人情噺
落語の演目のカテゴリ
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概説
落語は、狭義ではサゲを伴う「落とし噺」(滑稽噺)と理解されることもあるが、実際の演目には人情噺、怪談噺なども含まれる。ただし、その人情噺の定義も広義と狭義とに分かれる。
3代目桂米朝は自著『落語と私』において人情噺の定義をかなり狭く捉えており、講談などにおける「世話物」(町人の世界を題材とするカテゴリ。武家を扱った「時代物」に対する)を、講談のように説明口調で口演するのではなく、(登場人物になりきって)感情を入れながら喋るもので、一席では口演し切れない長編が多いとしている[2]。つまり、米朝は「人情噺」を町人世界を描いたサゲの存在しない噺と定義し、サゲのある「落とし噺」と区別しているのである[2][注釈 1]。
広義の「人情噺」においては、構成は落とし噺同様マクラ、本題、サゲから成り、一席で完結するものも含まれる。題材は(米朝見解による)狭義の人情噺同様、町人の世界を舞台にするが、親子愛、夫婦の情愛、江戸っ子ないしは浪花っ子の人情、身分違いの悲恋など情に訴えるものを扱い、おかし味だけでなく感銘を受けるストーリーの展開になっている。くすぐりやサゲで笑いを取るが、全体的にはほろりとさせられる噺である。また、なかには『笠碁』のように、飾り気のない、人のどうしようもない感情を存分に描く、一風変わった作品もある。