中村愼一郎

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中村 愼一郎(なかむら しんいちろう、Shinichiro Nakamura、1952年 - )は、日本の経済学者早稲田大学名誉教授。産業エコロジー環境拡張型産業連関分析を専門とし、特に廃棄物産業連関分析(WIO)の構築と応用に関する研究で知られる[1]

中村は、2010年から2018年まで環境省「環境分野分析用産業連関表作成検討委員会」委員長を務め[7]、環境分野における産業連関統計の整備に携わった。また、学術誌 Structural Change and Economic Dynamics (Elsevier社発行) の創刊編集者の一人であり[8]、2011年から2017年にかけては、エラスムス・ムンドゥス修士課程(産業エコロジー MIND)の共同運営に参画した[9]

祖父(父方)は建築家の中村與資平、祖父(母方)はドイツ学者武内大造、大伯父(母方)に造船学者寺野精一がある[10]

研究

中村の研究は、産業連関分析の理論と応用を基盤に、環境負荷、資源循環、廃棄物管理を対象とした分析手法の構築を目的としている。

特に、1990年代後半から開発が進められた廃棄物産業連関分析(Waste Input-Output Analysis, WIO)は、従来の産業連関表に廃棄物の発生および処理・リサイクルのフローを統合したモデルである。この手法は、循環型社会の形成に向けた定量的な政策評価を可能にするフレームワークとして、国際的に高く評価されている。

これらの成果は、ライフサイクルアセスメント(LCA)や物質フロー分析(MFA)の分野に革新をもたらし、国際産業エコロジー学会における最高賞(Society Prize)の受賞へとつながった[11]

これに対し、キャリア初期の研究(1983年の博士学位取得から1990年頃まで)は、標準的な計量経済学の手法を用いた生産関数全要素生産性(TFP)の計測などが主眼であった[12][13][14]。中村が環境研究へと大きく舵を切る転機となったのは、1989年にニューヨーク大学ワシリー・レオンチェフの研究室を訪ねた際のエピソードであるとされる[15]。当時取り組んでいた生産性研究をレオンチェフに紹介した際、「君は、対象にしている生産プロセスを実際に見たことはあるのか?」という問いを投げかけられ、これに強烈な衝撃を受けたことが、後の実証的・物質的なアプローチへの転換に繋がったと記されている。

受賞

  • 1983年 - GEFFRUB Prize (ボン大学最優秀博士論文賞)[16]
  • 2006年 - 第4回リサイクル技術開発本多賞 (産業環境管理協会[17]
  • 2012年 - 日本LCA学会 功績賞[18]
  • 2012年 - 浅田賞 (日本鉄鋼協会[5]
  • 2021年 - Society Prize (国際産業エコロジー学会 International Society for Industrial Ecology, ISIE)[11]

主な著作

脚注

外部リンク

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