一息ごとに一時間
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フランスの詩人、マルク・アランの「一息ごとに一時間、永遠の機会を待つために息をつめるべきだ…」に始まる詩に触発されて、1960年6月1日から、1961年1月にかけて作曲された。作曲者は、編成にサクソフォーンを加えた理由として、当時モダンジャズ界において話題となっていた、オーネット・コールマンの『ロンリー・ウーマン』という曲のサクソフォーンの音色に魅了されたからであると述べている[2]。また、当時作曲者を包んでいた、表現主義音楽の暗い呪縛から脱することが出来たとも述べている[3]。
ピエール・ブーレーズの作品『ル・マルトー・サン・メートル』の影響が顕著であると言われている[4]。
初演
編成
作品の概要
楽譜上では、4つの部分(楽章)に区分されている[5]が、各部分は大きな切れ目なく続けて演奏される。また、具体的なテンポの指示のない、「Senza Tempo」の表示が多用されている。演奏時間約12分。
第1楽章
アレグロ。次々に楽器が歌い出す、せわしない開始を経て、ソプラノにはっきりとした旋律が現れる。ヴィブラフォンの伴奏で盛り上がったのち、この旋律が静まると、ヴィブラヴォンに第2の旋律が現れる。この旋律も盛り上がりをみせるが、動きは突如停止する。フルートにうねるような旋律が現れると、第1の旋律が変形されてソプラノに再現され、第2の旋律も変形されてヴィブラフォンに再現される。テンポのない部分を経て、静まってゆくかと思いきや、ヴィブラフォンの強い打撃で終結する。複数の旋律を、変形しつつ再現していることから、ソナタ形式的な発想が読み取れる。なお、この楽章ではクラリネットは休んでいる。
第2楽章
プレスト。クラリネットとヴィブラフォンがせわしなく絡み合う、スケルツォ風の音楽。ソプラノ独唱、打楽器とヴァイオリン、クラリネットの順に消えてゆき、ヴィブラフォンのみが残る。
第3楽章
アンダンテ。打楽器奏者同士の掛け合いが静かに響く中、サクソフォーンが息の長い旋律を吹く。この旋律が盛り上がると、フルートに、H、D、E音を繰り返す素朴な音形が現れ、音楽は断ち切られる。続いて、ヴァイオリンのピッチカートによる長いカデンツァに入る。フルート、ソプラノなどと絡み合いながら発展してゆき、最後は冒頭の打楽器の掛け合いが再現される中、静かに消えてゆく。
第4楽章
モデラート。ヴィブラフォンのソロで開始される。テンポ表示のないセンツァ・テンポ部分が頻繁に現れるため、緩やかな印象の楽章である。ヴィブラフォンのカデンツァを経て、シンバルとタムタムが静かに打たれて曲を閉じる。