パラレルワールドSF

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パラレルワールドSFは、並行世界、並行宇宙、並行時空などとも呼ばれるパラレルワールドを扱った、サイエンス・フィクションのサブジャンル。別の宇宙と共存する仮想の宇宙という概念を用いて、現実とは異なる物語を可能にするためなどに使われる。現実を構成するすべての潜在的並行宇宙をまとめて、「多元宇宙」とも呼ばれる。

例えば、自然法則に反する物語を紡ぐために、このプロット・デバイスが用いられる。登場人物が自分や知り合いの分身と出会い、交流することでキャラクターアーク(変容)を可能にしてきた[1]。また、スペキュレイティブ・フィクション、特に歴史改変SFの出発点としても用いられる。

初期の例

パラレルワールドを描いた最初の例ではないものの、概念を広めた功績が認められているSF作品として、1934 年に出版されたマレイ・ラインスターの短編小説「Sidewise in Time」が挙げられる[2][3][4]

スーパーヒーロー・フィクションにおけるパラレルワールドは、1961年にコミック『フラッシュ』の第123巻「2つの世界のフラッシュ」が出版されたことで普及した。この巻では、アース・ワンとアース・ツーのフラッシュであるバリー・アレンとジェイ・ギャリックが出会い、DCコミックスにおいてマルチバースの概念を確立した[1]

現代の例

マルチバース(多元宇宙)は、2010年代後半から2020年代初頭にかけて、特にマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)やアニメ「スパイダーバース」シリーズなどのスーパーヒーロー映画、そして2022年の映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」など、人気メディアで頻繁に使用されるようになった[5][3]。MCUの監督ジョー・ルッソを含む一部の映画製作者や批評家は、映画スタジオが既存のキャラクターや知的財産の人気を他の作品でも活用するために、多元宇宙を使い過ぎており、最終的には映画製作の独創性・創造性を損なう可能性があると懸念を表明している[3][6][7]

関連ジャンル

異世界

異世界とは、日本のファンタジー小説・漫画・アニメ・ビデオゲームのサブジャンルの一つで、普通の人がパラレルワールドに転生したり閉じ込められたりする物語。主人公の元世界が劇中劇として存在していることも多いが、主人公自身がその存在に気づいていない場合がある[8]

二次創作

二次創作ファン・フィクション)では、その作品の元となる原作カノン)の世界から逸脱した物語の舞台としてパラレルワールドがよく用いられる。英語圏では、このような作品は通常「オルタナティブ・ユニバース(alternate universe)」作品と呼ばれ、しばしば「AU」と略される[9]。このような物語を書く一般的な動機は、原作では描かれていない 別の物語の可能性を探ること、またはファンダムに嫌われた部分の「修正」[10]

関連項目

出典

外部リンク

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