人類運命共同体
From Wikipedia, the free encyclopedia

人類運命共同体(じんるいうんめいきょうどうたい、簡体字: 人类命运共同体、拼音: rén lèi mìng yùn gòng tóng tǐ)とは、自国の利益を追求するとともに他国の利益にも配慮し、各国の共同発展を図ることを中心とする中国が唱える価値観である。国際関係の相互依存や共同利益、持続可能な発展、グローバルガバナンスなど様々な観点によって構成されている。中国では、世界の潮流や人類運命の先行きを代表する思想の一つとされ、覇権を唱えないという中国政府の姿勢も現れているとされている[1]。一方で、第二次世界大戦後の国際秩序を超克するという文脈のもと、専制や、自由・人権の軽視等が含意されているとの指摘[2]もあり、評価は一様ではない。現在、中国の政治、外交、安全保障戦略など多分野に適用されている。
中国首脳の言葉として初めて登場したのは2011年、当時の温家宝総理が東日本大震災の被災地を訪問した際、「自然災害の前で人類は運命共同体である」と述べた[3]。中国では人類運命共同体が正式に登場したのは、胡錦濤前党総書記が2012年に中国共産党第18回全国代表大会で行った活動報告であった。中国共産党の習近平党総書記が就任後の初会見で「国際社会は運命の共同体になりつつある。複雑な世界経済情勢とグローバル問題を前に、どの国にも単独で立ち向かうことができない」と言及している。2011年の『中国の平和発展』白書[4]にて「運命共同体の新視点から人類の共同利益と共同価値観を探るべきだ」と記されている。2017年12月、中国共産党と世界政党のハイレベル対話会の席上、習近平党総書記は「人類運命共同体はすべての民族と国の前途に深く関わり、我々が生まれ育ったこの地球を仲睦まじい大家庭に建設すると共に、各国国民の憧れや夢を適えるものだ」と説明している[5]。2018年に行われた憲法修正時に、『中華人民共和国憲法』の序言に盛り込まれている。