ヴェネツィア憲章
From Wikipedia, the free encyclopedia
ヴェネツィア憲章(ヴェネツィアけんしょう、英語: Venice Charter)は、歴史的記念物および遺跡の保全と修復に関する国際的な原則を定めた文書である。正式名称は記念建造物および遺跡の保全と修復のための国際憲章(英語: International Charter for the Conservation and Restoration of Monuments and Sites)であり、文化財の保存と修復に関する基本文書の一つとされる[1]。
1964年、ヴェネツィアで開催された第2回歴史的記念物の建築家・技術者国際会議において承認され、アテネ憲章(1931年)を批判的に継承した国際的原則文書である[1]。この会議を受けて翌1965年に国際記念物遺跡会議(ICOMOS、英語: International Council on Monuments and Sites)が設立され、ヴェネツィア憲章はその基本文書の一つとなった[2]。
ヴェネツィア憲章は、歴史的記念物の概念を個々の建築作品に限らず、その文化的意義を示す都市的・農村的環境にまで広げた点に特徴がある[1]。また、保全と修復にあたっては、あらゆる科学と技術を活用すること、真正な資料を尊重すること、推測に基づく復元を避けること、補足部分は全体との調和を保ちつつも原形と区別できるようにすることなどを原則として示している[1]。
なお、世界遺産との関係では、ICOMOSは文化遺産および複合遺産の推薦資産について世界遺産委員会に評価を提供する助言機関であり、記載の可否そのものを決定する機関ではない[3]。