ファウジャ・シン

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ファウジャ・シンパンジャーブ語: ਫ਼ੌਜਾ ਸਿੰਘ、Fauja Singh、1911年4月1日? - 2025年7月14日[1])は、インドイギリスマラソン選手

89歳であった2000年マラソンを始め、101歳までに9つのフルマラソンを完走している[1][2]

若年時

1911年4月1日、イギリス領インドパンジャーブ地域ジャランダルにて生誕したと言われている[3]

熱心なアマチュアランナーであったが、1940年代のインド・パキスタン分離独立に際して断念したという[4]

マラソン選手として

1992年に妻と長女を、1994年に5男を亡くしたことから、自身の人生に集中しようとランニングへの情熱が再燃。1990年代に息子が住むロンドンイルフォード英語版へ移住した[5]

89歳の時に、国際的なマラソン大会への参加を真剣に考え始め、ロンドンのレッドブリッジエセックス州にてトレーニングを開始。初マラソンは2000年のロンドンマラソンであった[6]。コーチによると、当初、シンはフルマラソンの距離を26マイル(42km)ではなく26kmと誤解しており、誤解を解いた後はよりトレーニングに真剣に取り組むようになったという[7]

2004年、93歳でフルマラソンを6時間54分で完走。90歳以上の部の世界記録を58分更新した[3]。同年、デヴィッド・ベッカムモハメド・アリとともにアディダスの広告に起用されている[8][9]

2011年10月、100歳の時に、カナダのトロントでシンの名を付した特別イベント(the special Ontario Masters Association Fauja Singh Invitational Meet)に参加。100メートル走・200メートル走・400メートル走・800メートル走・1500メートル走・1マイル走・3000メートル走・500メートルに出場し、1日にして5つの年代別世界記録を達成した[10][11]

その3日後の10月16日、トロント・ウォーターフロント・マラソン英語版に参加し、8時間11分6秒で完走。100歳以上で初のフルマラソン完走者と言われている[12]。 (なお、スタートラインに着くまで14分経過していたため、公式タイムは8時間25分17秒となっている[13]。)

2011年7月、インドの作家クシュワント・シンによる伝記 "Turbaned Tornado"(ターバン・トルネード) が出版された[6][14]

2011年、シンはベジタリアンであったことから、動物保護団体PETAのキャンペーンに登場。同団体キャンペーンに登場した最年長の男性となった[15]

2012年ロンドンオリンピックでは聖火ランナーを務めた[16]

2013年2月に開催された香港マラソン英語版を最後に引退を表明[2]。同マラソンでは10kmを1時間32分28秒で完走している[16]

2014年にはマレーシアで行われたイベント”Chardikala Run”に参加し、5kmのランニングに参加した[17]

私生活

前述のとおりイギリスで暮らしていたが、2019年に帰郷している[18]

飲酒と喫煙を控えシンプルな野菜中心の食生活を続けることで自身の健康を維持しているという[19]。「食事は、チャパティダール、緑の野菜、ヨーグルトと牛乳というシンプルなもので、パラーターパコラ、米は摂取せず、水とショウガ茶を多く飲んでいる。」「ネガティブな考えが頭をよぎらないよう、神の名を唱えながら早く床に就く」と語っている[3]

マラソンについては、「最初の20マイルはそう難しくないが、残りの6マイルは神に話しかけながら走っている」という[20]

死去

2025年7月14日、パンジャーブの故郷の村にて、道路を横断しているところをSUV車にはねられて死去[21][22]。なお、SUV車の運転手はひき逃げの罪で逮捕されている[23]

シンの死去を受けて、インドのモディ首相は自身のSNSで「彼は強い意志を持つ並外れたアスリートだった。彼の訃報に深く心を痛めている」とその功績を称えた[24]

また、国際オリンピック委員会もシンの記事を更新しし、「何事も始めるのが遅すぎることはないと証明した。アスリートや若者にとって励みになった」とその功績を伝えた[1]

年齢についての議論

ギネス・ワールドレコーズは、シンの出生証明書が無く出生日を証明できないとして、ギネス世界記録へシンが達成した記録を掲載していない。1911年当時の英領インドの村では通常出生証明は発行されていなかった[25][26]が、イギリスで発行されたパスポートには、1911年4月1日生まれと記載されている[16]

栄典

2003年11月、米国で民族間の寛容を唱える団体であるNational Ethnic Coalitonから、2001年の同時多発テロ事件で生じた民族間の溝を埋めることに貢献したとしてEllis Island Medal of Honorを非アメリカ人として初めて授与されている[27]

2011年、英国の団体から"Pride of India"を授与された[28]

同年、100歳の誕生日にはイギリス女王エリザベス2世から祝福の手紙を受け取っている[29]

2012年ロンドンオリンピックでは聖火ランナーを務めた[30]

2015年イギリス新年叙勲(New Year Honours)では、スポーツおよびチャリティの分野で大英帝国メダル英語版を授与された[31]

主な記録

関連項目

脚注

外部リンク

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