公の施設
普通地方公共団体が住民の用に供するために設ける施設
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概要
1963年(昭和38年)の法改正により、それまで地方自治法第9章第9節「財産」にあったものを第10章「公の施設」として独立させた。具体的にどの施設が「公の施設」に該当するかどうかは個別の判断になるが、第244条の条文の語句から、「公の施設」に該当するには以下の要件を満たすことが必要となる[1][2]。
- 住民の利用に供するための施設であること
住民の利用に供することを目的としないもの(純然たる試験研究所や庁舎など)は公の施設ではないとされる。
- 当該普通地方公共団体の住民の利用に供するための施設であること
公の施設の利用を供されるべき住民は、原則として当該施設を設置する普通地方公共団体の住民である必要がある。
- 住民の福祉を増進する目的をもって住民の利用に供するための施設であること
公の施設における住民の利用に供する目的は、直接住民の福祉を増進するためであって、利用そのものが福祉の増進となるものでなければならないとされる。したがって、普通地方公共団体の収益事業のための施設(競輪場や競馬場など)は住民の利用に供しても公の施設ではないとされる。
- 普通地方公共団体が設ける施設であること
公の施設は物的施設を中心とする概念であり、人的側面は必ずしもその要素ではないとされる。
- 普通地方公共団体が設けるものであること
国その他普通地方公共団体以外の公共団体が設置するものは公の施設ではない。
なお、特別地方公共団体のうち、特別区、地方公共団体の組合及び財産区については、公の施設に関する規定が準用されている(283条第1項、292条、294条第1項)。
また、合併特例区についても同様である(市町村の合併の特例等に関する法律第5条の30第2項)。
公の施設の管理
公の施設の区域外設置
第244条の3(公の施設の区域外設置及び他の団体の公の施設の利用)
- 普通地方公共団体は、その区域外においても、また、関係普通地方公共団体との協議により、公の施設を設けることができる。
- 普通地方公共団体は、他の普通地方公共団体との協議により、当該他の普通地方公共団体の公の施設を自己の住民の利用に供させることができる。
- 前二項の協議については、関係普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
普通地方公共団体は、地域をその構成要素の1つとしていることから、公の施設の設置についてもその区域内に限られるのが原則であるが、例外として、関係普通地方公共団体との協議により、その区域外に公の施設を設けることができるとされている。また住民の側も自己の属しない地方公共団体の公の施設を当然に利用する権利があるわけではないが、公の施設のなかには設置した地方公共団体の住民に限らず、広く他の地方公共団体の住民の利用に供したとしても、必ずしも当該施設の設置目的に反するものではなく、その維持・運営上からも適当なことが少なくない。そこで、他の地方公共団体の公の施設を自己の住民の利用に供させることができる旨を定めている。
- 具体例
不服申立て
第244条の4(公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求)
- 普通地方公共団体の長以外の機関(指定管理者を含む。)がした公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求は、普通地方公共団体の長が当該機関の最上級行政庁でない場合においても、当該普通地方公共団体の長に対してするものとする。
- 普通地方公共団体の長は、公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求がされた場合には、当該審査請求が不適法であり、却下するときを除き、議会に諮問した上、当該審査請求に対する裁決をしなければならない。
- 議会は、前項の規定による諮問を受けた日から20日以内に意見を述べなければならない。
- 普通地方公共団体の長は、第二項の規定による諮問をしないで同項の審査請求を却下したときは、その旨を議会に報告しなければならない。
行政不服審査法の施行に伴う地方自治法の改正により、異議申立てを経た上での審査請求等の規定を廃止し、普通地方公共団体の長に対する審査請求に一本化された。