ヴィシナルS形電車

From Wikipedia, the free encyclopedia

運用者 ヴィシナル英語版
製造年 1953年 - 1959年
製造数 200両(新造車両)
運用終了 1988年
ヴィシナルS形電車
Type S
S形電車(1977年撮影)
基本情報
運用者 ヴィシナル英語版
製造年 1953年 - 1959年
製造数 200両(新造車両)
運用終了 1988年
主要諸元
編成 ボギー車、両運転台(S形)
軌間 1,000 mm
電気方式 直流750 V
架空電車線方式
車両定員 110人(着席33人)(S形)
車両重量 19.5 t(S形)
全長 13,900 mm
全幅 2,320 mm
主電動機出力 47 kw
出力 188 kw
備考 主要数値は[1][2][3]に基づく。
テンプレートを表示

ヴィシナルS形電車(ヴィシナルSがたでんしゃ)は、かつてベルギーに存在した国営鉄道事業者のヴィシナル英語版が導入した車両。1950年代に200両以上の大量導入が実施された[1][3]

ベルギー各地に大規模な1,000 mmの路線網を有していた国営企業のヴィシナル英語版フランス語: Société nationale des chemins de fer vicinaux、SNCVオランダ語: Nationale Maatschappij van Buurtspoorwegen、NMVB)には、1940年代後半から1950年代にかけて流線形の車体や直角カルダン駆動方式に対応した駆動装置を取り入れたN形電車を導入し、利用客から高い評価を得た。そこで、ヴィシナルはこのN形を基にした車両の導入を決定した。これがS形である[1][3]

車体はN形と同型で流線形の車体を有し、幅広の両開きの折り戸式乗降扉を有していた。一方で大半の主電動機や台車についてはヴィシナルが所有していた旧型電車のものが流用され、製造当初は木造車体の老朽化が進んでいた標準型電車(Standard)、1955年以降は鋼製車両の機器が流用された。更に12両については部品供出用の旧型車両が不足したため予備部品を用いて製造された。N形電車と異なり、各台車に主電動機が2基搭載されており、付随車の牽引も可能であった[1][3][4]

運用

1953年に最初の車両が完成し、以降1959年までに後述するSO形・SE形も含めて計200両が製造され、ヴィシナル各地の電化路線へ投入された。また、N形のうち10両が主電動機を増設する形で1962年にS形に編入されている。車体は全体がクリーム色というヴィシナルにおける標準塗装を纏っていた一方、1957年から1959年にかけてシャルルロワ地域の一部車両はヴィシナルが運営する路線バスと同様の塗装に変更されたが、60年代初頭に元のクリーム色へ戻された[5][6][3][7][8]

これらの電動車に加え、1954年から1958年にかけてヴィシナルの各系統向けに木製車両から台車を流用したS形と同型の付随車が72両製造された他、1973年から1974年にかけてS形のうち17両が付随車に改造された[3]

その後は各地の路線廃止に加え、老朽化が進んだ事による後継車両への置き換えが行われた結果、ベルギー沿岸軌道からは1982年に引退した。更新工事を受けた車両が存在したシャルルロワではその後もシャルルロワ・プレメトロフランス語版区間を含め使用が継続されたが、路面電車網の縮小に伴い1988年をもって営業運転を終了した[2]

発展・改造形式

ヴィシナル各地の系統に導入されたS形電車は、製造年代や投入系統などの条件により幾つかの発展形式が製造された他、後年には更新工事や地下路線への対応工事も実施された[3]

SO形(9023)
  • SO形(Type SO) - 現在のベルギー沿岸軌道にあたる系統に向けて、1956年から1957年にかけて28両が導入された車両。終端にループ線が存在する線形条件に合わせて車体の一方のみに運転台が存在し、乗降扉も右側に設置されていた。車内は従来のS形とは異なり、壁や天井はクリーム色、座席は緑色のクッションが設置された1人 + 2人掛けのクロスシートに変更された。運転台側の前面に「ヒゲ」と称される装飾が施されていたのも特徴である。1982年まで営業運転に使用された[9][10][7]
SE形(9093)
SM形(9148)
SJ形(9175)
  • SJ形(Type SJ) - 1979年から1983年にかけて、シャルルロワで使用されていたSM形の一部に更新工事を実施した形式。塗装の変更に加え、車体のアルミニウム鋼板が溶接鋼に、台車が騒音抑制のため弾性車輪やゴム製バネを有するものに交換された他、乗降扉付近には折り畳み式のステップが設置された。内装についても近代化が行われ、パンタグラフの上下可動や制動装置は従来の圧縮空気式から電動式へ変更されている。18両(9170 - 9187)が改造対象となり、SM形と共に1988年まで使用された[13][14]

スペインへの譲渡・改造

脚注

参考資料

Related Articles

Wikiwand AI