人類供応法
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『人類供応法』(じんるいきょうおうほう、原題:To Serve Man)は1950年に発表されたデーモン・ナイトの短編SF小説。1950年11月号のギャラクシー・サイエンス・フィクション誌に初掲載され、その後、複数の短編集、『Frontiers in Space』(1955年)、『Far Out』(1961年)、『The Best of Damon Knight』(1976年)などに収録されている[1]。
2001年にはヒューゴー賞において、過去の作品を顕彰するレトロ・ヒューゴー賞の「1950年最優秀短編小説」に選ばれた。また、評価が高いテレビドラマ『トワイライト・ゾーン』の第89話『人類に供す』(1962年)の原作としても知られる。
原題の「To Serve Man」は自然に直訳すれば「人類に奉仕する」となり、作中に登場する重要な書籍の名前であると同時にダブルミーニングとしてオチになっている。”Serve”には「〇〇に奉仕する」という意味以外に、「(〇〇を素材とした料理)を給仕する」という意味がある。
作品の舞台は明示されていないが、本書が出版された1950年当時のアメリカ合衆国と推測される。
地球は異星人の接触を受け、3人の異星人が特使としてやってくる。彼らは、我々が享受し、これまで銀河系の他の種族にももたらしてきた「平和と豊かさ」を地球の人類にも届けることが目的であると言う。その言葉通り、彼らは無限のエネルギーや食事、すべての兵器を無効化する装置を提供し、さらには地球人にあった寿命を伸ばす薬の開発も申しでる。そして友好の証として、選ばれた地球人を故郷の惑星に案内するとも言う。
国連の翻訳官である主人公は、他の多くの人類と同様にこの申し出を受け入れ、彼らを信頼する。しかし、同僚のグリゴリは、見返りを求めない利他的行為などありえないとして真の意図があるはずだと疑う。その後、グリゴリは異星人たちの真の目的を探るために彼らの大使館の職員となり、彼らの言語の辞書を盗み、さらに今回の計画に関連しているらしい1冊の本も盗み出す。
その後、主人公も国連を辞職して大使館の職員となり、グリゴリと共に翻訳作業を進める。その結果、書籍のタイトルが『How to Serve Man』(人類に奉仕する方法)だとわかり、やはり杞憂であったと安堵する。そして主人公はバカンスへ出る。
2週間後、主人公が帰ってくるとグリゴリがひどく取り乱している。彼は次回の交換船には自分や主人公も対象となったことを知らせた上で、書籍の最初の部分を訳した結果、タイトルの意味を取り違えていたことに気づいたと明かし、ひどく怯えている。本の内容は人間の食べ方であり、タイトルの『How to Serve Man』の正しい意味は「人間を調理する方法」であった。
受賞歴
2001年にレトロ・ヒューゴー賞の「1950年最優秀短編小説」に選ばれた[2]。