日本のサイバーパンク

From Wikipedia, the free encyclopedia

日本のサイバーパンク(にほんのサイバーパンク)では、日本で制作されたサイバーパンク作品について記述する。日本のサイバーパンクは、サイバーパンクの実写映画と、サイバーパンクの漫画アニメという2つのジャンルに分けられる[1]

日本のサイバーパンク映画は、1980年代から日本で制作されたアンダーグラウンド映画のサブジャンルのことを指し、これは西洋で認識されている、低俗な生活や高度なテクノロジーといったサイバーパンクの特徴と類似する部分がある一方で、工業的・金属的なイメージの表現や不可解な物語といった点において異なっている。日本のサイバーパンク運動に関連する映画監督としては、石井聰亙塚本晋也福居ショウジンなどがいる[2]。このジャンルは1982年の『爆裂都市 BURST CITY』を起源とし、1989年の『鉄男』で初めて定義された[3]。根底には1970年代の日本のパンク・サブカルチャーがあり、1970年代後半から1980年代前半にかけての石井聰亙のパンク映画によってこのサブカルチャーが日本映画に持ち込まれ、日本のサイバーパンクへの道を開いた。

日本のサイバーパンクは、サイバーパンクをテーマにした漫画やアニメのサブジャンルも指す。このサブジャンルは1982年に連載が始まった大友克洋の漫画『AKIRA』が起源であり、1988年のアニメ映画化で普及した。『AKIRA』は『攻殻機動隊』、『銃夢』、『カウボーイビバップ』、『serial experiments lain』などのサイバーパンクの漫画・アニメに影響を与えた[4]。サイバーパンクの漫画・アニメは、漫画・アニメだけではなく、映画・音楽・テレビ番組・コンピュータゲームなど、世界の数多くの大衆文化にも影響を与えている[5][6]

特徴

日本のサイバーパンク映画では通常、工業環境において登場人物(特に主人公)が奇怪で不可解な変形を遂げる。多くの映画には実験映画のジャンルに分類されるシーンがあり、純粋に空想的、あるいは鮮やかなシークエンスが含まれることが多いが、これらは登場人物やストーリーに関係する場合もしない場合もある。よくあるテーマとして突然変異、科学技術、非人間化、弾圧、性的逸脱などがある[7]

先駆け

ニュー・ウェーブSFにルーツを持つ西洋のサイバーパンクとは異なり、日本のサイバーパンクはアンダーグラウンド音楽英語版の文化、特に1970年代の日本のパンク・ロックの音楽シーンから生まれたパンク・サブカルチャーにルーツを持っている。映画監督の石井聰亙は、パンクと関連する反乱や無秩序を描いた『高校大パニック』や『狂い咲きサンダーロード』といったパンク映画でこのサブカルチャーを日本映画に持ち込み、アンダーグラウンド映画の分野に大きな影響を与えるようになった。特に影響力の大きいバイク映画である『狂い咲きサンダーロード』はパンク・バイカー・ギャングの美学を持っており、大友克洋の映画『AKIRA』への道を開いた。石井はその後、大友の漫画『RUN』をもとに映画『シャッフル』を製作した[8]ポール・グラヴェット英語版によると、『AKIRA』が公開された時、サイバーパンク文学はまだ日本語に翻訳されておらず、大友は横山光輝の漫画『鉄人28号』やバンド・デシネ作家のメビウスなどから明確な刺激を受けていたという[9]

石井の映画のうち、『爆裂都市 BURST CITY』は公開以降、日本のアンダーグラウンド映画シーンに強い影響を与えている[8][10]。メインキャストの泉谷しげるは、1986年にサイバーパンク映画『デスパウダー英語版』の監督を務めている。また、『電柱小僧の冒険[11]や、『鉄男』の原型となった『普通サイズの怪人[12]など、塚本晋也の初期の短編映画はサイバーパンク運動の先駆けだと評価されることが多い。

主な映画

このジャンルを定義する映画として以下のものが挙げられる[13]

その他の映画

西洋の影響

日本のサイバーパンクの影響を受けた西洋映画

  • Dandy Dust(1998年)
  • Zoetrope(1999年)
  • Hikikomori: Tokyo Plastic(2004年)
  • Ultra-Toxic(2005年)
  • Automatons(2006年)
  • Flesh Computer(2014年)
  • Computer Hearts(2015年)
  • Difficulty Breathing(2017年)

漫画・アニメ

脚注

関連項目

Related Articles

Wikiwand AI