フェレル循環
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地球の対流圏では、18世紀にジョージ・ハドレーが考えたように、地表において単位面積当たりにおいて、太陽からの放射を強く受ける赤道付近で温められて上昇した空気が、それとは反対に、地表において単位面積当たりにおいて、太陽からの放射を弱くしか受けられない北極・南極で下降する大きなループ循環は、起きていない。実際には、赤道で上昇した空気は緯度30度付近に現れる中緯度高圧帯で下降し、地表付近で貿易風となって赤道に戻るハドレー循環が存在する。また、太陽からの放射を弱くしか受けられない南北両極付近で下降した空気は、地表付近の極東風として緯度60度付近に現れる高緯度低圧帯に収束した後上昇し両極に戻る極循環が存在する。
このハドレー循環と極循環と間の中緯度帯には、中緯度高圧帯で下降し地上で偏西風となって高緯度低圧帯に収束した後に上昇し、中緯度高圧帯に戻るループが存在し、フェレル循環として見い出される[1][2]。すなわち、フェレル循環は低緯度で比較的太陽からの放射を強く受ける高温側で下降し、高緯度で太陽からの放射を弱くしか受けられない低温側で上昇する「間接循環」の構造をしている。これは高温側で上昇して低温側で下降する「直接循環」の構造を有するハドレー循環や極循環に対比される[1]。