ロケッテン
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1975年に2つの研究グループから、ロケッテンの合成について独立した報告が行われた。
Davalian らは、1,3-ブタジエンとマレイン酸ジエチルのディールス・アルダー反応から出発して、6段階でロケッテンを得た。その中で、3員環はジクロロカルベンの二重結合への付加、4員環は光による電子環状反応により構築した。全収率は約 5% であった[2]。
Vollhardt らは、1,5-ヘキサジインと 3-メトキシ-1-トリメチルシリルプロピンからコバルト錯体を触媒として[2+2+2]環化により対応するシクロブタベンゼン誘導体を作り、シリル基を臭素に変換した後に n-ブチルリチウムによる脱離反応(収率 5%)によりロケッテンを得た[3]。この手法は、後に Stang ら、さらに Halton らによる基質、条件の改良が施された[4][5]。改良後のロケッテンの合成経路を下に図示する。

1,5-ヘキサジインと 3-(トリメチルシリロキシ)-1-(トリブチルスタンニル)プロピンをコバルト錯体により環化させ、n-ブチルリチウムによる脱離反応でロケッテンが得られる。脱離反応の収率の大幅な向上 (65%) は、脱離基を変えたことでもたらされたものである。

