僕が唄うと君は笑うから
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高校1年の高橋厚士は、生まれつき口下手・無愛想な性質で「何を考えているか分からない」と女子生徒を中心に誤解され、「怖い人」というレッテルを貼られていた。そんな厚士だが、中学の同級生とバンド活動をしている。
実は厚士には気になっている少女がいた。バンドを始めたばかりの頃、ギターを担当している同級生・嵩の家で出会った嵩の従姉・中田杏である。杏は彼らと同い年で、同じ高校に通っていたが、中学2年頃からいじめに遭っており、卑屈な態度が身についてしまっていた。しかし中学時代、「気晴らしに」と嵩からバンドのテープをもらった杏は、そこから流れてきた厚士が作る歌に励まされており、以来、彼らのバンドを密かに評価しているのだという。そして、文化祭用の新曲に悩む厚士は、杏を元気付けられないかと曲を書き始めた。
厚士たちのバンドは、文化祭で2年生のバンドと合同でライブをやることになっていたが、厚士と杏がよく一緒にいることが気に食わない2年生によって杏が暴行されかけるという事件がおきた。杏を助けようとしてキレた厚士は先輩2人を半殺しにし、3人揃って停学処分を受けてしまう。
それを聞いた杏は、教師に事情をすべて話し、停学が解けて登校した2人を殴り飛ばした。厚士はそれを嵩からの連絡で知り、翌日に登校。昼休みの中庭で顔を合わせるなり、手の怪我を誤魔化して、ライブがだめになってしまったことを謝る杏。そこに雨が降り出した。そして雨に濡れながら、厚士は杏のために書いた新曲を歌いだす。
主な登場人物
- 高橋厚士(たかはし あつし)
- 高校1年。同級生2人と中学時代からポップスのバンドを組んでいる。担当はボーカルとベース。作詞作曲も行う。目つきが悪く、生まれつきの口下手と無愛想も影響して女子生徒から「怖い人」というレッテルを貼られている。雨音に耳を傾けるなど、独特の感性を持つ。
- 同級生でバンド仲間である嵩(たかし)の従姉・杏に中学時代から片想いしているが、なかなか想いを伝えられずにいた。一度キレると怖い。
- 中田杏(なかた あんず)
- 文化祭実行委員を務める少女。中学時代からいじめられており、卑屈な性格になってしまった。厚士とは中学時代に1度会ったきりだが、嵩が気晴らしにとあげたテープを聴いて、彼の歌が好きになった。厚士の感性に近いそれを持つのか、下敷きが受ける雨の音を「音楽(うた)みたい」と評したことがある。