ブリーシンガメン
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『ソルリの話』

『ソルリの話』(『ヘジンとヘグニのサガ』)に次のような話がある[5]。アジアに「アシーアランド」もしくは「アシーアヘイム」と呼ばれる国があって首都はアースガルズといった。そこに暮らす「アース族」の王がオージンでありニョルズの娘フレイヤを側室にしていた。オージンは大変フレイヤを愛していた。王宮近くの岩の奥にはアールヴリッグ(アルフリッグとも)、ドヴァリン、ベルリング(ベーリングとも)、グレールという4人のドワーフが住んでいた。彼らは素晴らしい技術を持ち何でも作ることができた。ある日フレイヤがこの岩屋の前を通りかかると、入口が開いており、ドワーフ達が黄金の首飾りを鋳造して仕上げをしているのが見えた。フレイヤは首飾りが気に入って買い取りをもちかけたが、ドワーフ達は金銭よりもフレイヤのからだを希望したため、フレイヤは彼らのそれぞれと一夜を共にするしかなかった。その代償としてドワーフたちが、彼女に首飾りを与えたのである。この一連の出来事を知ったロキがオージンへ告げ口をしたところオージンは激怒しロキを後宮に侵入させて首飾りを盗んでこさせた。首飾りの返還を求めるフレイヤに対しオーディンは、「20人の王が使える王 2人を不仲にし、彼らに永遠に戦うように呪いをかけ、幸運な王に仕える勇敢なキリスト教徒が彼らを皆殺しにするまで開放させない」ように出来るならば、首飾りを返そうと告げる[6]。フレイヤは躊躇することなくこの条件をのみ、呪法と呪文によって2人の王ヘジンとヘグニを永遠に戦い合わせるよう命じ、後に「ヒャズニングの戦い」として知られる戦乱が巻き起こされることになったという[6]。
『スリュムの歌』
『詩語法』

スノッリ・ストゥルルソンの『散文のエッダ』第二部『詩語法』によると首飾りは一度ロキに盗まれたことがある。
フレイヤが寝ている隙にロキは蝿に変身して館に侵入し首飾りを盗むが、それを見ていたヘイムダルが首飾りを取り戻そうと雲や熊に変身してロキと闘う[8]。最後にヘイムダルは自分をアザラシの姿に変え、ヴァーガ岩礁とシンガ岩において、アザラシの姿のロキと一戦を交え[9]、長い戦いの後にロキを打ち負かし、ブリーシンガメンをフレイヤに取り戻してやることができた[8]。ヘイムダルに対するケニング「ロキの敵」「フレイヤの首輪の探し手」、ロキに対する「巨人と山羊とブリーシンガメンとイズンのリンゴの盗人」はこの出来事に基づいている。またブリーシンガメンは詩人ウールヴル・ウッガソン の詩の中で「美しき海の石」と呼ばれている[9]。