井口朝生
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少年時代は堀辰雄や立原道造の作品を愛読した[1]。小説の道に進むべく、棟田博主宰の小説勉強会「風らい会」に参加。父には内緒で講談倶楽部賞に応募、佳作を受賞するが、同じ住所であったために父にばれてしまい、一騒動あったと言う[1]。 童門冬二、永井路子、平岩弓枝ら、講談倶楽部賞関係の新人が集まった『小説会議』に参加、父が同人誌のスポンサーとなる[2]。
1956年(昭和31年)、若き日の伊達政宗を描いた『風雲独眼竜』でデビュー。1961年(昭和36年)、直江兼続と彼を慕う2人の女性を軸に、兼続の波乱に富んだ生涯を活写した『青雲乱雲』で第45回直木賞候補となる。同書は続編も刊行され、後に合冊して刊行、代表作と言える。歴史・時代小説でありながら、散文詩を思わせる抒情や、純文学を思わせる静謐さを持った作風が特長である[1]。戦国・乱世物の歴史小説を始めとして、名も無き雑兵や美しくも哀れな女人へ暖かい目を注いだ時代小説を多く手掛け、ソ連への抑留体験を記した『抑留記』などの現代物も若干手掛けた。 また、同人雑誌も発行し続け、童門冬二との二人雑誌『時代』は、1999年の井口の死の直前まで発行され続けた(1999年3月刊行の13号まで)。