メトロイドプライム4 ビヨンド
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『メトロイドプライム4 ビヨンド』(メトロイドプライムフォー ビヨンド、Metroid Prime 4: Beyond)は、アメリカのレトロスタジオが開発し任天堂より2025年12月4日に発売されたNintendo SwitchおよびNintendo Switch 2用ゲームソフト。「メトロイドシリーズ」の一作。
| ジャンル | ファーストパーソンアドベンチャー |
|---|---|
| 対応機種 |
Nintendo Switch Nintendo Switch 2 |
| 開発元 | レトロスタジオ |
| 発売元 | 任天堂 |
| プロデューサー | 田邊賢輔 |
| 音楽 | 山本健誌 |
| シリーズ | メトロイドシリーズ |
| 発売日 | 2025年12月4日[1] |
概要
本作は2017年6月14日のE3で発表された。その時発表されたのは本作のタイトル、ロゴ、対応機種だけだった[2]。その後、Nintendo of Americaのビル・トリネンは、これまでメトロイドプライムシリーズの開発を担ってきたレトロスタジオは本作の開発には関わっておらず、ほかのチームが開発を担当していると発言した[3]。
2019年1月25日、ゲームのクオリティ不足を理由に開発をレトロスタジオへと変更することが発表された[4]。
2024年6月18日のNintendo Directにて、正式タイトル『メトロイドプライム4 ビヨンド』と、Nintendo Switchにて2025年発売予定であることが発表された[5]。
2025年4月2日のNintendo Directにて、マウス操作や4Kまたは120fpsに対応したNintendo Switch 2 Editionの発売が発表された[6]。なおNintendo Switch版を購入した場合は、アップグレードパスの購入によりアップグレードできる[7]。
開発
本作のプロジェクトは米国任天堂から開発の依頼が来た事から始まった[9]。
レトロスタジオとの開発が決定した時の任天堂のスタッフは田邊賢輔とアシスタントプロデューサー兼進捗管理の田端理沙、サウンドの山本健誌、アート監修の佐藤隆善、通訳が当初1名のメンバーが中心でその後は通訳兼コーディネイターの1名、テキスト英訳者の1名、最終的にコーディネーションサポートの1名、デバッグ担当者の1名を増員した[10]
レトロスタジオ側は内部のみ100名を超えるスタッフが参加し、ゲームデザイナーは一時期『メトロイドプライム フェデレーションフォース』の制作に携わった「Next Level Games」の3名のスタッフも協力し、アートやムービーの作成は外部にも多くの作業を委託し総人数で300名以上が参加した[10]
『メトロイドプライム』のナンバリングの制作を引き受けた際に新しい体験も届けられるゲームを作ろうと考え、同時に、ストーリーはいつか作ろうと計画していたサムスとサイラックスの関係性を軸にしたいと考えた[9]。
当初の別の開発会社からレトロスタジオに里帰りして仕切り直した際に仕切り直しが始まった時は『メトロイドプライム』を制作するための体制が整っておらず、長期に渡る体制の構築を始めた。背景のモデルやムービーの作成は外注の会社に依頼し、背景のデータ制作のために数多くの外注先が必要で、その会社の選定から始まり、その後もずっと管理が必要になった。スケジュールとクオリティー両方を優先する時に進捗管理のスタッフに助けられたと振り返ってる[9]。
こだわりのポイントは、新しいスタッフに古参スタッフの制作方針を理解してもらう内容はゲームを作るのではなく、プレイヤーの体験を構築するのだということや、とくに『メトロイドプライム』らしい“間”のフィールを理解してもらうのに時間がかかり最終的に“間”という日本語の概念自体も含めて理解した[9]。
進め方はゲームの全体的な構成や設定、世界観等のハイコンセプトを任天堂から伝え、レトロスタジオにはそれに従って、具体的な紙面上の仕様やコンセプトアート、レベルデザインの設計図、実験的なプロトタイプ等を作成し、それを任天堂側で確認して修正、変更の指示を出す、最終的にOKのサインが出た物を実データ、プログラムとしてレトロスタジオに作成してもらう。レトロスタジオから提案されるアイデアも同じ工程で進む。データ作成に関する外注への発注、監修、納品等の管理は全てレトロスタジオが行う[10]。
プロジェクトのスタート当初は、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の影響で「オープンワールドの『メトロイド』をやってみたい」という意見がネット上に多かったが『メトロイド』シリーズの伝統の方針の「能力を得て行動範囲を拡大していく」と「最初からどこまでも自由に動き回れる」方針を持つオープンワールドの相性が合わず、自由に動ける範囲を限定的に設け、ハブとしてほかのエリアをつなげる方向で行くことになった。その結果完成まで予想以上に時間がかかり、長期の開発期間中にオープンワールドのゲームに対するプレイヤーの印象も変わってきていることはスタッフ側も認識しており、すでに一度リセットした開発をさらに後戻りさせることは考えられず、当初の構想で作り切ってしまう決意を固めた[9]。
ヴァイオラの誕生経緯はメトロイドとオープンワールドの融合が方針に反する事ながら限定的な範囲で声に答える事が出来るのではと考え、そこでバイクで爽快に走り回り、閉塞感と緊張感が続くメトロイドのゲームプレイに緩急のリズムを着けられることも考えた。途中で『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にリンクがマスターバイクに乗った姿を見た田邊は感動し、サムスに相性が合うイメージはカッコいいと感じバイクを作る事になった。ソルバレイを舞台に走り回る時は自由に走り回る事を最優先にするために、道もなく、障害物もない単純に広い場所に設定した。実際に走ってみて感じたのが目標物が一つ目についたらそれに向かって、集中して走っていけるように作る事が重要だと語る[11]。
ヴァイオラスーツとレガシースーツのデザインの由来はそれぞれの機能とラモーン文明の各時代における建築や技術がデザインに反映してる。ヴァイオラスーツはラモーンの機械文明をルーツとし、バリアスーツの要素を受け継ぎながら流れる様なラインと機械的なニュアンスで対象をなしており、サムスがヴァイオラに乗る設定の為にヴァイオラその物と視覚的に結びつけるを重視した設定。レガシースーツは「選ばれし者」としてのサムスへのラモーンから最後の贈り物であり、スーツのデザインは神聖な場所の「記憶の神殿」と「クロノタワー」の有機的な美学に反映してる[11]。
ラモーンの誕生のアイデアは本作の舞台を別の時空の惑星を決定し、サムスがサイキック能力を得る設定を決めた時点で、ビューロスの住人はサイキック能力を中心に発展した文化を築く設定が自然と決まった事から誕生した。そこから機械文明を通過し、ヴァイオラを発明したのも、バイクが先にありきだったので確定事項となった[12]。
サブタイトルの「ビヨンド」の由来は「時空を超えて」の意味[9]。選んだ理由はその意味を英語で表現するのに一番適切な言葉として選び、レトロスタジオや米国任天堂等の海外支部のスタッフの意見を参考にしたと言う[10]。
Joy-Con 2のマウス操作は慣れた方々の期待に応えるため、プレイヤーのマウス操作時の体験が満足いくものにする様に考え、視点操作やカーソル移動の調整に多くの時間を費やし、プレイヤーが自分好みに設定できるオプションも多数用意した。しかし、Joy-Con 2の機能について詳しく知るにつれ、マウス操作とスティックの操作をシームレスに切り替えられることで、Nintendo Switch 2としてのすばらしい体験になると感じた。作業時間の多くを、マウス操作とスティック操作を自動的に判別し、意図しない入力を最小限に抑える技術の開発に費やし、チームはこの操作方法を最高のものにするため非常に努力し、“Nintendo Switch 2 体験会”で好意的な反応を得られたと振り返ってる[9]。
フューリーグリーンは、“異世界のジャングル”をどう表現するかという点で、アートと環境の構築には担当スタッフがとても力を割いてくれた[9]。
他のエリアも個性豊かな環境に仕上げてもらい、建造物に象徴されるラモーン文化の視覚化には、コンセプトアートを担当したスティーブ・バーグのセンスが発揮されて統一感のある優雅な曲線美が特徴と述べてる[9]。
サイキック能力のアイデアの経緯は開発者は本作のプロトタイプを触っていてチャージビームをコントロールすることを思いつき、実際にプログラムを組んでもらって確認し、そのうえで新たな遊びの要素になると判断し、どういう理屈でサムスがこれを可能にしているか?という点からサイキック能力に結び付けることにした。その後、レトロスタジオに開発が移ったタイミングで、そのほかのサイキック能力のアイデアを追加してもらった[9]。
ストーリー
コスモ歴20X9年のある日、銀河連邦の勢力圏内・デソラン系に位置する惑星タナマールの連邦の研究施設「UTO研究所」がバウンティハンターのサイラックス率いるスペースパイレーツの残党の襲撃を受ける。研究所からの救援要請を受け、連邦本部は近辺の調査任務についていたサムスを急行させる。
登場人物
- サムス・アラン
- 本シリーズの主人公。
- サイラックス
- 『メトロイドプライム ハンターズ』に登場した銀河連邦を憎むバウンティハンター。本作では壊滅したはずのスペースパイレーツの残党軍を支配下に置いている。
- スペースパイレーツ
- かつて、全銀河系の支配を企んでいたがサムスとの戦いに敗れて、本拠地・惑星ゼーベスの消滅によって壊滅したはずの宇宙規模の犯罪組織。兵科や階級によりさまざまな形態の宇宙人で構成されている。スペースパイレーツ残党軍の指揮官クラスがサイラックス・メトロイドに融合され、意識を乗っ取られたことで、軍そのものがサイラックスの指揮下に置かれている。
- サイラックス・メトロイド
- かつて鳥人族により寄生生物Xを根絶する為に生み出された人工生命体。その優れた生体から、生体兵器としてこれまでたびたび軍事利用されてきたが、コスモ歴20X7年に起きたサムスとスペースパイレーツの惑星ゼーベスにおける最終決戦(『スーパーメトロイド』)の末に最後のメトロイド『ベビーメトロイド』の死亡によりメトロイドが根絶されたと思われていたが、メトロイドプライム フェデレーションフォースのスペシャルエンディングにて銀河連邦の施設内に単身潜入した謎の人物(正体はサイラックス)は、連邦の隊員たちの監視をかいくぐり、最奥部にあるゲートへと入っていく。その部屋の中央にはフェデレーションフォースの隊員が回収したメトロイドの卵が保管されている大型カプセルが設置されていた。謎の人物は、左腕の端末を操作して卵を急速に孵化させ、カプセル内部で幼生メトロイドを誕生させたことからも、メトロイドがサイラックスの手に渡っていたことを銀河連邦やサムスすらも知らされていなかった。
- 通常種のメトロイドに生体改造が施され、培養された派生種。緑色の皮膜、本体下部に生え揃った牙といった特徴は通常種と共通だが、細胞核が1つしかなく、メトロイドモドキを彷彿とさせる外観となっている。本体正面、細胞核の前面には基部から伸びた骨のような特徴的な構造物も確認できる。
- サイラックス・メトロイドは、他の生物に寄生・融合する事で、宿主の意識を奪い体を乗っ取る「マインドコントロール能力」を有している。サイラックスはこの特性を利用して、スペースパイレーツ残党軍の指揮官クラスを手駒に収め、軍の指揮権を完全に掌握。パイレーツ達を率いて、各地に点在する銀河連邦軍の研究施設を襲撃して、連邦の最新技術を次々と奪い去っていた。
- ラモーン族
- 惑星ビューロスに、かつて住んでいた種族。中でも生まれつき額にクリスタルを持つ者は、サイキック能力を操ることが可能だった。サムスはクロノタワーの最上階で一族最後の一人「シャトヤント・ヴールーン」の遺志を垣間見る。
- 銀河連邦兵
- 銀河社会の安定を目的とした活動を行う統治組織、「銀河連邦」に所属する兵士。UTO研究所で起きたアーティファクトの誤作動により、サムスと共に惑星ビューロスに転送される。
- マイケルズ・マッケンジー
- メカニックとして各種ビークル類の整備や修理を受け持つだけでなく、臆病な性格のおかげで、最悪の状態から回避してきた一面を持つ。
- リーガー・トカビ
- 生活の安定を求めて連邦軍に志願した孤独を好むハンター。鏃をかたどったお守りをいつも身につけており、その加護により、窮地を脱してきたと信じている。
- エズラ・デューク
- 数多くのスペースパイレーツ軍との戦闘をくぐりぬけてきたベテラン。頑固な性格ゆえ、上官との衝突が絶えないが、誠実で情に厚く、戦場では心強い存在。
- ノラ・アームストロング
- 銀河連邦軍の一等兵。車両系の構造的知識や操作に優れ、直感的に乗りこなしてしまう。明るく積極的な性格によって、問題解決に到達する頻度が高く、サムス・アランに対して憧憬を抱いている。
- VUE-995
- 銀河連邦軍所属の戦闘用アンドロイド。戦闘機や装甲車や二足歩行型有人戦闘メカなどを人間に代わって操縦する。感情を司るプログラムは未搭載であるが、擬似的な感情の発生が認められる例も。
ステージ
- 惑星ビューロス
- 主なエリア
- ソルバレイ
- クロノタワー
- フューリーグリーン
- ボルトフォージ
- アイスベルト
- フレアプール
- グレートマインズ
参考文献
- 「ストーリー最終解答!開発スタッフメールインタビュー」『Nintendo DREAM』2026年3月号、アンビット、2026年1月21日、30-34頁、JAN 4912071130363。