ピアノソナタ (デュティユー)
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ピアノソナタは、アンリ・デュティユーが作曲した唯一のピアノソナタ。1947年から1948年にかけて書かれた。
ピアノソナタの作曲時デュティユーは作曲家として10年のキャリアを積んでいたが、彼は本作を自身の作品番号1、すなわち成熟したと呼べる水準に至った最初の曲であると看做した[1][2]。初演は1948年4月30日に作曲者の妻であるジュヌヴィエーヴ・ジョワによって行われ、作品は彼女に献呈された[1][3]。以降、第二次大戦後に生まれたこのジャンル指折りの楽曲と称えられ[3][4]、ジョン・オグドン、ロバート・レヴィン、ジョン・チェン、クレール=マリ・ル・ゲといった著名ピアニストが支持を表明している。
このソナタはデュティユーにとって、それまでの委嘱作品では許されなかった野心的で大規模な構想を実験する機会となるものであった。彼は次のように語っている。
私はより大きな形式へと次第に移っていきたい、短い作品で満足したくないと考えていました - もしよければ「典型的なフランスの」書法から逃れたいと思っていたのです[5]。
本作は形式的な厳格さと和声の探究という、デュティユーの成熟期の作品に特徴的な2つの事項を併せ持っている[1]。主題群は不明瞭で完全な形では旋法的にも調性的にもなることはない[6]。この楽曲に影響を与えたとしてドビュッシーやラヴェル[2]、バルトーク、プロコフィエフ[7]などが引き合いに出されるものの、評論家は本作の音楽語法が独自の特徴を有しており[2][8]フランスの印象主義とソビエトの音楽が個の内で統合されたものであるとも強調している[9]。この作品は「バルトークやプロコフィエフを範とした華々しく重層的な作品[7]」もしくは「ドビュッシーが書いていたかもしれない(中略)感覚的で古典的なソナタ[2]」などと評されている。