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スープカレー

日本の北海道札幌市のご当地料理 From Wikipedia, the free encyclopedia

スープカレー(Soup Curry)は、日本のカレー料理のひとつ。スパイスの香り・刺激・辛みのきいたスープと、大振りの具が特徴である。2000年代に北海道の札幌市でブームとなり、その後全国に広まった。

スープカレーの例

概要

札幌市には2000年代のブームの後もスープカレーを提供する店が200店以上存在する[1]。各店は個性を競い合っており、多様なバリエーションがある。札幌発祥の店が北海道内、全国、さらに海外にも進出している。

札幌市との関係

スープカレーの例
(マジックスパイスのもの)
スープカレーの例
(はれる屋(倶知安町のもの))

1971年に札幌市に開店した喫茶店『アジャンタ』が1975年(昭和50年)ごろに発売した「薬膳カリィ」が原型と言われている[2][3]。同市で徐々に人気が広まり、2000年代には大ブームというべき状況になった[4]。

札幌市では『アジャンタ』以外にも『スリランカ共我国』(1984年開店)、『木多郎』(1985年開店)が個性的なカレーを提供していた[5]。後発だが自分の店のカレーを「スープカレー」と命名し、元祖スープカレーの店と称したのは1993年(平成5年)に札幌市白石に開店した『マジックスパイス』である[6][5][7]。これらの店は「スープカレー第1世代」と呼ばれている[5]。

スープカレー第1世代の各店にはそれぞれ熱狂的なファンがついたものの、飲食業界の中ではまだまだマイナーな存在だった[5]。『北海道新聞』の掲載記事をたどってみると「スープカレー」の語が紙面で初めて確認されるのは、1996年(平成8年)に道東部で限定開催されたカレー教室の告知記事においてであり、1998年(平成10年)にスープカレーのレシピがコラム記事として掲載され、翌1999年(平成11年)ころになって札幌市内のスープカレー専門店の記事が目立つようになっている[8]。スープカレーのバイブル的な本『北海道スープカレー読本』(2004年)の著書・樺沢紫苑は1999年を「乱立元年」としている[8]。

第1世代の店をリスペクトしつつ、より親しみやすい味にした「スープカレー第2世代」の「らっきょ」や「心」は、2000年代のスープカレーブームの中心を担ったといえる[8]。

2000年代、樺沢の『札幌激辛カレー批評』、『仏太のカレー修行』などのスープカレー情報を発信するウェブページが人気を集めた[8]。2002年には札幌市を中心とするカレー店100店を紹介するガイドブック『カレー賛昧』が刊行され、3万3千部を売り上げた[8]。インターネットアクセスがまだまだマニアのものだった時代、ガイドブックで食べ歩きを容易にし、スープカレーブームを加速した[8]。

2003年には『マジックスパイス』が神奈川県の「横濱カレーミュージアム」に出店して大評判になり、札幌発のスープカレーが全国に知られるきっかけになった[9]。その後、札幌発のスープカレー店が各都市に進出し、大手牛丼チェーンやファミリーレストラン、コンビニエンスストアでもスープカレーが販売された[10]。

また、人気タレントの大泉洋が「スープカレーファン」を標榜したこともブームを大きく後押しした[1]。大泉は、2004年(平成16年)にベル食品から発売された「本日のスープカレーのスープ」(スープカレーの素)の監修を務めるとともにエッセイ写真集『本日のスープカレー』(2006年、HAJ出版)、ISBN 978-4902882001)を上梓、『100%スープカレー』と題するDVDをリリースしている[1]。

2012年(平成24年)時点では札幌市内にはスープカレーの専門店が200店以上あり、日本全国規模の商品にもスープカレー関連商品があり、文化として定着したことがうかがえる[1]。さらに2014年から2017年の3年間には、札幌市内だけで200店舗以上のスープカレー店が開店したとされる[11]。

2017年(平成29年)の『ミシュランガイド北海道 2017 特別版』に『カレー食堂 心』ほか7店が掲載された[12]。

特徴

源流店

以下の店舗がスープカレーの源流店と考えられている。

アジャンタ薬膳カリィ店[6]
スープカレー店の多くの店主が「大きな影響を受けた店」として名前を挙げている店である[13]。店主の辰尻宗男(1934年 - 2009年)は薬売りの行商で知られる富山県の生まれで[2]、幼少期に札幌に移り住んだ。両親は薬局を営んでいた。1971年(昭和46年)に札幌市中央区円山に喫茶店を開店。家に伝わっていた漢方の養生食とインド料理を融合した「薬膳カリィ」を考案し、一日20食限定で出したところ、口コミで評判となった[2]。はじめは具無しのスープとライスだったが[14]、1975年(昭和50年)に「もったいないから出汁に使った鶏肉も出して」という客のリクエストによりチキンレッグを入れ[13]、つづいて大振りのニンジンとピーマンも加えるようになった。これがのちのスープカレーの原型となった。
スリランカ狂我国[6]
1984年に開店。インドに近い島国で出汁文化が日本と共通するスリランカのカレーを日本に紹介したごく早い例である。
木多郎[6]
1985年に開店。素揚げ野菜をトッピングするスタイルを考案。「トマト系スープカレー」のルーツでもある。
マジックスパイス[6]
1993年に開店。初めて「スープカレー」という商品名を使った。インドネシアの「ソトアヤム」の要素を取り入れた独特のカレーが人気となり、スープカレーブームを牽引する役割を担った。

後続店

らっきょ[要出典]
1999年(平成11年)、ホテルマンだった井出剛と調理人の開賀津也により開店。以前からあったトマト系スープカレーにフランス料理のフォン・ド・ボーを取り入れ、さらに焦がしバジルを浮かべるというスタイルを広めた。開賀津也はのちに独立し、『カレー食堂 心』を開店した。
TONZI
東京に初めて出店したスープカレー専門店[3]。国立市に開店[3]。創業者のトンジ(斉藤仁)は『アジャンタ薬膳カリィ本舗』で修業した[15]。現在は閉店[3]。TONZIで学んだ米山幸彦は、同店の閉店するタイミングで2002年(平成14年)に『スープカリィ厨房 ガネー舎』を東京都港区新橋で開店した[16][3]。
奥芝商店[17]
2006年(平成18年)に開店。「エビ系スープカレー」のルーツとして新たな定番を作った。

脚注

参考文献

関連項目

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