ボクの四谷怪談
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- 脚本の橋本治は東京大学で鶴屋南北を研究し、卒論のテーマも「鶴屋南北論」である[3]。本作は、小説家としてデビューする前に書かれ、当時は「ほんのわずかな人間の目に触れただけで、発表も上演もされなかった戯曲」であった[4]。
- 『ボクの四谷怪談』は破天荒なストーリーながらも、南北の持つ反逆的で皮肉な精神をしっかりと受け継いでいる[3]。主人公は、南北作品に見られるエゴイスティックな悪役ではなく三枚目的な人物であり[3]、お岩も伊右衛門を恨むというよりは、内罰的な性質がうかがえる役柄となっている[5]。
- 伊右衛門、直助、与茂七、お袖ら7人の若者が現代を生きる青春群像として描かれており、舞台版の主要キャストも若手俳優とベテラン俳優が明確に分けられている[3]。
あらすじ
作品の舞台は「昭和51年にして(南北の『東海道四谷怪談』が初めて上演された)文政8年、さらに元禄14年であり、しかも南北朝時代」となっている[6]。
金髪にTシャツとジーンズ姿の民谷伊右衛門が傘を売っている場面にラジオの人気者である文化人タレントの伊藤喜兵衛と早熟な娘のお梅が現れる。お梅は伊右衛門に一目惚れし結婚を申し込むが、彼には病気の妻お岩がいる。しかし、伊藤父娘はそれを気にせず、お岩が亡くなればお梅を後妻に、と勝手に決めてしまう。 一方、お岩の妹お袖には、主君の仇討ちで各地を奔走し、めったに顔を見せない許嫁の佐藤与茂七がいる。そんなお袖に惹かれるのが、伊右衛門の友人である直助権兵衛。また、伊右衛門の周りには、自尊心ばかりが強い元武士で義父の四谷左門や母親のお熊など、個性的な親族が次々と登場し、やがてお岩の身に異変が起こる。 伊右衛門の腹違いの弟・次郎吉、病院で全身包帯姿の第二のお岩、小仏小平の母など、原作にはいない人物が加わり、物語は予測不能な方向へ進む。