ヴィシナルN形電車
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ヴィシナル(フランス語: Société nationale des chemins de fer vicinaux、SNCV、オランダ語: Nationale Maatschappij van Buurtspoorwegen、NMVB)は、かつてベルギー国鉄とは別に存在したベルギー国営の公共交通事業者で、最盛期にはベルギー全土に5,000kmに近い総延長の軌間1,000 mmの鉄道網を有していた。また1894年以降はブリュッセルの近郊路線を皮切りに電化が開始され、各都市では路面電車の役割も担うようになった。1930年代以降はモータリーゼーションの進展により不採算路線の廃止が実施されるようになった一方、残された路線では車両の近代化が積極的に行われていた。その一環として、1940年代前半から進められた中距離路線用の車両研究の集大成として開発されたのがN形電車である[4]。
単行運転が可能な両運転台式の車両で、流線型を取り入れたデザインは1941年から1947年にかけて製造された6両の試作車(10330 - 10335)の実績を基に設計された。自動式の乗降扉は運転台付近に2箇所設置され、大型窓が6個配置された。運転台は足踏みペダルを用いたPCCカーと異なり、従来車と同様の主幹制御器が使われた[1][3]。
付随車を連結しない単行運転を前提に設計されたため、各台車には1基の電動機のみが搭載され(モノモーター方式)、車軸の外側へカルダンシャフトを介して動力が伝達される直角カルダン駆動方式を採用した。制御装置はアメリカのウェスティングハウス・エレクトリック (WH) 製のものを導入し、変速段数は50段であった[5][6]。