リンディ効果
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この概念は、ニューヨーク市のデリカテッセン「Lindy's」にちなんで名付けられた。初め、この概念は、コメディアンたちによって非公式に提唱された:
まだ2週間しか続いていないショーは、2週間後までしか続かないことが予想される。2年間続いたショーは、さらに2年間続くことが予想される[3][4]。
後にリンディ効果は数学者や統計学者によって理論化された[1][5][6]。ナシム・ニコラス・タレブはリンディ効果を「吸収障壁からの距離」という概念で表現している[7]。
リンディ効果は、書籍など、有効期限がない物品が対象である[2]。例えば、人間には寿命という期限(先進国における平均寿命は約80年)があるため、リンディ効果は適用されない。
歴史
この用語の起源は、アルバート・ゴールドマンが1964年に『ザ・ニュー・リパブリック』に発表した「リンディの法則」という記事に遡ることができる。「リンディ(Lindy's)」はニューヨークのデリカテッセン店であり、そこではコメディアンたちが毎晩集まり、最近のショービジネスの動向を分析していた。この記事でゴールドマンは、ニューヨークのメディア関係者の間で広まっている民間伝承的な信念について書き記した。その信念とは、コメディアンが持つネタの量は一定であり、したがって、ネタの発表頻度から持続期間を予測できるというものであった[8]。
テレビコメディアンの寿命は、そのメディアでの露出の総量に反比例する。もし、思い上がって週次や月次の定期番組を企画すれば、最初のシーズンを生き延びる可能性は極めて低くなる。しかし、この業界の老練な賢者たちが提唱する「資源の節約政策」を採用し、「特別番組」や「ゲスト出演」に出番を限定すれば、 エド・ウィン(1966年に79歳で死去するまで映画出演を続けていた)の年齢まで生き延びられる可能性がある。—アルバート・ゴールドマン、The New Republic、13 June 1964 [4]
ベノワ・マンデルブロは、1982年の著書『フラクタル幾何学』において、同じ名前で異なる概念を定義した[5]。 マンデルブロのバージョンでは、コメディアンは各テレビ出演機会に配分する一定量のネタを持っているのではなく、出演回数が増えるほど、将来の出演回数も増加する。マンデルブロは、生産者の寿命に制約されるようなものについては、将来の寿命は過去と比例することを数学的に表現した。彼はリンディの法則と若き詩人の墓地の寓話を引用し、研究者と彼らの出版物に適用している:
ある人がいかに長い期間にわたって業績をあげようと、平均的に言って、彼にはさらに今までと同じ量の業績が未来に期待できる。突然、途中で世を去れば、その人の論文集は可能性のちょうど半分の量で中断することになる。—ベノワ・マンデルブロ、フラクタル幾何学[5]
ナシム・ニコラス・タレブは2012年の著書『反脆弱性 不確実な世界を生き延びる唯一の考え方(原題:Antifragile: Things That Gain from Disorder)』において、初めて自身のアイデアを「リンディ効果」と明示的に呼称し、生産者の寿命の限界を撤廃して有効期限を持たないあらゆるものを包含し、これを自身の「アンチフラジャイル」理論のより広範な枠組みに組み込んだ。
もしある本が40年間絶版になっていないなら、今後40年間は絶版にならないと予想できる。しかし、これが(消耗品と非消耗品の)主な違いなのだが、もしさらに10年間絶版にならなければ、今後50年間は絶版にならないと予想できる。これは、単純に、長期間存在し続けているものが、人間のように「老化」するのではなく、「逆老化」することを示している。絶滅せずに1年が経過するごとに、寿命期待値は2倍になる。これは、頑強さの指標としてある程度使える。アイテムの頑強さは、その寿命に比例する![2]:318
タレブによれば、マンデルブロはリンディ効果の拡張された定義に同意したという。「私(タレブ)は、消耗品/非消耗品の区分を提案し、彼(マンデルブロ)は、非消耗品はべき乗則に従って分布する一方、消耗品(リンディ効果の由来となったストーリー)は単なる比喩として機能することに同意した」[2]:472