バシラス門
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バシラス門(バシラスもん、Bacillota、バチルス門)とは、細菌の門の一つである。2021年に国際原核生物命名規約によってバシラス門へ改名される前は、ファーミキューテス門(Firmicutes)とも呼ばれていた[25]。
| バシラス門 | |||||||||
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| 分類 | |||||||||
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| 学名 | |||||||||
| Bacillota Gibbons and Murray 2021[1] (IJSEMリストに掲載 2022)[2] | |||||||||
| タイプ属 | |||||||||
| バシラス属 Bacillus Cohn 1872[3] (IJSEMリストに掲載 1980)[4] 修正 Gupta et al. 2020[5] (IJSEMリストに掲載 2021)[6] | |||||||||
| シノニム | |||||||||
| 下位分類(綱) (2026年8月現在)[10] | |||||||||
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特徴

その多くは低GC含量且つグラム陽性だと特徴付けられる[26]。そのため、グラム陽性低GC含量細菌とも呼ばれる。しかし、Megasphaera(メガスファエラ属)やPectinatus、 Selenomonas(セレノモナス属)、Zymophilusのようないくつかの系統では多孔質の擬似外膜を持ち、グラム陰性である。
少なくない種が乾燥に耐性があり、極端な条件に耐えることができる内生胞子(芽胞)を生成する。それらはさまざまな環境で見られ、グループにはいくつかの注目すべき病原体が含まれている。ヘリオバクテリウム科(Heliobacteriaceae)においては、酸素非発生型光合成によってエネルギーを生成する事が知られている。ビール、ワイン、サイダーの発酵に重要な役割を果たすものも知られている。腸内細菌や皮膚常在菌、病原菌などが含まれている他、ビールやワイン、果実酒、ヨーグルトなどの発酵食品の生産過程でも重要な役割を果たしているものが知られている。
大部分のグラム陽性菌はバシラス門と放線菌門(Actinobacteria)の2つに大別されるが、バシラス門はDNA中のGC含量が低いことが特徴である[要出典]。GC含量は55%未満で、40%前後のものが多い[要出典]。特徴的な耐久構造である芽胞を形成する能力を持つ種が広い分類範囲に含まれることから、芽胞形成能力を持った偏性嫌気性の祖先から進化してきたと考えられている[要出典]。
系統
概要
2026年8月現在、バシラス門の下位分類としては9綱が知られている。
系統樹
系統樹はAnnotree[27]とGTDB (release 05-RS95 (17 July 2020))[28]を利用して作成された。
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バシラス綱

通性または偏性好気性のグループ。バシラス(桿菌)と名前は付いているが、これはBacillus属に由来するものでこの綱の性質を表すものではない。ラクトバシラス目は無芽胞で乳酸発酵をする種(乳酸菌、レンサ球菌、ミュータンス菌など)を多く含む。バシラス目には芽胞を形成する多くの種が含まれるが、無芽胞のものもいる。枯草菌、炭疽菌やブドウ球菌がバシラス目の代表例である。
クロストリジウム綱

- クロストリジウム目/Clostridiales
- テルモアナエロバクテル目/Thermoanaerobacteriales
- ハロアナエロビウム目/Halanaerobiales
- ナトラナエロビウス目/Natranaerobiales
偏性嫌気性。多くが芽胞形成能力を持つ。この綱の代表的な生物であるClostridium属は、破傷風菌やボツリヌス菌など地球上で最も強力な毒素を産生する能力を持つ種を含む。ウェルシュ菌もクロストリジウム属に含まれる。クロストリジウム目はヘリオバクテリア(Heliobacteria)と呼ばれる光合成細菌も1科含んでいる。
エリュシペロトリクス綱
- エリュシペロトリクス目/Erysipelotrichales
ネガティウィクテス綱
- セレノモナス目/Selenomonadales
嫌気性で、グラム陰性に染まる1群。31属を含む。外膜を有する。
サーモリソバクテリア綱
- テルモリトバクテル目/Thermolithobacterales
Thermolithobacter属の1属のみを含む。鉄を還元する偏性嫌気性菌。
病原性を持つ系統
バシラス門は、マウスとヒトの腸内細菌叢の大部分を占めている[29]。腸内細菌叢の一部であるバシラス門細菌は、エネルギー吸収に関与しており、糖尿病と肥満の発症に関連している可能性があることが示されている[30][31][32][33]。健康なヒト成人の腸において、最も豊富な系統はFaecalibacterium prausnitzii(フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ)であり、腸全体の細菌数の5%を構成している。この種は、肥満によって引き起こされる軽度の炎症の減少に直接関連している[34]。F. prausnitziiは、非肥満の子供よりも肥満の子供の腸内で、より高いレベルで発見されている。
複数の研究で、痩せた対照よりも肥満患者に多くのバシラス門細菌が見られた。肥満患者では、特にバシラス門細菌の内でもLactobacillus(ラクトバシラス属)の相対存在量が高いことが発見されている。減量食を摂取した肥満患者は腸内のバシラス門細菌の量が減少していることを示した研究例もある[35]。
マウスの食餌の変化は、バシラス門細菌の量の変化を促進することが示されている。標準的な低脂肪/高多糖類食を与えられたマウスよりも、西洋型食餌(高脂肪/高糖類)を与えられたマウスの方が、比較的豊富なバシラス門細菌が見られた。バシラス門細菌の量が多いことは、マウス内の脂肪過多と体重の増加にも関連していた[36]。具体的には、肥満マウスでは、モリクテス綱(Mollicutes)が最も存在量が多かった。この肥満マウスの微生物叢を無菌マウスの腸に移植すると、バシラス門細菌の存在量が少ない痩せたマウスに微生物叢を移植したマウスと比較して、無菌マウスはかなりの量の脂肪を獲得した[35]。
人間の糞便から分離されたクリステンセネラ属(Christensenell、クロストリジウム綱)の存在は、肥満度指数の低下と相関することがわかっている[37]。