使い捨て発泡スチロールの禁止

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日本の無駄な食品包装。発泡スチロールのトレーに、ラップで包まれたトマト1個。
発泡スチロールの破断面。この写真に見られるように数ミリサイズの泡状物が寄せ集まっており、これらは容易に無数の球状破片として分散、いったん自然環境中に散逸したら回収は極めて困難であり無数のマイクロプラスチック廃棄物となる。

使い捨て発泡スチロールの禁止(つかいすてはっぽうスチロールのきんし)は、21世紀初頭から世界的な動きとなった、発泡スチロール製の使い捨てプラスチック製品を禁止するため段階的に実施されてきた世界各国の法律であり、一般には使い捨ての食品容器梱包用緩衝材・保冷容器を対象とする。

日本ではカップ麺容器やコンビニ・牛丼店などの持ち帰り弁当容器など、使い捨て発泡スチロール容器が無数無制限に使われ、膨大な量のプラスチック廃棄物を絶えることなく毎日発生させ続けているが、それらを国の施策として制限・禁止する法律は施行されておらずその動きすらない。一方日本国外ではこの措置は2025年現在、世界69カ国の国レベルの立法により制定されているほか、多くの国々では自治体レベルでも実施されている。

発泡スチロールはその物理的な構造上自然環境中で容易に破片化し、マイクロプラスチックを無数にまき散らす。発泡スチロール原料であるポリスチレンは光や酸化により劣化しうるが、生分解性プラスチックと異なり、自然環境中で完全に無害な状態にまで分解されることはない。毎日多くの野生動物が発泡スチロールなどプラスチック廃棄物を食物と間違えて摂取し、長期的な曝露による毒性や、それら廃棄物で消化管が詰まることで飢餓に陥り死んでいる。

国レベルでの法規制

中国では早くも1999年に発泡スチロール製の持ち帰り用容器や食器がいったん禁止されたが、プラスチック業界のロビー活動により2013年にこの政策は撤回された[1]

ハイチでは2012年、運河や道路脇の排水路のごみ問題対処のため発泡スチロール食品容器が禁止された。

2019年欧州議会は、発泡スチロール製のすべての食品および飲料容器を欧州連合加盟国で禁止する法案を560対35の大差で可決した[2]

カナダでは2022年に「1999年カナダ環境保護法」が改正され、発泡または押出ポリスチレン製、ならびに塩化ビニル・黒色プラスチック・オキソ分解性プラスチック製の食品容器が禁止された[3]

発泡スチロールを法律で禁止している世界各国とその禁止法令発効年

発効年 引用
アンドラの旗 アンドラ 2023 [4]
アンティグア・バーブーダの旗 アンティグア・バーブーダ 2017–2019 [5]
オーストリアの旗 オーストリア (EU) 2021 [6]
バハマの旗 バハマ 2020 [7]
バルバドスの旗 バルバドス 2020 [8]
ベルギーの旗 ベルギー (EU) 2021 [6][9]
ベリーズの旗 ベリーズ 2019 [10]
ブルガリアの旗 ブルガリア (EU) 2021 [6]
カナダの旗 カナダ 2023 [11]
チリの旗 チリ 2022 [12]
コスタリカの旗 コスタリカ 2021 [13]
クロアチアの旗 クロアチア (EU) 2021 [6]
キプロスの旗 キプロス (EU) 2021 [6]
チェコの旗 チェコ (EU) 2021 [6]
デンマークの旗 デンマーク (EU) 2021 [6]
ドミニカ国の旗 ドミニカ国 2018 [14]
エクアドルの旗 エクアドル 2022 [15]
エストニアの旗 エストニア (EU) 2021 [6]
フィジーの旗 フィジー 2021 [16]
フィンランドの旗 フィンランド (EU) 2021 [6]
フランスの旗 フランス (EU) 2021 [6][17]
ドイツの旗 ドイツ (EU) 2021 [6][18]
ギリシャの旗 ギリシャ (EU) 2021 [6]
グレナダの旗 グレナダ 2018 [19]
ガイアナの旗 ガイアナ 2016 [20]
ハイチの旗 ハイチ 2012 [21]
香港の旗 香港 2024 [22]
ハンガリーの旗 ハンガリー (EU) 2021 [6]
アイスランドの旗 アイスランド 2021 [23]
インドの旗 インド 2022 [24]
アイルランドの旗 アイルランド (EU) 2021 [6][25]
イタリアの旗 イタリア (EU) 2021 [6]
ジャマイカの旗 ジャマイカ 2020 [26]
ラトビアの旗 ラトビア (EU) 2021 [6]
リトアニアの旗 リトアニア (EU) 2021 [6]
ルクセンブルクの旗 ルクセンブルク (EU) 2021 [6]
マカオの旗 マカオ 2021 [27]
モルディブの旗 モルディブ 2022 [28]
マルタの旗 マルタ (EU) 2021 [6]
マーシャル諸島の旗 マーシャル諸島 2017 [29]
モーリシャスの旗 モーリシャス 2021 [30]
ミクロネシア連邦の旗 ミクロネシア連邦 2020 [31]
モナコの旗 モナコ 2021 [32]
オランダの旗 オランダ (EU) 2021 (NL) [6]
ニュージーランドの旗 ニュージーランド 2022 (NZ) [38]
ノルウェーの旗 ノルウェー 2021 [39]
パプアニューギニアの旗 パプアニューギニア 2018 [40]
ペルーの旗 ペルー 2021 [41]
ポーランドの旗 ポーランド (EU) 2021 [6]
ポルトガルの旗 ポルトガル (EU) 2021 [6]
ルーマニアの旗 ルーマニア (EU) 2021 [6]
セントクリストファー・ネイビスの旗 セントクリストファー・ネイビス 2024 [42]
セントルシアの旗 セントルシア 2019 [43]
セントビンセント・グレナディーンの旗 セントビンセント・グレナディーン 2017 [44]
サモアの旗 サモア 2021 [40][45]
セーシェルの旗 セーシェル 2017 [46]
スロバキアの旗 スロバキア (EU) 2021 [6]
スロベニアの旗 スロベニア (EU) 2021 [6]
スペインの旗 スペイン (EU) 2021 [6]
スリランカの旗 スリランカ 2021 [47]
スリナムの旗 スリナム 2019 [48]
スウェーデンの旗 スウェーデン (EU) 2021 [6]
中華民国の旗 台湾 2022 [49]
タイ王国の旗 タイ 2022 [50]
トリニダード・トバゴの旗 トリニダード・トバゴ 2019 [51]
ツバルの旗 ツバル 2019 [52]
イギリスの旗 イギリス [57]
バヌアツの旗 バヌアツ 2018 [40]
ジンバブエの旗 ジンバブエ 2017 [58]

地方レベルでの法規制

オーストラリアでは人口の97%以上が発泡スチロールの禁止区域に居住している。2021年から2023年にかけてオーストラリア首都特別地域・ニューサウスウェールズ州・クイーンズランド州・南オーストラリア州・ビクトリア州・西オーストラリア州で禁止措置が実施された[59][60][61][62][63][64]

ナイジェリアでは、ラゴス州とアビア州が2024年1月に[65]、オヨ州では2024年3月に禁止措置が導入された[66]

フィリピンでは、バイレン[67]・ボラカイ[68]・カロオカン[69]・コルドバ[70]・エルニド[71]・ラスピニャス[72]・マカティ[73]・マンダルーヨン市[74]・ムンティンルパ[75]・ケソン市[76]・タクロバン[77]で市レベルの禁止措置が実施されている。

アラブ首長国連邦ではドバイの市政府が、2025年にポリスチレン製品を、2026年にすべての使い捨てプラスチック製食品容器を禁止することを発表した[78]

米国での法規制

関連項目

脚注

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