フラグミペディウム・シュリミイ

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フラグミペディウム・シュリミイ
Phragmipedilum schlimii
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 EN.svg
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分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
亜科 : アツモリソウ亜科 Cypripedioideae
: フラグミペディウム属 Phragmipedium
: フラグミペディウム・シュリミイ P. schlimii
学名
Phragmipedium schlimii (Linden ex Rchb.f.) Rolfe
シノニム
  • Cypripedium schlimii (Linden ex Rchb.f.) Linden ex Bosse
  • Paphiopedilum schlimii (Linden ex Rchb.f.) Stein
  • Selenipedium schlimii Linden ex Rchb.f. [基礎異名英語版][2]
図版

フラグミペディウム・シュリミイ Phragmipedium schlimii (Linden ex Rchb.f.) Rolfe は、ラン科植物の1つ。花弁が全体に丸く幅広く、また唇弁も丸く袋状で、全体に白地にピンクから紫紅色が乗る花を付ける。

多年生草本[3]根茎は長さ3cm、太さ1cm。は普通は真っ直ぐに伸び、径4mmまで。は楕円形から槍状楕円形で長さは30cm、幅4cmまで、やや革質で毛はなく、淡緑色から緑色をしており、時として基部が紫がかっている。葉の縁は外に向かって巻いており、先端は小さく3つに裂けている。

開花は通年に行われる。ただし3月から4月に最も多くが見られる[4]。花序は高さ30cmまで。まばらながら細毛が一面に生えており、色は紫を帯び、1個から10個までの花を付ける。また花茎は時に分枝し、特にコルディエラ県の個体群でよく見られる。花の基部にある苞は卵状三角形で舟形をしており、長さは2~4cm、幅は1.4~2cm。苞はおおむね子房より短く、無毛ではっきりとその背面に竜骨がある。またその基部の約6mmほどはその縁が互いに癒合している。花の色は白っぽいピンクから紅赤色を呈する。その外面には細かな毛が非常に多いが、内側は無毛か、まばらに柔らかな毛があるのみである。また縁沿いは無毛かまたは細かい毛が並んでいる。背萼片は卵状楕円形で長さ1.5~2cm、幅1~1.2cm、色は桃色または白に桃色が滲み、先端は尖っている。側萼片は2つが融合しており、楕円形で長さ1.3~2cm、幅は1cm、唇弁より小さく、白か白に桃色が混じる。側花弁は唇弁に対してほぼ90度の角度に出て、長斜方形などで長さ1.5~2.4cm、幅1~1.4cm、白地にピンク色が滲み、先端は鈍く尖る。また側花弁は開花後はよく光を反射する。またその基部近くには白い蜘蛛の巣状の毛が生える。唇弁は袋状で丸いか僅かに先が尖っており、長さ1.6~2.5cm、幅1.4cmまで、色はピンクから紫紅色まで。その側面には薄くて網状の組織の部分があって『窓』を形成している。これはおそらくではあるが、袋に入り込んだ昆虫が出口を探す時の目安になり、そこを通って葯のそばを通らせることで花粉媒介をさせるものと考えられている。唇弁の開口部は円形から卵形でその縁は常に暗いピンク色か紫紅色になっており、細かな柔らかい毛があり、僅かながら半円状に波打っている。仮雄蘂は卵状ぽいバイオリン型で長さ6~10mm、幅5~9mmで明るい黄色でその上の部分に1個か2個の赤紫の斑紋がある。また柔らかい毛で覆われており、側方および基部側の縁には時に白く細い毛が並んでいて、先端は尖っているか浅く2つの丸い先端に分かれている。葯は長さ3mm、白っぽいピンク色をしている。子房は花柄を含めて長さ9cm程あり、暗紫色をしており毛が多い。

種小名はベルギーのラン収集家であったシュリム (L. J. Schlim)に献名されたものである[5]

分布と生育環境

南アメリカコロンビアが原産地である[6]。コロンビアの東西両側にある山脈がその生育地である[7]。この地域では本種は雑草的で広範囲に見られ、往々に同属のロンギフォリウム P. longifolium (Warsz. & Rchb.f.) Rolfe と生育地を分け合って見られる。

生育している地域の標高は1100mから2000mにわたるが、大部分はその範囲の中の低い方の地域に生育しており、高標高の地域にも見られるものの暖かい環境を好み、耐寒性は低い[8]

多雨林の中の湿った斜面や岩の割れ目などに生える[9]。常に湿っている斜面や水流を見降ろす岩の斜面などに生え、あるいは道路脇の盛り土なども同様な環境を提供している。

分類、類似種など

本種の属するフラグミペディウム属は中南米に30種ほどが知られており、それらは7つの節、あるいは亜属に分けられているが、本種はその中でミクロペタルム節、あるいは亜属に含められている[10]。この節(亜属)の特徴は側花弁が幅広くて先端が細間らないこと、背萼片が側花弁に似ていてやや小さいことが挙げられる[11]。同亜属には後述の近縁種の他にこれも後述のベッセアエなども含まれている。

ちなみに本種の原記載ではセレニペディウム属とされ、学名は Selenipedium schlimii であった[12]

関連する種

本種にはごく類似した種が幾つかあり、それらについては若干の混乱がある。本種が記載されたのは1854年であるが、それから1990年代まで、本種は変異は多いものの単独種と認められてきた[13]。しかし1996年以降、この状況が変わる。Braem およびその他によって本種に類似の種としてP. fischeri が記載され、それに続いて本種は4種と1変種に細分されることになった。更に自然交配種として2種が記録された。その後21世紀になって前記の変種が独立種として記載され、また自然雑種も一つ追加され、本種は5種に細分されたことになる。

  • P. fischeri
  • P. schlimii
  • P. mazurii
  • P. andreettae
  • P. anguloi
  • P. x dauguense (andreettae x schlimii)
  • P. x marinense (anguloi x fischeri)
  • P. x colombianum (manzurii x schlimii)

Braem & Tesón(2016) はこれらをシュリミー複合種 (Phragmipedium schlimii Complex)と位置づけ、検討の結果、P. fischeriP. schlimiiP. andreettaeP. anguloi の4種のみを独立種と認めた。しかしCervera(2020) はそれら全て本種のシノニムである、としている。

利用

出典

参考文献

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