセンの不等式より、 整理して、
証明9
(x, y) ∈ ℝ2
+について、不等式x3 + y3 ≥ xy2 + x2yを証明して、(x, y) = (a, b), (a, c), (c, a) を考えることにより、右の不等式が示せる。
実際にx3 + y3 ≥ xy2 + x2y ⇔ (x − y)(x2 −y2) ≥ 0 であるから不等式が成立する。
証明10:ムーアヘッドの不等式
証明9の右の不等式は、[3, 0, 0] ≥ [2, 1, 0]におけるムーアヘッドの不等式そのものである。
証明11
不等式を変形して この左辺は、 となるので、不等式が成立する。
出典
- Nesbitt, A. M. (1902). “Problem 15114”. Educational Times 55.
- Ion Ionescu, Romanian Mathematical Gazette, Volume XXXII (September 15, 1926 - August 15, 1927), page 120
- Arthur Lohwater (1982年). “Introduction to Inequalities”. Online e-book in PDF format. 2024年11月30日閲覧。
- “Who was Alfred Nesbitt, the eponym of Nesbitt inequality”. 2024年11月30日閲覧。