パンジャンドラム
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構造
開発経過

計画では上陸用舟艇から発進、ロケットモーターによって車輪を高速回転させ、無誘導・100キロメートル毎時以上で目標に突進させる予定であった[4]。
だが実験の結果、砂浜での摩擦や凹凸により空転したり、急に予測不能な向きへ方向転換する、ロケットが脱落するなどの問題が多発して開発は難航、直進すら叶わず不成功に終わった。安定性を増すために本体を大型化、トルクを増すためにロケットモーターを増強・脱落防止のため補強するなど、幾多の改良を行いながら実験は繰り返されたが、根本的な構造上の問題や、当時の技術的限界もあって問題点を解決できず、開発は中止された[3]。
標的に衝突させるのではなく、戦車などの車両が海から砂浜に上陸する際に、車輪や無限軌道が砂に嵌るのを防止する目的で、先に軌跡でカーペットを敷設させるために用いるという案も出されたが、前述の理由により実現されなかった。なお、後にチャーチル歩兵戦車を改造した工兵用作業車のバリエーションの一つとしてこの役割を担うチャーチル・カーペットレイヤーが登場している。
戦果
パンジャンドラムの開発そのものは中止されたが、防御力の低いノルマンディーではなく、パ=ド=カレー沿岸を取り巻くコンクリート壁を攻撃する計画が立てられているとドイツ側に誤認させる、フォーティテュード作戦の一部として実験が行われたことが示唆されている[5]。実験はわざと客のいる海水浴場で行われ、またその派手な見た目と動きは人々の耳目を引き付け、ドイツ側に嗅ぎ付けさせるにうってつけだった。そのため、パンジャンドラム自体が元より実用化を意図していない、実験失敗も織り込み済みのダミーの試作兵器であったとする説が有力である[4]。
結果としてフォーティテュード作戦は成功し、ドイツ側は上陸地がノルマンディーではなくパ=ド=カレー沿岸だと思い込んだ(実際に連合軍側も陽動のためいくらかの部隊を向かわせている)ため、そちら側に戦力を割いてしまった[6]。

