ピザ 死霊館へのデリバリー
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| ピザ 死霊館へのデリバリー | |
|---|---|
| Pizza | |
| 監督 | カールティク・スッバラージ |
| 脚本 | カールティク・スッバラージ |
| 原案 |
カールティク・スッバラージ プラサト・ラーマル |
| 製作 | C・V・クマール |
| 出演者 |
ヴィジャイ・セードゥパティ ラミャ・ナンビーサン |
| 音楽 | サントーシュ・ナーラーヤナン |
| 撮影 | ゴーピ・アマルナート |
| 編集 | レオ・ジョン・ポール |
| 製作会社 | ティルクマラン・エンターテインメント |
| 配給 |
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| 公開 |
|
| 上映時間 | 120分 |
| 製作国 |
|
| 言語 | タミル語 |
| 製作費 | ₹15,000,000[1] |
| 興行収入 | ₹80,000,000[1] |
| 次作 | Pizza II: Villa |
『ピザ 死霊館へのデリバリー』(ピザ しりょうかんへのデリバリー、Pizza)は、2012年のインドのタミル語ホラースリラー映画。カールティク・スッバラージが監督を務め、ヴィジャイ・セードゥパティ、ラミャ・ナンビーサン、アードゥカラム・ナレーン、ジャヤクマール、カルナーカラン、ボビー・シンハー、プージャー・ラーマチャンドランが出演している。セードゥパティ演じるピザ配達員の主人公が、届け先の家で超常現象に遭遇する姿を描いている。公開後は批評家から高い評価を得ており、製作費1500万ルピーに対して興行収入8000万ルピーを記録するヒット作となった。また、映画の好評を受けて複数の言語でリメイク版が製作されたほか、シリーズ化され続編も公開されている。
ピザ屋の配達員として働く青年マイケルは、小説家を目指す女性アヌと交際していたが、彼女の妊娠をきっかけに結婚する。彼は超自然的な存在を信じていなかったが、上司のシャンムガムの娘が「ニティヤ」という霊に憑りつかれていることを知り、超自然的な存在に恐怖を感じるようになった。そんなある日、ピザの配達に出かけたマイケルが血まみれの状態で店に戻ってくる。シャンムガムに事情を聞かれたマイケルは、スミタという女性の家にピザを配達に行って遭遇した体験を語り出す。
ピザを配達したマイケルは、リビングに案内されスミタが代金を支払うのを待っていたが、突然室内が停電し、2階から悲鳴が聞こえてくる。不審に思ったマイケルが2階に向かうと、そこでスミタの死体を発見し、ピザが一切れなくなっていることに気付く。恐怖を感じたマイケルは外に逃げようとするが、玄関や窓には鍵がかかっており、彼は家に閉じ込められてしまう。そこにスミタの夫ボビーが帰宅し、マイケルを妻の浮気相手と誤解して責め立てる。マイケルは事情を説明して鍵を開けてもらおうとするが、直後にボビーが姿を消し、2階の部屋で死体となって発見され、ピザがもう一切れなくなっていることに気付く。パニックに陥ったマイケルは、リビングで夫妻の娘ニティヤを発見する。マイケルはアヌに連絡を取り警察を呼ぶように頼むが、直後に夫妻の死霊と遭遇して意識を失ってしまう。彼が意識を取り戻すと、そこには2人の警官が立っており、この家で数日前に4人(スミタ、ボビー、ニティヤ、アヌ)が殺害されたことを聞かされる。警官たちはマイケルを容疑者として逮捕しようとするが、直後に警官たちは死霊に襲われ殺されてしまい、マイケルはその場から逃げ出し、店に戻ってくる。事情を説明し終わったマイケルはアヌの身を案じて自宅に戻るが、そこで自宅に彼女が住んでいた痕跡が残っていないことに気付く。また、同僚や友人たちは誰もアヌと会ったことがなかったため、マイケルは彼女の存在を証明することができなかった。マイケルはアヌの行方を捜し始めるが見つけることができず、周囲の人たちは憔悴するマイケルの身を案じるようになる。
事件からしばらく経ったころ、マイケルは行方不明だったはずのアヌと連絡を取り、その会話の中で事件の真相が判明する。事件当日、シャンムガムは税務当局の追及を逃れるため、2000万ルピー相当のダイヤモンドの入った箱を自宅に届けるようにマイケルに指示するが、途中で中身に気付いたマイケルはアヌと共謀してダイヤモンドを盗むことを計画する。超自然現象を好むアヌは死霊館の話を作り上げ、マイケルは店に戻って彼女の作った霊体験を語り、死霊館の中で箱を紛失したことを伝える。一方、ダイヤモンドを手にしたアヌは町を離れて海外移住の準備を進め、マイケルの到着を待っていた。電話を終えたマイケルは配達業務に戻り、配達先の家に到着する。そこで彼はアヌの作り話と同じ現象に遭遇し、ニティヤに瓜二つの少女に出会う。マイケルは家の中に閉じ込められ、少女が不思議そうに彼を見つめる中で明かりが消え、物語は幕を閉じる。
キャスト
- マイケル・カールティケーヤン - ヴィジャイ・セードゥパティ
- アヌ - ラミャ・ナンビーサン
- シャンムガム - アードゥカラム・ナレーン
- シェフ - ジャヤクマール
- ラーガヴァン - カルナーカラン
- ボビー - ボビー・シンハー
- スミタ - プージャー・ラーマチャンドラン
- エクソシスト - ヴィーラ・サンダーナム
- 警察官 - S・P・ガジャラージ、ヴェンカテーシュ
- シャンムガムの妻 - レーカー・スレーシュ
- 霊能研究者 - カヴィン
- マイケルの友人 - ナラン・クマラサーミ(ノンクレジット)
製作
企画
当初、短編映画を手掛けていたカールティク・スッバラージは長編映画デビュー作として『ジガルタンダ』の企画を進めており[2]、プロデューサーのC・V・クマールから好感触を得たものの、製作費の問題から出資を断られてしまう[3]。その後、スッバラージは屋敷に閉じ込められたピザ配達員を主人公とした低予算映画の脚本を執筆した。この脚本では物語の大部分が屋敷内で進行する展開になっており、友人の一人が出資を申し出たことから企画を本格化させた。当初は国際映画祭への出品を視野に90分以内の作品にすることを考えていたが、商業的な観点から脚本を修正して登場人物を追加することに決めたという。最終的にスッバラージは1週間かけて物語の構想を練り、20日間かけて脚本を書き上げた後、脚本を再びC・V・クマールに提出し、彼から製作費の出資を受けることに成功した[4]。脚本はスッバラージとプラサト・ラーマルが共同で執筆し[5]、主人公の職業からタイトルを「Pizza」に決めたという[6]。
キャスティング
主人公にはプラサンナを検討していたが断られ、次にヴァイバヴ・レッディと出演交渉を進めたものの、彼は脚本に難色を示したため出演を辞退している[7]。その後、スッバラージは自身が手掛けた短編映画に出演経験のあるヴィジャイ・セードゥパティを主演に起用した[8]。彼が演じる主人公マイケルの名前は、脚本執筆中にスッバラージが目撃した、「マイケル」という名前に反応して鳴き声を挙げる七面鳥に由来している[9]。ヒロイン役にはラミャ・ナンビーサンが起用されたが、当初の予定ではオーヴィヤーが検討されていたという[7]。また、助演キャストにはリアリティ番組『Naalaya Iyakkunar』に出演して以来スッバラージと交流があったカルナーカランが起用されたほか[10]、スッバラージと共に短編映画を製作していたボビー・シンハーも起用された[11]。このほか、新人俳優のナラン・クマラサーミとカヴィンが端役で出演している[12][13]。
撮影
製作費として1600万ルピーの費用が投じられ、チェンナイ郊外で撮影が行われた[14]。ホラーシーンの大半は薄暗い室内で展開するが、スッバラージは電気の通じない室内で俳優や家具が鮮明に見える従来のホラー映画のような描写にすることを「少々噓っぽい」と感じていたため、撮影の際は照明器具の使用を一切禁止してセードゥパティだけが懐中電灯を使用することで違和感を払拭しようと考えたが、撮影監督のゴーピ・アマルナートの提案でアメリカからハイビーム効果のある軍用懐中電灯を取り寄せ、部屋全体を暗くして懐中電灯の光を追う形式で撮影を行ったという[15]。セードゥパティは40分間にわたり一人で演技するシーンがあったため、役作りのためにクートゥッパタラージの俳優から10日間の演技指導を受けている[16]。また、ドゥライサーミ高速道路でマイケルが暴れるシーンを撮影していた際、セードゥパティに突き飛ばされたカルナーカランが膝を負傷している[17][18]。撮影は33日間かけて行われ、タミル語映画として初めて7.1chサラウンドで収録された[19]。編集作業はレオ・ジョン・ポールが担当している[20]。スッバラージによると、内容に不満を感じた一部の配給会社からクライマックスシーンの変更を求められたものの拒否したという[15]。
音楽
映画音楽とサウンドトラックの作曲はサントーシュ・ナーラーヤナンが手掛け、2012年9月6日にチェンナイのサティヤン・シネマズでオーディオリリース・イベントが開催された[21]。
マーケティング
2012年7月下旬にYoutubeで予告編が公開され、公開5日間で再生回数が3万回を記録し、これについてスッバラージは「無名俳優が主演の低予算映画として、かなりの快挙だ」とコメントしているほか、プロモーションの一環として映画鑑賞の合間に「ピザ休憩」を呼びかける広告を出して話題を集めた[22]。配給権はシャンガム・シネマズが取得し[14][23]、C・V・クマールとシャンガム・シネマズはマーケティング費用としてそれぞれ80万ルピーを投じている[14]。なお、『ピザ 死霊館へのデリバリー』はタミル語のタイトルを採用せず、中央映画認証委員会からのレイティング指定も「U/A」だったため、娯楽税の免除(タミル語のタイトルを採用し、レイティング指定が「U」の場合が適用条件)が適用されなかった[24]。
評価
興行収入
2012年10月19日からタミル・ナードゥ州で公開が始まり[23]、当初は300館での上映だったが好評を博したことで上映館数が600館に拡大された[25]。興行収入は公開2週間で1850万ルピーを記録し[25]、最終的な興行収入は8000万ルピーとなっている[1]。
批評

『ピザ 死霊館へのデリバリー』は批評家から絶賛されており[26]、『ザ・タイムズ・オブ・インディア』のN・ヴェンカテーシュワランは4/5の星を与えて「カールティク・スッバラージは素材を巧みに操り、物語を紡ぎ出すスキルを存分に発揮している。彼が今後の作品において本作のクオリティを維持し続けることができれば、コリウッドを代表する映画監督になることは間違いないだろう」と批評し[27]、『Sify』は「全体として、この映画は面白さに満ちあふれ、同時にそのアプローチも独特だ」と批評している[28]。また、『ニュー・インディアン・エクスプレス』は「型破りで興味深く、そして引き込まれるような作品であり、これまでのタミル語映画では目にしたことがない」と批評したほか[29]、『in.com』のヴィヴェーク・ラームズは「前半パートは優れた脚本とスリルで観客を引き込んでいるが、終盤で謎が明かされるにつれて物語は勢いを失ってしまう。後半パートの展開は予想外で衝撃的なものだが、ラストシーンは少々やり過ぎで論理的とは言えない。だが、一方の立場に寄らず、多くの部分を曖昧にして観客に委ねるという最後の仕上げが、この映画を救ったのだ」と批評している[30]。
『ザ・ヒンドゥー』のマラティ・ラーンガラージャンは「後半パートには、そこそこ楽しめるピリッとした味わいがあるが、そこにたどり着くには、前半パートの冗長な展開に耐えなければいけない」と批評し[31]、『ナウランニング』のハリチャラン・プディペッディは「この映画はホラーとスリラーという2つのジャンルを行ったり来たりしており、観客は終始夢中になるか混乱するかのどちらかだ。優れたスリラー映画としての片鱗を覗かせているものの、物語の展開が不安定なため満足のいく作品にはなっていない」と批評している[32]。このほか、『スクリーンアナーキー』のJ・ウルタドは「サウンドトラック・アルバムを売り込むための不必要な演出はなく、雰囲気を和らげるようなコメディへの脱線も少なく、暴力・流血の描写は現実的で、形而上学的なテーマを扱おうとして物理法則を無視するようなこともない。スッバラージ監督はタミル文化とヒンドゥー神秘主義を取り入れることによって、大衆向けタミル語映画の枠内で通用するホラー映画を作り上げただけではなく、予備知識がなくても楽しめるほど物語の幅が広い作品を作り出すことにも成功している」と批評している[33]。
受賞・ノミネート
| 映画賞 | 授賞日 | 部門 | 対象 | 結果 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| アーナンダ・ヴィガダン映画賞 | 2013年1月16日 | 脚本賞 | カールティク・スッバラージ | 受賞 | [34] [35] |
| 撮影賞 | ゴーピ・アマルナート | ||||
| 編集賞 | レオ・ジョン・ポール | ||||
| エジソン賞 | 2013年2月10日 | 撮影賞 | ゴーピ・アマルナート | 受賞 | [36] |
| 第7回ヴィジャイ・アワード | 2013年5月11日 | 脚本賞 | カールティク・スッバラージ | 受賞 | [37] [38] [39] |
| クルー賞 | 『ピザ 死霊館へのデリバリー』 | ||||
| 撮影賞 | ゴーピ・アマルナート | ||||
| 第63回フィルムフェア賞 南インド映画部門 | 2016年7月20日 | 主演男優賞 | ヴィジャイ・セードゥパティ | ノミネート | [40] [41] |
| ビッグFMタミル・メロディ賞 | 2013年8月19日 | 新人音楽監督賞 | サントーシュ・ナーラーヤナン | 受賞 | [42] [43] |
| 第2回南インド国際映画賞 | 2013年9月12日-13日 | 作品賞 | 『ピザ 死霊館へのデリバリー』 | ノミネート | [44] [45] [46] [47] |
| 新人監督賞 | カールティク・スッバラージ | 受賞 | |||
| 撮影賞 | ゴーピ・アマルナート | ノミネート | |||
| 主演男優賞 | ヴィジャイ・セードゥパティ | ||||
| 審査員選出男優賞 | 受賞 | ||||
| チェンナイ・タイムズ映画賞 | 2013年11月4日 | 作品賞 | 『ピザ 死霊館へのデリバリー』 | ノミネート | [48] [49] |
| ユースフィルム賞 | |||||
| 監督賞 | カールティク・スッバラージ | ||||
| 主演男優賞 | ヴィジャイ・セードゥパティ | ||||
レガシー
『ピザ 死霊館へのデリバリー』の成功により、セードゥパティはタミル語映画界で注目を集める俳優になり、続けて出演した『Sundarapandian』『途中のページが抜けている』でもヒットを記録して人気俳優の地位を確立した[50][51][52]。バラドワジ・ランガンはこれらの成功により、セードゥパティは「タミル語映画で初となる、ある種のインディーズ映画スター」になったと指摘している[53]。また、C・V・クマールも本作と『Attakathi』の成功によりプロデューサーとしての地位を確立し、これ以降は革新的なテーマを描いた作品を数多く手掛けるようになった[14]。『ピザ 死霊館へのデリバリー』は『Kadhalil Sodhappuvadhu Yeppadi』と共に短編映画製作者の長編映画への進出を促進するきっかけとなった作品に位置付けられており[54][55]、本作の成功によりスッバラージもタミル語映画を代表する監督として知られるようになった[15]。
続編
2013年に第2作『Pizza II: Villa』が公開されたがキャストは一新されており、前作とは直接の繋がりのない精神的続編となっている[56]。2023年に第3作『Pizza 3: The Mummy』が公開され[57]、2024年には第4作『Pizza 4: Home Alone』の製作が発表された[58]。