ホシツリモ

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ホシツリモ
1. 星状体をつけた藻体
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 植物界 Plantae
(アーケプラスチダ Archaeplastida)
亜界 : 緑色植物亜界 Viridiplantae
階級なし : ストレプト植物 Streptophyta
: シャジクモ植物門 Charophyta
: シャジクモ綱 Charophyceae
: シャジクモ目 Charales
: シャジクモ科 Characeae
: シャジクモ連 Chareae
: ホシツリモ属 Nitellopsis
: ホシツリモ N. obtusa
学名
Nitellopsis obtusa
(Desvaux) J.Groves, 1919[1]
シノニム
英名
starry stonewort[1]

ホシツリモ(星吊藻、学名: Nitellopsis obtusa)は、シャジクモ目ホシツリモ属に分類される藻類の1である。藻体は大型で長いものは2.5メートルに達し、節間部が長く、主軸にも小枝にも皮層を欠き、小枝節に長い苞がある。雌雄異株であるが、有性生殖は稀であると考えられている。藻体下部の節につける星状のむかご(星状体)によって無性生殖を行い、「ホシツリモ」の名はこの構造に由来する(図1)。ユーラシア大陸に分布するが、北米にも侵入している。日本では一時期、野生状態のものは絶滅したと考えられていたが、その後再発見され、2025年現在では環境省レッドリストの絶滅危惧I類に指定されている。

藻体は大型で、長さはふつう 40–70 cm、ときに 2.5 m に達することもある[2][3][4](図2a)。主軸は太く、直径 1 mm ほどある[2][4](図1, 2b)。主軸にも小枝にも皮層を欠く[2](図1, 2b)。主軸節部は托葉を欠くが[2][4]、節部細胞が大きく肥大化していることがある[3](図2b)。主軸節間部は小枝の 1–1.5 倍長あり、節間細胞はときに長さ 25 cm に達する[2][5]。各小枝は2–3節からなり、節部には長い苞が1–2個つくため、小枝が分枝しているように見える[2][3][4]。苞の先端はしばしば細く尖っている[4]

2a. 藻体
2b. 節部の拡大: 主軸、小枝、節部細胞

雌雄異株(造精器と生卵器が異なる個体につく)[2]。日本では、湖沼ごとに雄株または雌株の一方のみが分布していることが多い[4]。造精器は節部に単生または双生し、直径 1,000 µmに達し、鮮赤色[2](図3a)。生卵器も節部に単生または双生し、1,200–1,400 × 1,000–1,200 µm、らせんは9本あり、小冠は小さく(65 × 150 µm)脱落しやすい[2](図3b)。卵胞子はほぼ球形で 770 × 600 µm ほどであり、黄褐色、らせん縁は約7本[2][4]

3a. 造精器
3b. 生卵器

藻体下部の節に、白色、星形のむかご(星状体)を形成し、この構造が「星吊藻」の名の由来となっている[2][3][4][6][5](図4)。ホシツリモは上記の有性生殖器をまれにしか形成せず、基本的に星状体による無性生殖を行っていると考えられている[2][3][5]

4a. 星状体
4b. 星状体(裏側)

一見、フラスコモ属Nitella)に似るが、小枝が分枝しないことや星状体をつけることで区別できる[2]

分布と生態

ヨーロッパから南アジア東アジアまでユーラシアに広く自生する[2][1]タイプ産地フランス[1]。日本では絶滅したと考えられていたが再発見され、2025年時点では千葉県、山梨県、滋賀県、新潟県から報告されている[4]。淡水から汽水の湖沼に生育し、比較的深い水深に分布する[7][4](図5)。

5a. 人工湖中の群落(オーストリア)
5b. 湖中から引き上げた藻体(ポーランド)

1970年代におそらく船のバラスト水によって北米(五大湖地域)に侵入し、外来種として大増殖している[7]

日本における保全状況評価

脚注

外部リンク

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