ミラティビティ
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研究史
「ミラティビティ」という語は、デランシー以前にも、ワショ語の記述において用いられていた[2][3]。
通言語的な範疇としてのミラティブを扱った最初の文献であるDeLancey(1997)は、ミラティブを持つ言語の実例として、トルコ語・ヘアー語・スヌワール語・ラサ・チベット語・朝鮮語を挙げている[2]。それ以降、デランシーの研究を参照する形で、他の言語(特にチベット・ビルマ語派)におけるミラティブの存在も数多く報告されてきた。もっとも、Lazard(1999)とHill(2012)のように、ミラティブという範疇の妥当性に疑義を呈する者も見られる。Lazard(1999)は、ミラティブを証拠性から区別することはできないとしている。Hill(2012)は、デランシーとAikhenvald(2004)の提示したミラティブの証拠が不十分である、ないしは誤りであるとしている。DeLancey(2012)は、Hill(2012)の指摘を受けて、チベット語に関する自身の分析の誤りを認めた一方(トルコ語・スヌワール語・朝鮮語に関しては言及なし)、ヘアー語・カムクラ語・マガール語には明確にミラティブと言える事例が見られるとした。一方、Hill(2015)は、ヘアー語の新たな分析を提示し、デランシーがヘアー語におけるミラティブの実例と見なしたものを、直接証拠性を示す形式として分析している。
アルバニア語には、ミラティブないし感嘆形 (admiratives)と呼ばれる一連の動詞活用形が存在する。これは話者の驚きだけでなく、アイロニー・疑念・引用などを表す機能を持つ[4]。
事例
「おお」やWow!のような感動詞で「意外性」を表す言語は、通言語的によく見られる[5]。イントネーションも驚きや新情報の表出に関与している[5]。
広東語では、文末助詞のwo3 ~ wo4がミラティビティを表す[6]。
hou2
好
とても
leng4
靚
可愛い
wo3!
喎!
(文末助詞)
「めっちゃ可愛いじゃん!」
("Wow, it's really cute!")
トルコ語の-mIşは、間接証拠性の標識であり、通常の文脈では話者が直接見聞きしたわけではない情報を表す。しかし、驚きの出来事や予期しなかった事象に対しては、話者がその場面を目撃した場合でも-mIşを用いることができる[2]。
kiz-miz
娘-あなたの
çok
とても
iyi
良い
piyano
ピアノ
çal-ıyor-muş.
演奏する-(現在)-(ミラティブ)
「娘さんピアノすごく上手ですね!」