ヒーローポイント
From Wikipedia, the free encyclopedia
ヒーローポイントとはテーブルトークRPG(TRPG)で使われる用語、ルールの一つ。「物語の主人公(プレイヤーキャラクター)だけが使用できる英雄的なパワー」を数値データとして表現したものである。
ヒーローポイントは、プレイヤーキャラクターの「英雄性」を表すために設定される能力である。多くの場合はヒーローポイントはヒットポイントやマジックポイントと同じく数値として設定され、これを消費することで特別な効果を発揮することができる。これは「マジックポイントを消費して魔法という特別な能力を使う」ということに類似しているが、ヒーローポイントの使用で発揮される効果は「プレイヤーキャラクターにしか使用できない」というのが大きな違いとなっている。ただし、シナリオ上でプレイヤーキャラクターと同じくらい重要なライバルキャラクターとして設定されているノンプレイヤーキャラクターはヒーローポイントを使用することが可能なこともある。
ヒーローポイントを使うことで発揮される具体的な効果はゲームによって異なるが、よく見られる効果としては以下のようなものがある。
- 行為判定を自動的に成功にできる
- 失敗した行為判定を再度、判定することができる
- 行為判定に成功しやすいように有利な修正を加えることができる
- 相手に与えるダメージを増加する
- 自分に対して与えられたダメージを無効にする
- プレイヤーキャラクターにしか使用できない特別な必殺技を使用する
- プレイヤーキャラクターに都合の良いシチュエーションを作り出す(「事件が起こっている場所に偶然居合わせる」「状況を解決するのに必要な道具をたまたま持ってきている」など)
ヒーローポイントによる効果の中には「ヒーローポイントの使用以外の方法では再現不可能な効果」もある。上記でいうなら必殺技の使用や都合の良いシチュエーションの作成などがそれに当たる。
歴史
ヒーローポイントという名前が始めに使われたテーブルトークRPGはアメリカのビクトリー・ゲームズ社が1983年に発売したJAMES BOND 007というゲームである。これは日本語版が1985年にホビージャパンより『ジェームズボンド007RPG』という名前で発売されているのだが、この時点ではヒーローポイントのルールは日本のゲーマーにそこまで注目されなかった。
1987年、『ジェームズボンド007RPG』のヒーローポイントのルールを徹底的に強調し、パルプヒーローを演ずることを主目的にしたゲームがツクダホビーから発売された。それが『ワープス』である。ワープスは漫画や小説、映画などで良くある「物語の主人公だからという理由だけで理屈抜きに行われるご都合主義な展開」を再現するためにヒーローポイントのルールを実装した。ワープスで使われたヒーローポイントのルールは現在でも稀に見るくらいバリエーションの豊富なもので、「行為判定を振りなおす」や「ダメージを増加する」といった一般的なものから、「ヒロインのピンチに都合よくプレイヤーキャラクターが颯爽と現れる」や「ピンチに出会ったときになぜか都合よくこんなこともあろうかと任意のアイテムを取り出せる」といったストーリーそのものを左右できる効果まであった。
その後、ヒーローポイントのルールは徐々に普及していき、「通常のノンプレイヤーキャラクターには不可能な英雄的活躍も、プレイヤーキャラクターがヒーローポイントを使うことで可能となるルール」を実装するゲームが多数出現していった。