ポーランド軍
ポーランドの軍隊
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ポーランド共和国軍(ポーランドきょうわこくぐん、ポーランド語: Siły Zbrojne Rzeczypospolitej Polskiej, SZ RP)は、ポーランド共和国の国軍である。2023年時点で、正規軍の総兵力は約16.4万人、軍事費は約230億ドル(対前年GDP比4%)[1]。標語は「神、名誉、祖国」(Bóg, Honor, Ojczyzna)で、公式軍歌は『我ら第1旅団』(My, Pierwsza Brygada)である。

ポーランドの歴史において、ポーランド王国、ポーランド・リトアニア共和国、ポーランド第二共和国、ポーランド人民共和国などが保有した軍隊も「ポーランド軍」と呼称されるが、本項では東欧革命後に誕生したポーランド共和国の軍事について主に解説する。
概要
ポーランドは東欧革命とソビエト連邦の崩壊により、民主化とソ連の衛星国からの脱却を成し遂げた。1999年に北大西洋条約機構(NATO)に加盟し、アメリカ合衆国(米国)を含むNATO加盟国との集団安全保障を国防の基本としている[1](「北大西洋条約機構の拡大」参照)。
ポーランドは、ソ連の領土・軍事力の多くを引き継いだロシア連邦の飛び地領土であるカリーニングラード州、親ロシアのベラルーシ共和国と国境を接する。ロシアは2010年代以降、ポーランド東隣のウクライナへ軍事介入し(ウクライナ紛争 (2014年-))、2022年には全面的なロシアのウクライナ侵攻が始まった。
これを受けてポーランドは、近年の欧州で最も急速に軍備を増強している国の一つであり、2024年時点で兵力は20万人強とNATO内では米軍、トルコ軍に次ぐ規模である。国防予算は2014年と比べ3倍の350億ドル(約5兆4000億円)に増え、欧州では英国、フランス、ドイツに次ぐ金額である。国防費の国内総生産(GDP)比では、ポーランドは他国を大きく引き離し(4.1%)、NATO内で1位となっている[2]。
装備は国内生産やNATO諸国からの輸入だけでなく、大韓民国からもK9 155mm自走榴弾砲やK2戦車、「天武」多連装ロケット砲を導入し、軍需産業での協力を含む包括的戦略的パートナーシップを結んでいる[3]。
ポーランド軍はNATOや欧州連合(EU)加盟国としての活動などで、約2000人の兵士を国外へ展開している(アフガニスタン紛争 (2001年-2021年)、コソボ紛争、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争など)。一方で同盟・友好国の派遣・駐留軍や合同部隊がポーランド国内に配置されており、ロシアによるウクライナ侵略を受けた米軍のポーランド増派により、約10,000人の米兵が駐留し、米陸軍第5軍団の前方司令部が常設されることになった[1]。
ポーランドは歴史上、ロシア連邦およびソ連とロシア帝国、ナチス・ドイツ以前のドイツ国家から侵略・支配を受けた。ドイツと同盟国になった21世紀においてはロシアの脅威から自国や同盟・友好国を守ることを国防政策の基本としており、ロシアに抗戦するウクライナ軍への軍事支援ルートや負傷兵治療の拠点となっている[4]ほか、ロシア領カリーニングラード州とベラルーシに挟まれたリトアニア=ポーランド国境(スヴァウキ回廊)でNATOの同盟国となったバルト三国と連携する態勢をとっている。
歴史
近世初期まで東欧の大国であったポーランドはポーランド分割でいったん消滅した。第一次世界大戦後に樹立されたポーランド第二共和国が独立を回復して国軍を復活させたものの、ナチス・ドイツとソビエト連邦によるポーランド侵攻で再び滅んだが、国外に逃れたポーランド人の軍隊や国内軍 (ポーランド)が対独抗戦を続けた。
独ソ戦末期にソ連軍に占領されたポーランドは、ソ連圏の一員としてワルシャワ条約機構に加盟していた。この東西冷戦期におけるポーランド国家及びその国軍については「ポーランド人民共和国」「人民軍 (ポーランド)」を参照。
機構
五軍
ポーランド軍は、陸軍、空軍、海軍、特別軍、領土防衛軍の五軍種から成る。
- ポーランド陸軍(Wojska Lądowe)
- ポーランド空軍(Siły Powietrzne)
- ポーランド海軍(Marynarka Wojenna)
- ポーランド特別軍(Wojska Specjalne)
- ポーランド領土防衛軍(Wojska Obrony Terytorialnej)
また、各軍種から独立した専門組織として2022年2月8日にサイバースペース防衛軍(Wojska Obrony Cyberprzestrzeni)を発足している[5][6]。
民兵など
2017年には「領土防衛軍」(WOT)が設立された。日頃は軍以外の仕事に就いている国民により構成される。2019年時点の兵員数は2万3000人で、2021年末には5万3000人への増強を計画しており、4万人以上が志願を表明している。東隣のウクライナ領土がロシア及び親露派によるハイブリッド戦争で侵略されたウクライナ東部紛争(2014年~)を教訓としている[7]。
このほかに、政府の許可を得て民間人に軍事訓練を行う組織が多数存在する[8]。