本作は、批判的思考や発話の沈黙化をめぐる作品としても論じられている。受話器と鳥籠の組み合わせは、言論統制や拘束のイメージと結びつけて読まれ、戦時下の日本社会における抑圧のもとで展開された山本のシュルレアリスム写真を考えるうえで重要な作例とされる。[1][3]
同年10月に『VOU』30号に掲載された《風景》では、切り離された受話器のモティーフが再び用いられた。これにより、《伽藍の鳥籠》は、1940年前後の山本作品に繰り返し現れる「鳥籠とコミュニケーション」の主題の一環として位置づけられる。[1][2]