千葉北西連絡道路

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千葉北西連絡道路(ちばほくせいれんらくどうろ)は、千葉県野田市を起点として利根川沿いに柏市我孫子市を経由して印西市に至る地域高規格道路として計画されている道路。核都市広域幹線道路を構成する路線としても位置づけられている[1][2]。かつては千葉柏道路(ちばかしわどうろ)として議論が進められていたが、2019年の令和元年東日本台風(台風19号)による被害を踏まえ、検討の重要性が再び高まり、「千葉北西連絡道路」として検討が加速化している。

国道16号標識
国道16号標識

概要

国道16号(国道6号と交差する呼塚交差点から柏IC方面を臨む)
常磐道柏IC。東西方向に走るのが国道16号

住居や商業店舗、工業施設の集積が進む千葉県北⻄部は、広域的な幹線道路ネットワーク密度が⾸都圏の他の地域と⽐べて低く、国道16号がこの地域を縦断する唯⼀の幹線道路となっている[3]。また、千葉県北⻄部の唯⼀の⾼規格道路である常磐道のアクセス箇所は国道16号と交差する柏ICのみとなっている[3]。その結果、国道16号は地域内の全線を通して交通量が一日3万台を超えており、常磐道の柏ICから国道6号と交差する呼塚交差点までの区間付近では交通容量を超過している状況にあるほか、混雑時と⾮混雑時の所要時間の差が⼤きく、定時性の確保も困難となっている[3]

こうした状況に加え、2019年の令和元年東日本台風(台風19号)の影響による洪⽔調整で、柏市北部の利根川流域にある田中調節池内の市道で通⾏⽌めが発⽣し、その交通が国道16号に集中したことで、混雑が悪化した[3][4]。近年⼤型化する台⾵やゲリラ豪⾬などの災害時における代替路不⾜による安全性が懸念される状況にある[3]

千葉北西連絡道路は、千葉県北西部の更なる活性化を目的とした高規格道路であり、国道16号の渋滞を緩和し、交通の円滑化、アクセス性を向上するとともに、交通事故の減少、災害時における人やモノの流れの確保などの効果も期待されている[1]

経緯

千葉柏道路協議会での検討

  • 1998年(平成10年)5月 - 旧建設省が千葉県及び関係市町との調整を開始
  • 1999年(平成11年)11月26日[5] - 計画素案公表
    • 以後、3市1町で説明会開催[5]
  • 2000年(平成12年)8月23日 - 計画づくりにあたり、パブリック・インボルブメント (PI) 方式を導入し、市民の意見を聞きながら進めることを発表[6]
    • PIについて、国土交通省では「政策の立案や事業の計画・実施過程で関係する住民・利用者や国民一般に情報を公開した上で、広く意見を聴取し、それらを反映すること。」と定義している[6]
  • 2001年(平成13年)7月24日[5] - 「千葉柏道路協議会」発足、第1回協議会開催
当初建設省(現・国土交通省)が示したルート素案では、野田市船形から沼南町(現柏市)藤ヶ谷まで、現道の北側に平行する全長およそ27kmのバイパスとなる予定だった。しかし、ルート素案が市街地を通過することに、協議会発足以前の早い時期から多くの我孫子市民は反対の立場をとり、また協議会の中にも手賀沼を通過することに対して異議もあり、この段階で、ルート素案に対しては、協議会委員が個々に異なる考え方を持ち、意見の収束は困難であった[7]
  • 2006年(平成18年)6月13日 - 提言報告会開催
「千葉柏道路NEWS」の発行による地域住民への広報・広聴や、2001年から計19回におよぶ協議会を通じて提言が取りまとめられ、同日の提言報告会で報告され[8]、翌日公表された[7]。この提言を受け、国土交通省は概略計画の作成に向けた具体的検討を進めることとし、概略計画を決定する場として「千葉柏道路検討委員会(仮称)」を設置、また有識者、市民委員から成る「千葉柏道路沿線会議(仮称)」を概略計画の作成プロセスにあたり設置することとした[7]

千葉柏道路検討会での議論と利根川沿いルートへの転換

  • 2006年(平成18年)10月11日 - 第1回千葉柏道路検討会開催
国土交通省関東地方整備局千葉国道事務所長を座長とし、千葉県及び沿線6市(野田・柏・我孫子・印西・白井・八千代)当局者が参加[9]
  • 2006年(平成18年)11月17日 - 第1回千葉柏道路沿線会議開催[5]
千葉柏道路協議会の提言を受け、行政機関が具体的な計画を策定するための「千葉柏道路検討会」、市民の意見を集約するための「千葉柏道路沿線会議」が設立された。提言により手賀沼を避けるルートが示された結果[要出典]、協議会には加わらなかった印西市白井市八千代市の担当者も検討会へ参加することとなった。検討会では、概ね1年から1年半かけて概略計画をまとめるとした。沿線会議にも3市の市民委員が加わった。
  • 2007年(平成19年)4月27日 - 計画のたたき台公表[10]
計画のたたき台では、「既成市街地への配慮をしていく」「手賀沼の景観をはじめとする自然環境への影響が小さい」「国道16号の区間を大きく迂回する」として、野田市から我孫子市の東部までの「利根川沿いルート」を具体化を検討する案とした[10]。その先については、当面は既存の道路ネットワークの活用を基本に、千葉ニュータウン成田、国道16号方面、茨城県方面等への円滑な交通分散体系を検討していくとし、さらなる延伸については、交通の状況を見ながら将来対応を検討する予定とした[10]。なお、検討に際しては、利根川沿いルートのほか、「手賀沼ルート」や「新たな道路計画をしない(局所的改良)」案も示された[10]。たたき台公表後に実施されたアンケートでは、67%が利根川沿いルートについて「良いと思う」と回答した[11]。なお、2007年5月からは、茨城県及び取手市が千葉柏道路検討会に参加した[12]
  • 2008年(平成20年)7月10日 - 具体的検討結果として、「利根川沿いルート」を有効なルートとして公表[13]。今後約1kmの幅をもって示す構想ルート帯を示すこととされた。

令和元年東日本台風の影響

通行止めは10月25日に解除されたが[14]、田中調節池内の市道の地域外に拠点を持つ抜け道交通が国道16号に集中し、平常時以上の混雑が発生するに至った[15]。この影響で、利根川沿いルートが有効なルートとして公表されて以来目立った動きのなかった千葉柏道路について、整備の検討を進める必要性が強まった[16]

千葉北西連絡道路検討会での議論

  • 2020年(令和2年)6月3日 - 令和2年度第1回千葉県道路協議会
千葉柏道路について、令和元年東日本台風による豪雨災害や周辺道路ネットワークの交通状況の変化等も踏まえ、野田市~印西市間について新たな検討の場を立ち上げ検討を進めることについて確認[15][17]
  • 2020年(令和2年)10月28日 - 第1回千葉北西連絡道路検討会開催
関係9者(国土交通省千葉国道事務所、千葉県、茨城県、野田市、柏市、我孫子市、印西市、白井市、取手市)が参加。新たな検討会の名称を「千葉北西連絡道路検討会」とすることについて合意[18]
  • なお、この時点では「(千葉柏道路のうち)野田市-印西市部分の「千葉北西連絡道路」」[19]、「(千葉柏道路の)野田市-印西市部分」[20]といった表現がなされているが、千葉県知事熊谷俊人は2021年に「千葉北西連絡道路(以前は千葉柏道路)の構想」[21]と述べ、千葉北西連絡道路が千葉柏道路の後継計画との考え方を示している。
  • 2022年(令和4年)11月25日 - 「千葉北西連絡道路の道路計画の基本方針」策定
第4回千葉北西連絡道路検討会において、基本方針策定。起終点はつくば野田線以北から、国道464号付近までとし、常磐自動車道や国道6号へのアクセス性を考慮することとされた。今後千葉北西連絡道路の必要性等について地域とのコミュニケーションを行いながら概略計画の検討を進めることが合意された[22][23]
  • 2024年(令和6年)2月9日 - 「千葉北西連絡道路地元検討会」開催
基本方針の策定を踏まえ、概略計画の検討を進めるための指導、助言を行うことを目的として、有識者及び関係機関からなる地元検討会が設置された[24]。概略計画の取りまとめまで、1年以上を要する見通しとされた[25]。計画の具体化に向け、住民へのアンケートやオープンハウス、ワークショップ、企業ヒアリングなどを実施するなど、沿線住民との密接なコミュニケーションを通じて、地域の理解や協力を得ながら道路計画を検討していくこととなっている[26]
  • 2026年(令和8年)度 - 国土交通省千葉国道事務所、事業化に向けた計画段階評価を進めるため、ルート案の検討など道路概略設計に着手する方針[26]

期待される効果

  • 国土交通省千葉国道事務所長は、千葉北西連絡道路について「国道16号で発生している慢性的な渋滞の解消や周辺に集積する商業施設や工業団地の物流効率化などの効果が期待される大変重要な道路」だとしている[27]
  • 千葉銀行によれば、この道路の開通による効果として、常磐道外環道から成田空港を目指す場合、従来の圏央道や東関道を経由するルートに加え、本ルートが活用され、圏央道や東関道の交通が分散されるという。また、利根川沿いルートは、国道16号の野田市から八千代市に至る約40㎞の区間を大きく迂回することから、県北西部において広域的に渋滞の緩和が図られるとされ、県北西部の道路を利用する事業所における生産性の向上を通じた競争力強化も期待されるとしている[28]
  • 野田市にキャンパスのある東京理科大学の寺部慎太郎教授は、2020年に開催された県と沿線4市のシンポジウムにおいて、現在の国道16号について「沿道に商業施設が建ち並び、遠隔地に物を運ぶ本来の機能が果たせていない」と指摘したうえで、道路の整備効果として「常磐道や北千葉道路とつなげることで東京都や茨城県に広がる広域ネットワークが形成される」と述べている[20]

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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