フライングアイスキューブ効果
From Wikipedia, the free encyclopedia
フライングアイスキューブ効果(フライングアイスキューブこうか、英: Flying ice cube)は、分子動力学(MD)シミュレーションにおけるアーティファクト(計算過程で生じるデータの誤り[1])の一種である。周波数の高い固有振動モードのエネルギーが周波数の低いモード、特に系全体の重心運動や回転のようなゼロ周波数の運動に奪い取られてしまう現象である。1998年にハーヴェイらによって名づけられた[2][3]。名前は真空中の粒子をシミュレーションしているときに発生する特徴的な症状に由来する。このときシミュレーション系は並進運動量が増加するとともに内部運動が急速に減衰していく。やがて系は凍りつき、氷の塊のような剛体を思わせる一つの立体構造(アイスキューブ)として空間中を飛んでいく(フライング)。フライングアイスキューブ効果はMDシミュレーションのアルゴリズムによって生み出されるもので、エネルギー等分配則に反しているため物理的には起こりえない[2]。