ボム(Bomb)は、第二次世界大戦中にカナダ陸軍が運用したシャーマン中戦車の1両である。第27機甲連隊(英語版)(シェルブルック・フュージリアーズ連隊)所属で、いわゆるDデイのノルマンディー上陸作戦以降、北西ヨーロッパ各地で戦った。ボムはDデイ(1944年6月6日)からVEデイ(1945年5月8日)まで間断なく戦った唯一のカナダ戦車である。現在、ボムはケベック州シェルブルックのウィリアム通り武器庫(William Street Armoury)に展示されている。
ボムとして知られる車輌は、アメリカ合衆国ミシガン州フリントのゼネラルモーターズ社フィッシャー戦車廠(Fisher Tank Arsenal)で製造されたM4A2シャーマン中戦車である。製造番号は8007で、同戦車廠が製造した898番目の車輌だった。この車両はイングランドへと送られた後、イギリス陸軍省によって所属番号T-152656が与えられ、シェルブルック・フュージリアーズ連隊B中隊に配属された[1]。当時、同連隊は第2カナダ機甲旅団(英語版)の一部としてフランス侵攻への参加が決定しており、旧式の訓練戦車からシャーマン中戦車への装備更新を進めていた。B中隊所属の戦車はいずれもバーバラ(Barbara)やビー・グッド(Be Good)など、Bを頭文字とする名が与えられていた。ボム(Bomb)はこれに倣いつつ、またフュージリアーズ連隊の連隊章に描かれた擲弾に触発された命名であったという[2]。最初の乗員は戦車長ハロルド・フルッター軍曹(Harold Frutter)、操縦手ルディ・モラルト下級伍長(Rudy Moreault)、副操縦手"レッド"・フレッチャー二等兵("Red" Fletcher)、砲手A・W・ルドルフ二等兵(A.W. Rudolph)、装填手J・W・"タイニー"・ホール二等兵(J.W. (Tiny) Hall)らであった。
ボムはベルギーのスクラップ置き場から回収され、カナダへと送り返された。第二次世界大戦中の北西ヨーロッパ戦線に従軍したカナダ戦車のうち、現在ボムを含む4両のみがカナダ国内で保存されている[9]。当初はケベック州シェルブルックのシャン・ド・マルス公園に展示されていたが、のちにウィリアム通り武器庫(William Street Armoury)前へと移された。同武器庫はシェルブルック・フュージリアーズ連隊を構成した民兵連隊の1つであるシェルブルック連隊のかつての駐屯地である。1964年、シェルブルック連隊と第7/11軽騎兵連隊(7th/11th Hussars)の統合により、シェルブルック軽騎兵(英語版)が新設され、この際にボムも新連隊へと移管された。