ヘルメット・ストリーマ

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太陽極大期のヘルメット・ストリーマ
太陽極小期のヘルメット・ストリーマ

ヘルメット・ストリーマ (Helmet streamer) は、コロナの、長く尖った先端を持つ大きな帽子のような構造であり、通常は太陽活動の活発な領域に発達する[1]

ヘルメット・ストリーマは、太陽活動が活発な場所と反対側の磁極を結ぶ閉じた磁力線のループによって形成され[1]、根元にはしばしば紅炎や太陽フィラメントが観察される[1]。このループの中に電子が捕らわれるため、非常に明るくなる。太陽風はこのループを長細く伸ばし、先端の尖った形にする。ほとんどの紅炎を超えてコロナの中まで伸びる様子が、日食の最中に観測できる。ヘルメット・ストリーマの発生は通常、中緯度の「ストリーマ・ベルト」に限定され、その分布は太陽周期の中の活発な領域の移動によって決まる。プラズマの小さな斑点である「プラズモイド」が時々ヘルメット・ストリーマの先端から放出され、これが遅い太陽風の起源の1つとなる。対照的に、開いた磁力線はコロナホールと呼ばれ、より暗く、速い太陽風の起源となる。ヘルメット・ストリーマは、大量のプラズマがストリーマの先端に集まると、コロナ質量放出を起こす。

以前はもっぱら日食の際に観測するしか方法がなかったが、SOHO (探査機)が1995年末に打ち上げられてからは必要な時に観測できるようになった[2]

ヘルメット・ストリーマの観測の歴史

ヘルメット・ストリーマは1800年代から観察スケッチが残されている[2]1858年9月7日にブラジルで観測された日食では、フランスの天文学者エマニュエル・リエは以前と比して詳細な観測スケッチを残した[2]

1851年7月28日に観測されスケッチされたヘルメット・ストリーマの形は、極めて規則的な円錐型をしており、Thierry Moreuxの「Les Eclipses(日食)」という本に掲載された[2]

1878年7月29日の日食の際にはエティエンヌ・レオポール・トルーヴェロが太陽の赤道付近の2つのヘルメット・ストリーマを描いている[2]。この時代の観測にはすでにカメラも使われていたが、写真よりも眼で見て描くスケッチのほうがディテールの出来に関しては優れている、とトルーヴェロは語った[2]

脚注

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