第三セクター
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日本での意味
日本においては、政府または地方公共団体(第一セクター)が、民間企業(第二セクター)との共同出資により、独立した事業主体として公共性・公益性が高い事業を行うために設立する法人である。多くは設立が比較的容易な株式会社・社団法人などの形態を採る。公共企業体の一種で、「半官半民」の中間的形態である。
第三セクターは、その定義が法的に規定されているわけではないが、広義には「地方公共団体が出資又は出捐を行っている民法法人および商法法人」を指す[1]。狭義では「地方公共団体等が25%以上の出資・出捐を行っている法人」[2]を指す。総務省の『地方公社総覧』や『第三セクターに関する指針』では、広義の第三セクターに、地方三公社(地方公共団体が全額出資で設立した地方住宅供給公社・地方道路公社・土地開発公社の3公社[3])を加えたものを「第三セクター等」と定義している。
この意味での第三セクターという用語が、日本の公文書で初めて用いられたのは、1973年(昭和48年)に第2次田中角栄内閣により閣議決定された「経済社会基本計画」である。
当初は、日本国有鉄道およびその民営化後のJR各社の、赤字ローカル線(特定地方交通線)を引き受ける事業主体としての第三セクター鉄道で知られるようになった。それ以外にも、大阪府都市開発(当時)[注釈 1]など、「民間活力の活用」というスローガンのもとに、地域振興などを目的とした第三セクターが設立され、1980年代後半以降は政策的に日本各地に広がった。
なお、第三セクター等に対し、公共的事業の運営を民間資本に委ねる方式としてPFIがある。また地方公共団体が直接運営する企業は公営企業である。
法人数
第三セクター等の法人数は、総務省の調査によれば、2023年(令和5年)3月時点で、社団法人・財団法人が3065法人、会社法法人が3311法人、地方三公社が651社[4]。
主な事業分野
- 地域開発・都市開発 - 地域おこし・都市再開発等
- 水道事業 - 公共上下水道の準コア業務の受託等(例:東京水道、東京都下水道サービス、大阪水道総合サービス)
- 農林水産 - 農業・林業の作業受託、特産品開発・製造等
- 運輸 - 鉄道・航空・空港ビル会社・バス・マリーナ・道の駅等
- 情報処理 - 共同コンピュータ事務処理等
- 放送 - 独立局、及びケーブルテレビ局等
- 産業廃棄物処理
- 学校法人 - 加計学園グループのうち順正(旧・高梁)学園、吉備高原学園等
- 観光・レジャー・リゾート - 温泉・健康ランドほか清掃工場余熱利用施設・宿泊施設等
- 医療
- 福祉 - 社会福祉協議会
経営問題
日本では1990年代後半から2000年代以降、バブル崩壊と平成不況により、債務超過で経営破綻する第三セクターが続出した。その例として、バブル期に盛んとなった東京都や大阪市の臨海開発関連の第三セクターの経営破綻が知られる。
また、2006年(平成18年)に表面化した北海道夕張市の財政再建団体転落には、夕張炭鉱閉山後の観光開発のため設立された第三セクター・夕張観光開発の自己破産も大きく影響した。
平成の大合併は、市町村行政の総点検と言うべき面もあったが、市町村の合併の特例に関する法律に期限が定められていたため、合併実現を優先させた結果、第三セクターの点検・処理については先送りされがちで、第三セクターの存否は根本的に問われないケースが多かった。
公共施設の管理運営を第三セクターが民間受託する地方公共団体も多いが、指定管理者制度導入においても、住民サービスの向上や低コスト化といった本質より、当面の処理として既存委託先に第三セクターを選定した地方公共団体も多く、行政改革が不十分な面がある。
第三セクターは民間から融資を受ける際、地方公共団体が損失補償をしている場合があり、破綻後の債務を地方公共団体が引き受けざるを得ない場合もある。
地方公共団体の第三セクター整理や廃止の際には、その資金調達のため「第三セクター等改革推進債」(三セク債)の債券発行が認められてきたが、政府は2013年(平成25年)末に、三セク債発行対象の条件として「2014年(平成26年)3月末までに抜本的改革に着手していること」を追加したことから、同年2月には第三セクター等の619法人が三セク債の発行対象から外れ、うち395法人は清算も困難な事態となった[5]ことが報じられた。