電子マネー
支払い手段の一種
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電子マネー(でんしマネー)とは、電子的手段による決済の形態の一種である。典型的には非接触ICカードを利用し、企業が運営する。
米国、英国、フランス、ドイツにも交通機関用のICカード式電子マネーが存在するものの、交通機関以外での支払い手段としては一般的でない[1]。
Suicaや楽天Edyなど、非接触ICカードによる電子決済手段の一種である。取引ごとに決済情報をやりとりするクレジットカードとは異なり、あらかじめ現金や預金と引換えに電子的貨幣価値を引き落としておき、経済活動の際に同貨幣価値のやりとりを通じて代価を支払うストアドバリュー型である[2]。
電子マネーは、事前に入金(チャージ)[3]しておいた金額を上限として支払いが行える前払い(プリペイド)方式が多い[4][5]。電子マネーとICプリペイドカードの語句の違いは曖昧である。ただし電子マネーには後払い式のものもある[6]。
定義
電子マネーは現金の代替となる支払手段の一種である[7]。ただし、電子マネーの定義は統計や調査、研究により異なっており必ずしも一様ではない[8]。
決済には決済の手段(現金や預金など)とそれを前提とする決済の方法(振込、口座振替、小切手、クレジットカードなど)がある[9]。電子マネーは狭義には決済の手段を電子化したものをいうが、広義には決済方法だけを電子化したものも含む[10]。したがって、電子マネーは、それ自体が価値を有するか否かにより、決済手段性があるもの(端末電子マネーやサーバ型電子マネー)と決済手段性のないもの(支払指示型電子マネー)に分けられる[7]。前者は(狭義の)電子決済に用いられるもので、電子決済とは、商品またはサービスの代金の決済を、現金と同じ価値を持つ電子的なデータ(および通信→データ通信)の送受によって行う仕組みをいう[8]。電子決済のシステムは金銭情報などの電子データを保存している場所によりネットワーク型とカード型に分けられる[8]。
| 決済手段の電子化 (決済手段性あり) |
端末電子マネー (カード型) | カード型の電子決済のシステムではカードや携帯電話に内蔵したICチップなどで管理される[8]。カード型の電子決済には端末(リーダライター)に挿入して読み取らせる接触型と、端末にかざして読み取らせる非接触型がある[8]。 |
|---|---|---|
| サーバ型電子マネー (ネットワーク型) | ネットワーク型の電子決済のシステムでは金銭情報などの電子データはWeb上のサーバで管理される[8]。 | |
| 決済方法の電子化 (決済手段性なし) |
支払指示型電子マネー | 支払指示型電子マネーとはそれ自体が価値を有する決済手段ではなく預金通貨の移転を電子的に指示する仕組みを用いた支払手段をいう[7]。銀行のデビットカードなどが支払指示型電子マネーである[7](デビットカードは決済方法のみが電子化されたもので決済手段は口座に預金として存在する[10])。 |
電子マネー決済にはプリペイド式(前払い式)とポストペイ式(後払い式)がある[11]。電子マネーの残高が不足している場合にクレジットカードなどから自動的に入金補充する機能を有する場合もありオートチャージという[11]。
先述のように電子マネーの定義に関しては統計や調査、研究により異なっており、これらのうちネットワーク型とプリペイド式の電子マネーのみを指したり、非接触型の小口電子決済手段のみを指すこともあるなど必ずしも一様ではない[8]。
電子マネーは法定通貨(法貨)とは異なり、それ自体には強制通用力はない[7]。また、電子マネーは仮想通貨と同じく汎用性があるが、仮想通貨とは異なり転々流通性(利用者間での残高の移転など)を要素とするものではない[7]。通常、電子マネーは発行機関・事業者のみを対象に使用することができる支払手段をいう[12]。仮想通貨には電子マネーのような店舗と利用者という役割分担が存在しない[7]。
日本
日本では原則として、金券やプリペイドカード等と同様に、資金決済に関する法律が適用される。通信手段を用いるサーバー型の電子マネーも規制の対象である。
交通系電子マネーは電子マネーと交通機関乗車カードを兼ねる。交通機関定期券としての単独利用や記念カードも含まれるため他と単純比較はできない。
大半がFeliCa規格である。2000年代までは日本国内でICカードといえばもっぱらFeliCaを指し、海外の電子決済で普及していたNFC TypeA/Bは読み取り機もあまり存在しなかった[13]。(ガラパゴス化#非接触ICカードも参照)
FeliCaを使用していても、物理的な互換性はあるが、交通系ICカードを除くとシステムの互換性は図られていない事が多い。
2022年の発行枚数・会員数(少額決済方式)
- 前払 専業 楽天Edy:1億4,840万枚 (6.8%)
- 前払 流通系 WAON:9,281万枚 (5.4%)
- 前払 交通系 Suica:8,926万枚 (5.0%)
- 前払 流通系 nanaco:7,620万枚 (3.4%)
- 後払 クレカ iD:4,626万枚 (△0.9%)
- 前払 交通系 PASMO:4,121万枚 (2.4%)
- 前払 交通系 ICOCA:2,667万枚 (5.9%)
- 後払 クレカ QUICPay:2,255.4万枚 (21.2%)
- 前払 流通系 majica:1,763万枚 (22.4%)
- 前払 交通系 manaca:817.9万枚 (7.1%)
- 前払 交通系 nimoca:486万枚 (5.4%)
- 前払 交通系 SUGOCA:370万枚 (6.8%)
- 前払 交通系 TOICA:346万枚 (5.8%)
- 後払 交通系 PiTaPa:333万枚 (△0.8%)
- 前払 交通系 Kitaca:196万枚 (6.5%)
- 前払 交通系 はやかけん:176万枚 (6.6%)
※カッコ内は前年同月比。
有効期限を設定しているものがある。すなわち、現金をチャージするなどして電子マネー化しても、その後利用せずに一定の期間を経過するとその価値が滅失すると言うことである。参考までに、民法における債権の消滅時効は10年間である。
アメリカ合衆国
アメリカでは、いわゆる「電子マネー」のようなプリペイドカードではなく、クレジットカード の利用が主要な形態として利用されており、2008年の時点で既に約90%のオンライン取引がクレジットカードやデビットカードで行われていた。[15] そのため、VisaやMasterCardといったクレジットカード会社のサービスの一環としてプリペイド型として提供されているに過ぎない。
歴史的には1994年にニューヨーク市地下鉄で電子マネーを利用したプリペイドカード(紙ベース)が運賃の支払手段として初めて導入された[12]。1995年には石油大手のMobilがガソリンスタンドでの決済方法として導入したプリペイドカードが米国初のプラスチックカード型のプリペイドカードとされている[12]。なお、1993年には高速道路での自動料金収受システムが商用展開されている[12]。
ヨーロッパ
欠点
- 紛失等のリスク
- 利用停止措置も申し出から直ちには実施がされない。紛失・盗難時点から起算しある程度の期間は、価値は保護されない。事業者によっては申し出から24時間程度掛かる場合もある[17]