ホランドコード

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ジョン・L・ホランドの「ホランドコード」のRIASECは、六角形としてグラフ化されており、それが2つの基礎となる次元にマッピングできる円環である。

ホランドコード(英:Holland Codes)またはRIASECとは、アメリカの心理学者であるジョン・L・ホランドによって開発された性格タイプに基づくキャリアと職業選択の理論である[1][2]

米国労働省の雇用訓練局は、1990年代後半の開始以来、無料のオンラインデータベースO*NET(Occupational Information Network)[3]の「興味」(Interests)セクションで、RIASECモデルの更新・拡張版を用いている[4][5]

ホランドの職業選択の理論は、The Holland Occupational Themesによると、「今ではキャリアカウンセリングの研究と実践に浸透している」[2]。その起源は、「1958年に応用心理学のジャーナルの記事と、職業選択の彼の理論を定めた1959年の後続の記事にたどることができる。 ... 基本的な前提となるのは、自分の職業の好みというものが、ある意味で根底にある性格のベールに包まれた表現であるということであった」[6]。特に1959年の論文(『カウンセリング心理学』誌に掲載された「職業選択の理論」)は、ホランドの「職業人格と職場環境に関する理論」の最初の主要な導入と考えられている[2]

ホランドはもともと、彼の6つのタイプを「運動性、知性、審美性、支持性、説得性、適合性」と分類していた[2]。彼は後でそれらを発展させ変えていき、6つのタイプは「現実的(実行者)、研究的(思考者)、芸術的(クリエイター)、社会的(援助者)、企業的(説得者)、慣習的(組織人)」となった[7]。ホランドの6つのカテゴリーは、お互いにある程度の相関関係を示している[8]。相関性の高い領域を結ぶ円で表現すると、領域の頭文字がR-I-A-S-E-Cと等しくなることから、RIASECモデルや六角形モデルと呼ばれることもある。ペンシルベニア州立大学のジョン・ジョンソン教授は、6つのタイプを分類する代替的な方法として、古代の社会的役割を通して分類することを提案した。それぞれ「ハンター(現実的)、シャーマン(研究的)、アーティザン(芸術的)、ヒーラー(社会的)、リーダー(企業的)、伝承者(慣習的)」である[9]

科学賞委員会によると、ホランドの研究によると、性格は自分に合ったキャリア環境を見出し充実すること、そして仕事やキャリア環境はその中で充実する性格によって分類できることを示しているという[10]。また、ホランドは、「職業の選択は性格の表現である」という理論についても述べている[11]:6。さらに、ホランドは人々を「6つのタイプのいずれかに分類する」ことができると提唱していたが[11]:2、6つのモデルのそれぞれに似ている人物の単純な順序付けを可能にする6つのカテゴリスキームは、720の異なる性格パターンの可能性を提供している」[11]:3

2011年の研究で、4440人から4670人ほどを対象にホランドコードの各領域おける妥当性に関するメタ分析が行われたが、それぞれの領域の相関係数はそれぞれ「0.01」「0.00」「-0.03」「0.02」「0.01」「0.00」と6つの指標全てが0.00に非常に近い値だった[12]。一方で、2017年に発表されたドイツの高校生3023人を学校卒業後10年に渡って調査した追跡調査によると、ホランドコードの予測妥当性は職業上の興味においてビッグファイブ性格特性よりも強かった。また、ホランドコードは正規雇用、総収入、失業、結婚、子供、人間関係、健康状態の知覚といった領域で優位な予測因子であった[13]

関連モデル

プレディガーの二次元モデル

プレディガーは、ホランドのモデルに基づいて「仕事の課題」と「仕事に関連する能力」の尺度を構築し、その基本的な構造を明らかにするために、因子分析と多次元尺度分析を行った[14][15][16]。その結果、「データ/アイデア」と「モノ/人」の 2 軸が抽出された。プレディガーの探究は、興味そのものから始まったわけではないが、最終的にはRIASEC以外のモデルの誕生につながり、職業興味の構造が基本的な次元を提供している可能性を示唆した。

トレーシーとラウンズの八角形モデル

アメリカでは、1990年代のホランド六角形モデルを超える新しいモデルを目指して精力的な試みが行われている。トレーシーとラウンズの八角形モデルもその一つである[17]。実証データに基づいて、「モノ/人」軸と「データ/アイデア」軸で構成される二次元平面上に職業的興味を円形に配置し、領域の数を任意に決めることができると主張している。ホランドの六角形モデルだけでは職業的興味の構造を十分に表現できないが、彼らのモデルによれば必要に応じて八角形や十六角形モデルとしての妥当性を保持することが可能であるとしている。

トレーシーらは、日米の大学生を対象に職業興味の国際比較研究を行ったが、その結果、ホランドの六角形モデルよりもトレーシーとラウンズの八角形モデルの方が日本人学生に適していることが示唆された[18]

トレーシーとラウンズの球形モデル

トレーシーとラウンズは、従来の職業関心構造モデルは職業威信、つまり「社会的威信」や「高い社会経済的地位」を無視しているため、職業の位置関係を正しく描けていないと批判し、職業の威信を組み込んだ3次元空間に職業を割り振る球体モデルを提案している[19]。このモデルでは、18の関心領域が球体空間上に表示されている。左半球では健康科学を頂点としたステータスの高い領域を示し、右半球ではサービス提供を最下位とし、ステータスの低い領域となっている。

このモデルは、各種職業間の関係をより正確に記述する点では優れているが、職業関心構造をより複雑にしており、米国以外のデータには適応しにくいという弱点があ[18]る。

タイプの一覧

ジョン・L・ホランドは仕事の世界を研究することでキャリアを積み、現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的など、自分の性格タイプやその組み合わせを認識していれば、より充実した労働者になれるという理論の先駆者となった。
—エイミー・ルンディ[1]

R: 現実的 (実行者)

モノ」を扱うことが好きな人たち。その人達は「自己主張が強く、競争心が強く、協調運動や技術、体力を必要とする活動に興味がある」傾向が見られる。問題解決にあたっては「それについて話したり、座ってそれについて考えるよりも、何かをすることによって」アプローチを行う。また、「抽象的な理論よりも、問題解決への具体的なアプローチ」を好むとされる。そして、その人達の興味は「文化的、美的な分野よりもむしろ科学的、機械的な分野」に焦点を当てる傾向がある[20][21]。専攻やキャリアの例としては、以下のようなものが挙げられる。

I: 研究的 (思考者)

データ」を使って仕事をすることを好む人たち。その人達は「行動するよりも考えて観察し、説得するよりも情報を整理して理解する」ことを好む。また、「人を中心とした活動よりも個人を中心とした活動」を好む傾向がある[20][21]。専攻やキャリアの例としては、以下のようなものが挙げられる。

A: 芸術的 (クリエイター)

アイデアやモノ」を扱うのが好きな人たち。その人達は「創造的、オープン、創意工夫、独創的、知覚的、敏感、独立、感情的」な傾向が見られる。また、「構造やルール」に反発する傾向があるが、「人や物理的なスキルを伴うタスク」を楽しむ傾向がある。そして他のタイプよりも感情的になる傾向が見られる[20][21]。専攻やキャリアの例としては、以下のようなものが挙げられる。

S: 社会的 (援助者)

」と一緒に仕事をすることが好きで、「教えたり助けたりする場面では、自分のニーズを満たしているように見える」人たちである。また、「人との親密な関係を求めることに惹かれ、本当に知的な人たちで身体的なことを望む傾向が少ない」傾向が見られる[20][21]。専攻やキャリアの例としては、以下のようなものが挙げられる。

E: 企業的 (説得者)

人とデータ」を扱う仕事が好きな人たち。その人達は「話し上手で、自身のスキルを使って人をリードしたり、説得したりする」傾向が見られる。また、「評判、権力、お金、ステータスを重視する」[20][21]。専攻やキャリアの例としては、以下のようなものが挙げられる。

C: 慣習的 (組織人)

データ」を扱う仕事を好み、「ルールや規則を好み、自制心を重視する人......構造や秩序を好み、構造化されていない、あるいは不明確な仕事や対人関係を嫌う人たち」である。また、「評判、権力、ステータスに価値を置いている」[20][21]。専攻やキャリアの例としては、以下のようなものが挙げられる。

関連項目

出典

参考文献

外部リンク

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