従来の経済学で仮定されてきた、金融市場に関する理論や仮説の検証。Shu-Heng Chenが行った、市場参加者たちが予測する価格は常に正しいとする合理的期待仮説の検証や、すべての情報は瞬時に価格に反映されるという効率的市場仮説の検証などがある。
ある経済モデルにおいて、すべての経済主体がそのモデルを正確に把握しており、知ることのできるすべての情報を利用した上でそのモデル内で整合的な予測を行うという仮説。
不確定なマクロな経済状況での貨幣価値の期待は、特定の投機のインセンティブを高め社会変化の原因になるとされている[1]。「期待」は、経済そのものに大きな影響を与える。貨幣を伴う経済にとって、期待とは本質そのものであるとされている[1]。期待形成が社会的伝播性を持つ場合、それは社会変化の原動力となるとされている[1]。
経済学者の小林慶一郎は「実際には、すべての家計・企業が合理的だというミクロの合理性は成り立たず、合理的期待は理論的な近似にすぎない」と指摘している[2]。
政治学者・経済学者の小室直樹は「古典派は余りに合理的な「経済人」を仮定するという理由でよく批判されるが、合理的期待学派のモデルとする経済人は、古典派どころではなく、全知全能に近い「経済人」なのである。その経済人は将来に対して不偏な予測ができる。また、すべての経済理論を利用できる。このような予測をするためには、膨大なコストと時間をかける必要があるが、コストも時間もゼロであると仮定されている」と述べている[3]。小室は「全盛を極めたルーカス派にとって転機となったのは、数学が得意なことで有名なロバート・ルーカスの論文に数学的誤りが発見されたことだった。これがきっかけとなり理論的批判も行われるようになった」と述べている[3]。
市場参加者は利用可能なすべての情報を迅速に取り入れており、新規情報によって他の市場参加者より有利になるという状況は生じないため、市場の挙動はランダムウォークになるという仮説。