佐藤喜宣
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裁判での証言(大伏在静脈は深部静脈で、写真の微量の血栓が3週間後の急死の起源)
平成10年(ワ)21883号事件(局所麻酔単独・太腿内外の日帰り脂肪吸引の3週間後、肺動脈血栓塞栓での急死)の遺体解剖の執刀医として裁判所で平成13年3月22日に下記供述をした(添付は佐藤喜宣氏の解剖写真:裁判所公開資料)。

- 原告代理人:右下肢深部静脈というのは,先生は,どの辺りを指しておっしゃっているわけですか?
- 佐藤喜宣氏:大伏在静脈のことをイメージしているんですね。
- 原告代理人:「これらのうち下肢の皮下脂肪吸引術によって下肢深部静脈に静脈炎を惹起したことが,深部静脈血栓形成の原因である可能性が最も考え易く」という記述があるのですけれども,先生がイメージされた下肢の皮下脂肪吸引術から静脈炎,静脈炎から血栓形成のメカニズムについて,もう少し詳しく説明して下さい。
- 佐藤喜宣氏:はい。先ほど静脈がですね,川になぞらえて私申し上げたんですが,最もその細い部分に、例えば脂肪吸引をしますと,たくさんの静脈を傷つけていくわけですね。で,そこは実は吸引した後にはやはり小さな血栓を作っているんです。で,それが治るための人間の生理的な防御反応なわけですが,で,そうしたとき、そこで吸収機転に働いて防御反応なわけですが,で,そうしたときに,そこで吸収機転に働いて,そのまま血栓がとどまっていてくれればいいんですが,そこに炎症が起こって来ますと,だんだん太い静脈の方まで炎症が波及してきます。で,一番の本流というのが足の場合には大伏在静脈の所に来るわけですから,そこに炎症が波及していったであろうと。で,そのためにそこを大きな根っことしてそこから血栓が発生したであろうということが,私たちの,これ学問的には,医学的にそういう風に言われている訳なんですね。
- 被告医師:大伏在静脈は,深部静脈でしょうか,先生にとっては。
- 佐藤喜宣氏:深部静脈の入口となりますよね。
- 被告医師:だから深部静脈でしょうか?
- 佐藤喜宣氏:私は深部静脈と考えていますが。
- 被告医師:大伏在静脈は表在静脈の代表系なんです。これはもう間違いないです。私はあらゆる本をみましたけど,深部と書かれているものはたった一つもありません。
- 佐藤喜宣氏:そうですか。
- 被告医師:文献的にはこのようになっていますが,先生は深部静脈としてとらえているということですね。
- 佐藤喜宣氏:そうですね。
【調書17頁下段】
- 被告医師:先生が先ほど大伏在静脈は深部静脈と言われましたけど,一般的にはそうは言いませんから,この著者によれば,この大伏在静脈の血栓は肺動脈塞栓を起こすというのは考えられないということなんで,先生はどう思われますでしょうか。
- 佐藤喜宣氏:何をしてこれ,これそういう表現になったか分かりませんけれども,しかし,私たちは現物を見ているわけですから,できると考えるんですね。