中村愼一郎
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- 1970年 - 慶應義塾高等学校卒業[2]
- 1974年 - 慶應義塾大学経済学部卒業[3]
- 1978年 - 同大学大学院経済学研究科修士課程修了[3]
- 1978年 - ドイツ学術交流会(DAAD)給費生としてボン大学(ドイツ)へ留学[3]
- 1983年 - ボン大学より経済学博士号(Dr. rer. pol.)取得。博士論文は多部門計量経済モデルに関する研究[3][4]
- 1979年 - 1985年 - ボン大学経済学部 ドイツ研究振興協会特別研究領域(SFB 21/301)研究員[3][4]
- 1985年 - 早稲田大学政治経済学部専任講師[5]
- 1988 -1990年 - トロント大学訪問准教授 (Visiting Associate Professor)[3]
- 1992年 - 早稲田大学政治経済学術院教授(2022年まで)[5]
- 2005-2012年 - 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 客員教授[3]
- 2012年 - ミュンヘン大学 Center for Advanced Studies, Visiting Fellow[6]
- 2022年 - 早稲田大学名誉教授[5]
中村は、2010年から2018年まで環境省「環境分野分析用産業連関表作成検討委員会」委員長を務め[7]、環境分野における産業連関統計の整備に携わった。また、学術誌 Structural Change and Economic Dynamics (Elsevier社発行) の創刊編集者の一人であり[8]、2011年から2017年にかけては、エラスムス・ムンドゥス修士課程(産業エコロジー MIND)の共同運営に参画した[9]。
研究
中村の研究は、産業連関分析の理論と応用を基盤に、環境負荷、資源循環、廃棄物管理を対象とした分析手法の構築を目的としている。
特に、1990年代後半から開発が進められた廃棄物産業連関分析(Waste Input-Output Analysis, WIO)は、従来の産業連関表に廃棄物の発生および処理・リサイクルのフローを統合したモデルである。この手法は、循環型社会の形成に向けた定量的な政策評価を可能にするフレームワークとして、国際的に高く評価されている。
これらの成果は、ライフサイクルアセスメント(LCA)や物質フロー分析(MFA)の分野に革新をもたらし、国際産業エコロジー学会における最高賞(Society Prize)の受賞へとつながった[11]。
これに対し、キャリア初期の研究(1983年の博士学位取得から1990年頃まで)は、標準的な計量経済学の手法を用いた生産関数や全要素生産性(TFP)の計測などが主眼であった[12][13][14]。中村が環境研究へと大きく舵を切る転機となったのは、1989年にニューヨーク大学のワシリー・レオンチェフの研究室を訪ねた際のエピソードであるとされる[15]。当時取り組んでいた生産性研究をレオンチェフに紹介した際、「君は、対象にしている生産プロセスを実際に見たことはあるのか?」という問いを投げかけられ、これに強烈な衝撃を受けたことが、後の実証的・物質的なアプローチへの転換に繋がったと記されている。