ヒジリタマオシコガネ

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ヒジリタマオシコガネ学名: Scarabaeus sacer)は、コウチュウ目コガネムシ科タマオシコガネ属に分類される昆虫の一。タマオシコガネ属の基準種である。南ヨーロッパ北アフリカ西アジア分布し、古代エジプトでは崇拝の対象であった。スカラベ・サクレとも呼称される[2]

1758年にカール・リンネの著書『自然の体系』第10版の中で記載された。1810年のピエール・アンドレ・ラトレイユのタイプ指定をめぐって論争があったものの、タマオシコガネ属のタイプ種とみなされている[3]。この論争は、2014年の動物命名法国際審議会の裁定により、ラトレイユの1810年の指定 Dynastes hercules ではなく、フレデリック・ウィリアム・ホープが1837年に指定した S. sacer をタイプ種として採用することで解決した[4]

分布と生息地

形態

ウクライナ南西部沿岸のヒジリタマオシコガネ

成虫の体長が1.9 - 4.0cmの、頑丈な全身黒色の甲虫である[9][10]。頭部には、放射状に並んだ6つの突起がある[11]。突起は均一で、両前脚の脛節にさらに4つの突起がある。突起は地面の掘削と糞塊の形成に使われる。

同属の他の甲虫の前脚と同様だが、他のほとんどの属の糞虫の前脚と異なり、前脚の先端には目立った爪が見当たらない[12]。痕跡的な構造はあり、これは地面を掘るときに多少なりとも役立つ可能性はある。中脚と後脚は、よく発達した5節の附節を持つ。

生態

糞塊を転がす個体

動物の糞をボール状に集めた糞塊を作り、適当な場所まで転がし、地下に穴を掘り、その中に糞塊を隠す。その後、糞塊自体を食べるが、このプロセスには数日かかることもある。

雌は繁殖の準備ができると、特にきめの細かい糞を選んで繁殖用の糞塊を作り、特に深くて大きな部屋を掘る。そこで雌は糞塊を洋ナシの形に削り、狭い部分に空洞を作る。その空洞に大きな卵を1個産んだ後、空洞を密閉し、他の場所で同じことを繰り返す。通常、雌は生涯で6匹ほどしか子供を産まない[13]。卵が孵ると幼虫は糞塊を食べる。

寄生ダニMacrocheles saceri の宿主となる[14]

人との関わり

脚注

関連項目

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