マーリン (タンパク質)

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マーリン(merlin)、ニューロフィブロミン2(neurofibromin 2、NF2)もしくはシュワノミン(schwannomin)は、細胞骨格タンパク質の1つである。ヒトにおいては、神経線維腫症2型に関与しているがん抑制タンパク質でもある[1][2]。アミノ酸配列はERMファミリーとの類似性がみられ、merlinという名称も"Moesin英語版-Ezrin英語版-Radixin-like protein"の頭文字をとったものである。

ヒトではマーリンは22番染色体に位置するNF2遺伝子によってコードされている[3]。マーリンをコードする遺伝子はマウスでは11番染色体に位置している[4]。マーリンのホモログは後生動物に幅広く存在し、初期の後生動物において他のERMファミリーから分かれたと考えられている[2]

構造

脊椎動物のマーリンは約70 kDaのタンパク質であり、ヒトのマーリンには10種類のアイソフォームが知られている。最も一般的な2つのアイソフォームはマウスにも同様のものが存在し、両者はエクソン16、17のどちらが含まれているかが異なる[5]。全てでN末端部分は保存されており、この領域には細胞骨格-膜間の組織化を担うタンパク質の多くにみられるFERMドメインが含まれている。マーリンにはFERMドメインに続いて、αヘリカルドメイン、疎水性テールが存在する[6][7]。マーリンはホモ二量体、もしくは他のERMファミリータンパク質とのヘテロ二量体を形成する[8]

機能

マーリンは、アクチンフィラメントを細胞膜もしくは膜の糖タンパク質へ連結する足場タンパク質である[9]。ヒトでは、マーリンは主に神経組織に存在するが、いくつかの胎児組織にもみられる。細胞内では主にアドヘレンスジャンクションに位置している[10]。ショウジョウバエのマーリンは胚の後腸英語版唾液腺成虫原基に発現しており、その役割は脊椎動物とはわずかに異なっているようである[11]

マーリンのがん抑制タンパク質としての性質は、おそらく接触阻止と関連したものである。マーリンはセリン518番のリン酸化による調節を受けており、リン酸化によってエズリン英語版とのヘテロ二量体化が促進され、細胞増殖が許容された状態となる[12]

ショウジョウバエでの研究によって、マーリンはHippoシグナル伝達経路の上流の調節因子として同定されており[13]、この機能は哺乳類でも保存されている[14]。Hippo経路は細胞増殖とアポトーシスを調整する、保存されたシグナル伝達経路である[15]

ヒトでは、マーリンをコードするNF2遺伝子の変異は神経線維腫症2型と呼ばれる常染色体顕性遺伝疾患の原因となる。この疾患は神経系腫瘍の発生によって特徴づけられ、両側性の聴神経鞘腫が最も一般的である[16]

相互作用

出典

外部リンク

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