二元数
実数の対 a と b とで、1 と線型独立で自乗すると 1 か 0 か -1 になる要素 u の線型結合 a + bu の形に表される数
From Wikipedia, the free encyclopedia
数学における二元数(にげんすう、英: binarion)とは、2次元の多元数、すなわち実数体上2次元の単位的結合多元環の元のことである。各二元数 x は適当な基底 {1, u} の実数係数の線型結合 x = a + bu (a, b ∈ R) の形に表される。
多元環における積は双線型であるから、2つの二元数 x = a + bu, y = c + du に対して
これが再び二元数となる(つまり乗法について閉じている)ためには、u の平方が再び {1, u} の線型結合に書けることが必要かつ十分である。
以下の3つは実二次元の単位的多元環である:
実は二元数は本質的にこの3種しかないことが示される。
二元数の分類定理
証明 — 実数体上二次元の単位的多元環を A とし、実数体上の基底 {1, u} をとれば、適当な実数 a, b を用いて
となる。平方完成を施して
と書くことができるから、右辺が実数値であることに注意すれば、その値に従って以下の三分律が成り立つ:
- 4a = −b2 のとき、従って ũ2 = 0。このとき、ũ ↦ ε は A と二重数環との同型を与える。
- 4a > −b2 のとき、正の実数 c := √a + b2⁄4 が取れて、v := 1/cũ は v2 = +1 を満たす。このとき、v ↦ j は A と分解型複素数環との同型である。
- 4a < −b2 のとき、正の実数 d := √b2⁄4 − a が取れて、w = 1/dũ は w2 = −1。このとき、A と複素数体との同型は w ↦ i によって定まる。