ミヤマトベラ

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ミヤマトベラ(深山扉、学名: Euchresta japonica Hook.f. ex Maxim.[1])は、マメ科ミヤマトベラ属分類される常緑小低木の1[2][3][4][5]和名は深山に生育し、トベラに色と光沢が似ていることに由来する[5]

高さ30-80 cmになる[2]は多少肥厚する[5]の下部は横になりひげ根を出す[5]。樹高の割に大きな葉をつける[3]。葉は互生[4]3出複葉小葉は長さ5-7 cmの長楕円形でふちは全縁[2]、先は丸い[3]。革質で表面は無毛[3]で光沢があり、裏面は伏毛が密生して薄緑白色[2]

茎の先に長さ1 cmの白い蝶形総状につける[2][4]室は4、葯壁形成は双子葉型、タペート組織は1層分泌型で、小胞子分子は4面体型で成熟した花粉は2細胞[6]子房は1心皮からなり胚珠数は1個、湾生胚珠で珠皮は2枚、外珠皮は7-9層と厚い[6]。胚心は厚層珠心で多くは1個の大胞子母細胞を生じるが、2個を生じることがある[6]。大胞子4分子は1組を生じ、線型、胚嚢形成はタデ型で反足細胞は胚嚢形成が完成すると初期に消失してしまう[6]。胚嚢は成熟に伴い珠心細胞を破壊し、合点側に管状に伸長する[6]。極核は受精前に接触し、多くは融合する[6]。花期は6-7月[2][4]。花の寿命はおおよそ3-4日で、順次開花し花序全体として約2週間咲き続けるという調査報告例がある[7]。訪花昆虫として、アリ以外にコハナバチムカシハナバチマルハナバチカミキリムシスジグロシロチョウルリマルノミハムシが観察されている[7]。秋に少数の長さ約1.5 cmの広楕円形の豆果をつけ[3]、まるっこくてマメ科の果実らしくない[4]。紫黒色に熟し、やや肉質[2]、裂開しない[4]種子は1個[2]、長さ約1.2 cm[4]。結実率は約10 %と全体に低く、多くの花をつけるが結実に至るものは少ない[7]発芽実験による取り巻き種子の発芽率は80 %以上と高いことから、少ない種子でも確実に発芽させ、繁殖につなげる戦略を持っているとみられる[7]

分布と生育環境

山地のスギの植林地の林床に群生するミヤマトベラ

中国広東省広西省[8])、韓国済州島日本に分布する[7]。日本では、本州茨城県以西[7])、四国九州太平洋岸の限られた場所[7]に分布する[2]

温暖帯の照葉樹林内に稀に生育する[3]。しばしば群生する[3]。暗い林内でテカテカと葉が黒光りする様子が目立ち、類似種も特になく見分けやすい[3]

利用

かつては生薬の山豆根の基原植物とされていたが、現在は利用されておらず[9]、根が扁桃炎によるのどの痛みに利用される[10]

種の保全状況評価

日本では環境省によるレッドリストの指定を受けていないが[11]、各地で個体数の減少による絶滅が危惧されていて[7]、以下の都道府県のレッドリストで指定を受けている。

脚注

参考文献

外部リンク

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