フォーリン・タングス
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『フォーリン・タングス』(Foreign Tongues)は、イギリスのロックバンドであるローリング・ストーンズの25作目の英国盤および27作目の米国盤スタジオ・アルバム。2026年7月10日にリリースされた。アンドリュー・ワットがプロデュースを務めた本作には、スティーヴ・ジョーダン、ダリル・ジョーンズ、スティーヴ・ウィンウッド、ロバート・スミス、ポール・マッカートニー、ベンモント・テンチ、ブルーノ・マーズ、チャド・スミスらが参加している。また、チャーリー・ワッツが生前に録音した楽曲も収録されている[1]。
| 『フォーリン・タングス』 | ||||
|---|---|---|---|---|
| ローリング・ストーンズ の スタジオ・アルバム | ||||
| リリース | ||||
| 録音 | 2019年、2021年[注 1]、2022年 - 2023年、2025年 - 2026年 | |||
| ジャンル | ブルースロック | |||
| 時間 | ||||
| レーベル | ||||
| プロデュース | アンドリュー・ワット | |||
| ローリング・ストーンズ アルバム 年表 | ||||
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| 『フォーリン・タングス』収録のシングル | ||||
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リードシングル「イン・ザ・スターズ」は、2026年5月5日にYouTubeをはじめ各ストリーミングサービスでリリースされた。カップリング曲の「ラフ・アンド・ツイステッド」は、数週間前に「ザ・コックローチズ」という変名で極めて限定的に12インチ・シングルとしてリリースされていた楽曲である。この変名は、バンドが1970年代に小規模な会場でシークレット・ライブを行う際に時折使用していたものである[2]。第2弾シングル「ジェラス・ラヴァー」は6月26日にリリースされ、カップリング曲には「ディバイン・インターベンション」が収録された[3]。
背景とリリース
アルバム『フォーリン・タングス』はアンドリュー・ワットがプロデュースを担当した[4]。ロニー・ウッドは2025年9月下旬、イギリスの新聞ザ・サンに対し「来年には新しいアルバムが出る。もう完成している」と語り、ローリング・ストーンズの新作アルバムがリリースされることを初めて認めた[5]。一部で囁かれていた「これが最後のアルバムになる」という噂は報道によって否定され、バンドはすでに次作に向けた楽曲を少なくとも10曲書き上げていることも明らかにされた[4]。本アルバムの存在は、2026年4月11日にリリースされたシングル「ラフ・アンド・ツイステッド」のマーケティング・キャンペーンの一環として初めて示唆された[6]。同シングルは「ザ・コックローチズ」という変名義で発表され、一部のレコード店限定で1,000枚のみアナログ盤が販売された[7]。なお、リリースに先立ち、複数のメディアが「ミスター・チャーム」という楽曲が2026年4月11日にローリング・ストーンズの新作アルバムのリードシングルとしてリリースされるという誤った情報を報じていた[8][9]。同シングルについて、タイムズのウィル・ホジキンソンは「強烈なリフ、ミック・ジャガーによる荒々しいハーモニカ・ソロ、そして奔放な精神。ロンドン南西部のイーディス・グローヴにあった悪名高いほど不潔なアパートから這い出し、サリー・デルタ地域の煙の立ち込めるパブやクラブでブルースを演奏し始めてから60年が経った今もなお、彼らが崩壊寸前のカオスなバー・バンドであり続け、最も場末の酒場で演奏することに最高の喜びを感じている――そんな雰囲気が漂っている」と評している[4]。
本アルバムは主に新曲で構成されているが、前作『ハックニー・ダイアモンズ』の制作時に未収録となった楽曲や、2021年にドラマーのチャーリー・ワッツと行った最後のセッションで録音された素材も含まれている。これらは、ニューヨークでバンドが主催した記者会見においてジャガーによって明らかにされた[10][11]。2026年4月25日、バンドは公式Facebookページに20枚の写真を投稿し、それらの写真は様々な国で撮影された街角の風景で、「フォーリン・タングス」という言葉が各国の言語で書かれたポスターが写っており、後にこれが新作スタジオ・アルバムのタイトルであることが判明した[12]。5月2日にはアルバムのジャケット写真が公開され、これはアメリカの画家であるナサニエル・メアリー・クインが2025年に制作した『トリニティ』という作品で、ウッド、リチャーズ、ジャガーの「顔が一つに溶け合っているように見える」様子が描かれている[13][14]。翌日、バンドは5月5日にさらなる詳細を発表することを予告した[15]。
2026年5月5日、バンドは本アルバムを2026年7月10日にリリースすることを正式に発表し[16]、同時に本アルバムからのファースト・シングル「イン・ザ・スターズ」をYouTubeやその他のストリーミングサービスで公開した[17][18]。また、フィジカル版の発売から3週間半後には、「イン・ザ・スターズ」に収録されていた楽曲「ラフ・アンド・ツイステッド」の完全版音源もリリースされた[13][19]。5月14日には、オデッサ・アザイオンをフィーチャーした「イン・ザ・スターズ」のミュージック・ビデオが公開された[20]。本アルバムには、ポール・マッカートニー、ロバート・スミス(ザ・キュアー)、チャド・スミス(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、スティーヴ・ウィンウッド、ブルーノ・マーズがゲストとして参加している。バンドとワッツによるレコーディングは、2021年にワッツが亡くなる直前、ロサンゼルスで行われたセッションの際に行われたものである。アルバム『ハックニー・ダイヤモンズ』に収録された数曲も、同じロサンゼルスでのセッション中に録音された[18]。
アートワーク
本アルバムのジャケットアートは、ナサニエル・メアリー・クインによる2025年のパステル画である。クインの作品は、「従来の肖像画のような『似ていること』を追求するのではなく、重なり合う記憶、感情、経験からアイデンティティを構築する、断片化された夢のような肖像画」と評されている[21]。『トリニティ』と題されたこの作品は、バンドメンバー3人の顔が「一つに融合しているかのように見える、コラージュ風のシュルレアリスム的な肖像画」で構成されている[14][13]。このアートワークは、ポルトガルのイラストレーターであるブラウリオ・アマドと、イギリスのアートディレクター兼ビジュアルアーティストであるマット・メイトランドの監修(アート・ディレクション)の下で制作された[22]。イギリスの画家であるフランシス・ベーコンの作品から着想を得た可能性があり、メタリカの2016年のアルバム『ハードワイアード…トゥ・セルフディストラクト』のジャケットを「より良くしたバージョン」を彷彿とさせるとも報じられている.[14]。このアートワークに対する評価は賛否が分かれており、ユーロニュースは「網膜を痛めつけるようなもの」として酷評している[23]。
批評家の反応
レビュー集積サイトのMetacriticによると、本アルバムは18件の批評に基づく加重平均スコアが100点満点中75点となり、「概ね好意的な評価」を獲得した[24]。また、AnyDecentMusic?では21件の批評に基づき、10点満点中7.1点の加重平均スコアを記録した[25]。ガーディアンのデイヴ・シンプソンは、本作を単なるノスタルジックな焼き直しではなく、「徹底して現代的な響きを持ち、時に政治的なメッセージも含む作品」と評し、バンドが周囲の世界や、その世界で自分たちに残された時間と向き合っていると指摘した[26]。シンプソンは特に、「狂気の権力者ミスター・マスク(イーロン・マスク)」や独裁者たちを激しく批判する楽曲として、「ミスター・チャーム」と「カヴァード・イン・ユー」を挙げた[27]。ローリング・ストーンのコーリー・グロウは、本アルバムを『ハックニー・ダイアモンズ』よりも優れた作品だと評価し、バンドが「キャリア後期の快進撃を続けている」と述べた[27]。グロウは、前作よりも「ギター主導で、全体的によりストーンズらしい」作品だと称賛し、プロダクションについては「時に洗練されすぎている」と感じる部分もあるものの、概ね「ストーンズのトレードマークであるサウンド、あるいは少なくともワッツが思い描いていたストーンズのサウンド像に忠実である」と評した[27]。
テレグラフのニール・マコーミックは本作に5つ星を与え、「現代のポップ・シーンにおいてもロックンロールが依然として支配的であり、ストーンズこそがその最大の擁護者であることを証明するのに十分すぎるほどの活力、ウィット、豊かさ、エネルギー、そして喜びが詰まっている」と評した[28]。NMEのアレックス・フラッドは、本アルバムを「バンドがこれまでに成し遂げてきたことのすべてを詰め込んだ、クールで自信に満ちた作品」と捉え、ジャガーのボーカル・パフォーマンスや、楽曲の「新鮮かつ洗練された質」を高く評価した[29]。モジョのダニー・エクルストンは、本作を「ストーンズのトレードマークと言える要素がふんだんに盛り込まれ、いくつかの難点はあるものの、全体としては刺激的で変化に富んだ体験をもたらす作品」と評した[30]。エクルストンは、「音が大きく、詰め込みすぎなプロダクション」や、「現代的なラジオ・ヒットを狙いすぎている」と感じられる楽曲については批判したものの、それらの点は「ストーンズの魂が輝きを放つ重要な瞬間」によって相殺されていると述べた.[30]。 サウンドウェーヴスの寄稿者であるジェイソン・ランドリーは、「ローリング・ストーンズは、ブルース・ロックの生々しく時代を超越した奔流によって時の流れに抗っている。彼らは自らの最も深いルーツに敬意を払いつつ、その代名詞とも言える『堂々たる風格(スワッガー)』が時の経過によっても全く損なわれていないことを証明している」と評した[31]。
対照的に、ペーストのグラント・シャープルズは本アルバムに「D+」という評価を下し、ワットのプロデュースを酷評した。シャープルズは、「そのあまりに洗練された磨き上げられた音作りが、ストーンズのギター・ソロの鋭さを削ぎ落とし、牙を抜いてしまっている」と指摘し、さらに「バンドの最高傑作を特徴づけていた、あの無秩序で荒々しい勢いがほとんど感じられない」と述べた[32]。シャープルズはメンバーの演奏やアルバムの収録時間についても批判的であり、最終的にこの作品を「衝動的かつ無計画」「『ハックニー・ダイアモンドズ』のアウトテイク集のように聞こえる」と評した[32]。ポップマターズのスティーヴ・ホロウィッツは10点満点中5点という評価を与え、「彼らの楽曲や才能がかつてのようなものではなくなっていることを露呈している」と感じ、かつて持っていた「特別なソングライティングや演奏の輝きが消え失せてしまったこと」を嘆いた[33]。ホロウィッツは、「メンバーそれぞれがインスピレーションに満ちた瞬間を見せているため、一部のローリング・ストーンズ・ファンを喜ばせるかもしれない」と認めつつも、「このアルバムが新たなファンを惹きつけるとは考えにくい」との見解を示した[33]。
トラックリスト
| # | タイトル | 原題 | 時間 |
|---|---|---|---|
| 1. | 「ラフ・アンド・ツイステッド」 | Rough and Twisted | |
| 2. | 「イン・ザ・スターズ」 | In the Stars | |
| 3. | 「ジェラス・ラヴァー」 | Jealous Lover | |
| 4. | 「ミスター・チャーム」 | Mr. Charm | |
| 5. | 「ディヴァイン・インターヴェンション」 | Divine Intervention | |
| 6. | 「リンギング・ホロウ」 | Ringing Hollow | |
| 7. | 「ネヴァー・ウォナ・ルーズ・ユー」 | Never Wanna Lose You | |
| 8. | 「ヒット・ミー・イン・ザ・ヘッド」 | Hit Me in the Head | |
| 9. | 「ユー・ノウ・アイム・ノー・グッド」 | You Know I'm No Good | |
| 10. | 「サム・オブ・アス」 | Some of Us | |
| 11. | 「カヴァード・イン・ユー」 | Covered in You | |
| 12. | 「サイド・エフェクツ」 | Side Effects | |
| 13. | 「バック・イン・ユア・ライフ」 | Back in Your Life | |
| 14. | 「ビューティフル・デライラ」 | Beautiful Delilah | |
合計時間: | |||
| # | タイトル | 原題 | 時間 |
|---|---|---|---|
| 15. | 「バッド・ラック・ハイダウェイ」 | Bad Luck Hideaway | |
合計時間: | |||
参加ミュージシャン・スタッフ
クレジットはライナーノーツに基づく。
ザ・ローリング・ストーンズ
- ミック・ジャガー – ボーカル(1 – 9、11 – 15)、バッキング・ボーカル(1 – 12、15)、エレクトリック・ギター(1、2、4、5、7、8、11、14、15)、ハーモニカ(1、8、9、11)、アコースティック・ギター(2、5、6、11、15)、パーカッション(4、5、7、12)
- キース・リチャーズ – エレクトリック・ギター(全曲)、バッキング・ボーカル(2、4、6、11、12、15)、アコースティック・ギター(4、9、10)、ピアノ(8)、ボーカル(10、14、15)、ベース(15)
- ロン・ウッド – エレクトリック・ギター(1 – 13、15)、ベース・ギター(1、2)、バッキング・ボーカル(4、10)
追加ミュージシャン
- スティーヴ・ジョーダン – ドラムス(1 – 7、9 – 13)、パーカッション(4、9)
- アンドリュー・ワット – エレクトリック・ギター(1 – 4、9、11、13)、バッキング・ボーカル(1、2、5、7、9、10、12、15)、パーカッション(2、8、11 – 13)、アコースティック・ギター(3、12、13)、ピアノ(3、4、9)、シンセサイザー(3、5、7、12)、ベース・ギター(8)
- マット・クリフォード – ピアノ(1、2、11、15)、オルガン(1)、シンセサイザー(3、11)、ローズ・ピアノ(9、11)
- ジェームズ・キング – テナー・サクソフォーン(1、5、9、13)、アルト・サクソフォーン(5、13)、バリトン・サクソフォーン(9)
- ベン・ウォーターズ – ピアノ(1)
- ベンモント・テンチ – オルガン(2、10、15)、ピアノ(15)
- ダリル・ジョーンズ – ベース・ギター(3 – 7、9、10、12、13)
- スティーヴ・ウィンウッド – オルガン(3 – 6、9、12、13)、ローズ・ピアノ(3、7)、ピアノ(5 – 7、10、12、13)
- ナアライ・ジェイコブス – バッキング・ボーカル(4)
- ロバート・スミス – エレクトリック・ギター(5)、バッキング・ボーカル(7)、シンセサイザー(7)
- ロン・ブレイク – トランペット(5、9、13)、フリューゲルホルン(13)
- ブルーノ・マーズ – カウベル(7)
- チャーリー・ワッツ – ドラムス(8、15)
- ポール・マッカートニー – ベース・ギター(11)
- チャド・スミス – コンサート・バス・ドラム(14)
スタッフ
- アンドリュー・ワット – プロダクション、エンジニアリング(全曲)、ミキシング(14)
- ドン・ウォズ – 追加プロダクション (8)
- ポール・ラマルファ – エンジニアリング(全曲)、ミキシング(14)
- マルコ・ソンジーニ – エンジニアリング(1 – 7、9 – 13)、追加エンジニアリング(8)
- マット・クリフォード – エンジニアリング(8)、プリプロダクション(1 – 13)
- クリッシュ・シャルマ – エンジニアリング(8)
- ジョー・ブライス – 追加エンジニアリング
- アレックス・カルテジオティス – 追加エンジニアリング(1 – 13)
- ラース・フォックス – 追加エンジニアリング(1 – 13)
- ジョー・ドハティ – 追加エンジニアリング(1、2、11)
- ケルシー・ポーター – 追加エンジニアリング(1、2、11)
- トミー・ターナー – 追加エンジニアリング(1、2、11)
- ハルパール・サンゲラ – 追加エンジニアリング(3 – 7、9、10、12、13)
- モリー・クラモンド – 追加エンジニアリング(3–7、9、10、12、13)
- ダニ・ペレス – 追加エンジニアリング(8、11、12)
- リッチ・エヴァット – 追加エンジニアリング(11)
- ローレンス・アダムス – 追加エンジニアリング(13)、スタジオ・スタッフ(5 – 12)
- シェルバン・ゲネア – ミキシング
- ブライス・ボルドーン – 追加ミキシング
- ランディ・メリル – マスタリング
- アンドリュー・ケーニグ – スタジオ・スタッフ(5 – 14)
- ドム・ファッチーニ – スタジオ・スタッフ(5 – 14)
- ローラ・ラムジー – スタジオ・スタッフ(5 – 14)
- ピア・スクイリーノ – スタジオ・スタッフ(5 – 14)
- ピエール・ド・ボーポート – スタジオ・スタッフ(5 – 14)
- ライアン・ブリングトン – スタジオ・スタッフ(5 – 14)
- タヴィッシュ・ウェストウッド – スタジオ・スタッフ(5 – 14)
- トニー・ラッセル – スタジオ・スタッフ(5 – 14)
- アンナ・ドナルスキ – スタジオ・スタッフ(5 – 13)
- アーティ・スミス – スタジオ・スタッフ(5 – 13)
- マーク・ヴァン・グール – スタジオ・スタッフ(5 – 13)
チャート
| チャート(2026年) | 最高位 |
|---|---|
| アルゼンチン アルバムズ (CAPIF)[38] | 8 |
| オーストラリア アルバムス (ARIA)[39] | 2 |
| ベルギー (Ultratop Flanders)[40] | 1 |
| ベルギー (Ultratop Wallonia)[41] | 1 |
| オランダ (MegaCharts)[42] | 1 |
| フィンランド (Suomen virallinen lista)[43] | 1 |
| フランス (SNEP)[44] | 1 |
| ドイツ (Offizielle Top 100)[45] | 1 |
| ギリシャ アルバムス (IFPI)[46] | 5 |
| ハンガリー フィジカル・アルバムス (MAHASZ)[47] | 19 |
| Irish Albums (OCC)[48] | 8 |
| イタリア アルバムス (FIMI)[49] | 2 |
| 日本 (オリコン)[50] | 5 |
| 日本 合算アルバム (オリコン)[51] | 5 |
| 日本 Hot Albums (Billboard Japan)[52] | 42 |
| 日本 ROCKアルバム (オリコン)[53] | 1 |
| ニュージーランド アルバムス (RMNZ)[54] | 2 |
| ノルウェー アルバムス (IFPI Norge)[55] | 1 |
| ノルウェー ロック・アルバムス (IFPI Norge)[56] | 1 |
| スコットランド (OCC)[57] | 1 |
| UK アルバムズ (OCC)[58] | 1 |