マーガレット・フィンガーハット
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| マーガレット・フィンガーハット Margaret Fingerhut | |
|---|---|
| 生誕 | 1955年3月30日(70歳) |
| ジャンル | クラシック音楽 |
| 職業 | ピアニスト |
| 公式サイト |
margaretfingerhut |
マーガレット・ルース・フィンガーハット(Margaret Ruth Fingerhut MBE 1955年3月30日生)は、イギリスのピアニスト。革新的なリサイタルのプログラムと知られざるピアノ作品を取り上げた録音によって知られる。
作曲家で評論家のポール・コーフィールド・ゴドフリーは「20世紀イギリスのピアノレパートリーの傍流を擁護してくれたマーガレット・フィンガーハットは心からの称賛に値する」と記している[1]。
ノース・ロンドン・カリージット・スクールに通った[2]。王立音楽大学にてシリル・スミスとアンガス・モリソンの下で学び、その後パリに渡ってヴラド・ペルルミュテールに、またアメリカ合衆国ではレオン・フライシャーとアディーレ・マーカスに師事した。フィンガーハットは初期ファイン・アーツ四重奏団のリーダーであったレナード・ソーキンとの出会い、そして共に演奏した経験を霊感の源として引き合いに出す[3]。彼女はビジネスマンのデイヴィッド・テイラーを伴侶としている[4]。彼女には以前のパートナーとの間に1人の息子がいる。
キャリアと録音
フィンガーハットは1981年にグレーター・ロンドン芸術協会からヤング・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤーに選ばれた[5]。同年にウィグモア・ホールでロンドンデビューを飾っており[6]、1983年にはグリーグのピアノ協奏曲で初めてロイヤル・フェスティバル・ホールの舞台に上がった[7]。協奏曲の演奏ではロンドン交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、BBCフィルハーモニック、BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団、BBCスコティッシュ交響楽団、ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズといった名だたる管弦楽団と共演し、ロイヤル・フェスティバル・ホール、ロイヤル・アルバート・ホール、バービカン・センターなどの会場を用いてきた。共演した指揮者にはレナード・スラットキン、ジョン・ウィリアムズ、ポール・ダニエル、ルドルフ・バルシャイ、チャールズ・グローヴズ、エドワード・ダウンズ、ヴァーノン・ハンドリー、ブライデン・トムソンなどの名が挙げられる。トニー・パーマー監督のショスタコーヴィチを描いた映画『Testimony』にはマリヤ・ユーディナ役で出演している[8]。
シャンドスレーベルへの録音にはエドガー・ベイントン、アーノルド・バックス、レノックス・バークリー、エルネスト・ブロッホ、デュカス、ファリャ、グリーグ、ハーバート・ハウエルズ、ケネス・レイトン、アーネスト・モーラン、ヴィーチェスラフ・ノヴァーク、チャールズ・スタンフォード、ヨゼフ・スーク、アレクサンデル・タンスマンの作品の他、19世紀ロシアや20世紀フランスのピアノ音楽の先駆的な選集がある。ダグラス・ボストックが指揮するミュンヘン交響楽団とともに、パーシー・ヤング編曲によるエルガーのピアノ協奏曲の緩徐楽章を世界で初めて録音したのはフィンガーハットであった。世界初録音にはベイントンのコンチェルト・ファンタジア、バックスの八重奏曲、ハウエルズ、レイトン、レノックス・バークリーとマイケル・バークリーのピアノ作品がある。また1992年にはラフマニノフの習作であるカノン ホ短調を初めて録音している[9]。
2つのバックス作品の録音、アカデミー室内管弦楽団との八重奏曲とヴァーノン・ハンドリー指揮、BBCフィルハーモニックとの左手のためのピアノ小協奏曲はグラモフォン・アワードのショートリスト入りを果たした。タンスマンのピアノ作品の録音は『ディアパソン』誌の「ディアパソン・ドール」を受賞した。アンコール集を収めたCDである「Endless Song」はクラシックFMの週刊アルバムとして取り上げられ[10]、『ピアニスト』誌の「エディターズ・チョイス」、および『インターナショナル・レコード・レビュー』誌の「特選」盤に選出された。
フィンガーハットは現代作曲家との仕事にも関心を抱いており、トニー・ブリッジウォーター、ジェームズ・フランシス・ブラウン、ピーター・コプリー、クライヴ・ジェンキンス、ファハド・プーペル、ロクサンナ・パヌフニク、ポール・スパイサーの作品を、ウィグモア・ホール、パーセル・ルーム、スリー・クワイア・フェスティバルなどで初演している。
教育活動
フィンガーハットは王立バーミンガム音楽院の客員講師を務めており、2015年に名誉フェローとなった。かつては王立ノーザン音楽大学とトリニティ・ラバンでピアノを教えていた。ダーリントン国際サマースクール、チータム音楽学校のピアニストのための国際サマースクール、ジャックドウズ音楽教育財団などのサマースクールでは常連のゲストとなっている。ダーリントンにおける彼女の教えぶりについて『スペクテイター』誌は「膨大な技術と感情理解」を示すものだと評している[11]。また、アメリカ合衆国、カナダ、日本、中国でマスタークラスを開講しており、BBCヤング・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤーなどのコンクールの審査員を務めている。
『クラシカル・ミュージック』誌、『インターナショナル・ピアノ』誌、『ピアニスト』誌などの雑誌への寄稿も行っている。
慈善活動
2019年に英国を巡るツアーを立ち上げて演奏を行ったフィンガーハットはイギリス国内の避難民のための88,000ポンドの資金を調達した - これはグランドピアノの鍵盤1つ辺り1,000ポンドという意味合いである[12][13]。プログラムは移民となった有名作曲家の音楽と逸話を合わせたものとなっており、聴衆に移住と亡命というテーマを考える文化的視点を与えている。この業績により彼女は2019年にイギリスのシティ・オブ・サンクチュアリから「サンクチュアリの擁護者」賞を授与されている[14]。
2022年、フィンガーハットはウクライナの若き映画製作者であるヴィクトリア・レフチェンコとの共同制作でウクライナを支援する動画を制作した。フィンガーハットが演奏するウクライナの作曲家セルゲイ・ボルトキエヴィチの『Les Rochers d'Outche-Coche』に合わせた内容で、動画によってウクライナで避難車両を購入する資金が集められた[15]。
また、フィンガーハットはBritish Friends of the Oasis of Peaceを支援している。